練るであります」
凪の前では銃騎士の話も禁忌となっている。
全員がディスプレイに注目した。
◇◆◇
6―(2)「崩壊③」
視界が真っ赤に染まる。どれだけの言葉を紡ごうとも表しきれない感情が内側から溢れ、思考を塗り潰していく。www.jnxpj.com
その光景を受け入れることができなかった。
どんなときでも、どんな怪我をしても最後はちゃんと帰ってきてくれた少年が胸を貫かれ、ぐったりとしている。止めどなく流れ出る赤い水が、宙へと散っていく。
どんなにそうではないと否定しても、『吸血鬼』の直感がそうなのだと肯定しようとする。絶対にそんなことはしてはならなかった。
だってしてしまったら、彼が帰ってきてくれなくなる。
黄金の輝きを失った剣が彼の手から抜け、そのまま下に落ちていく。剣先の方から淡い粒子となっていきそして――跡形もなく消滅した。
その瞬間、彼女を繋ぎ止めていた『柊詩織』という鎖は、音を立てて崩壊した。
「がぁぁぁああああああああああああああああああ―――――――!」
獣じみた咆哮が割れた空に轟いた。それはただの咆哮だったはずだ。だというのに、それは志乃が創り出した塔をいとも簡単に破壊した。一片の塵すらも残さずに、砕かれた塔が砂粒となって消えていく。サマンサタバサ
これにはさすがの志乃も、動揺の色を隠しきることは叶わなかった。
この塔は『九十九』という縛りに限定されてはいるものの、能力を完全に封じることが可能だ。一葉の場合、能力を封じるまでに時間を要するため体調を崩してしまっていた。
それは柊も同じはずだ。いくら志乃から直接受けたとはいえ、耐えきる耐えきらないのことではないのだ。現に体調の崩れはあったし、動きに若干の違和感がまとわりついていた。
だが、柊は『九十九』という縛りのなかに『死降』という、『死乃』と並ぶ真名が隠されている。サマンサタバサ 財布
それが、怒りによって無理やり揺り起こされた。
正気を失った双眸が志乃を捉える。真紅だった瞳の片方は志乃と同じ瑠璃色に変化し、髪も根本から白に変色しつつあった。
『死降』へと昇華が始まっている証拠だ。これが完全に変化し終えれば『柊詩織』という人格は消え、死を降ろすことだけをする『死降』となってしまうだろう。
けれどいまの彼女にはそれを考えるだけの思考がない。怒りによって塗り潰され、目の前の敵を殺すことだけしか頭にないのだ。
白刃と黒刃が担い手の感情に悲鳴を上げる。元勇者が最も信頼し