テレビをほとんど見ないので内容は全く知らないけれど、NHKの朝の連ドラがやっていることぐらいは知っている。
今やっている「なつぞら」が100作品目だということらしいが、その前にやっていたのがカップラーメンの開発を支えた女性の物語だということも知っている。
そのカップラーメンも来月(2019年6月)から出荷価格が値上がりする。
カップ麺だけでなく袋麺も値上がりする。
カップ麺に比べて袋麺の売り上げは落ちてきているという。
袋麺はどうしても手間がかかる。
鍋を用意して計量カップで量った水を沸かし、そこに麺を投入して、箸で湯がく。
おわんを用意し、そこに付属のスープの素を入れて、面が茹で上がったら、お湯ごと入れる。
カップ麺と違って、麺の上に乗せるかやく等はないから、必要となれば自分で準備しなければならない。
ゆで卵を入れようとすれば、別途、卵を茹でるとかしなければならないし、野菜を入れようとすれば、別の鍋で野菜を炒める作業も出てくる。
もっとも、これらを一つの鍋で済ませることも可能かもしれないが(鍋で最初に野菜を炒めて、そこに水を入れて沸騰させ、麺を投入する)、何れにしても複数の工程が必要になる。
また、袋麺一つ作るにしても、どれもが、ちょうどいいタイミングで出来上がっていないといけない。
麺が先に茹で上がって、後から上に乗っけるものを作っていたのでは麺が伸びてしまう。
まさにジャスト・イン・タイムだ。
自分は料理をすることがほとんどなく、出来合いのものをスーパーで購入することが多いので、一人で一気に色々なものを作って出すのはすごいことだと思っている。
どれかの工程が抜けても、料理に支障を来す恐れがあるのだから。
一人で作るにしても、事前に下ごしらえをするし、必要な素材や調味料も事前に用意しておく。
事前準備という点では、事前にそれらを購入しておく、という工程がある。
素材に関して言えば、あまりにも前から買っておいたのでは、作る前に悪くなってしまうかもしれないので、なるべく作る時間に近い時に手に入れる。
そうした素材はスーパーなどで売っているが、スーパーに行けば毎日新鮮なものが並べられている。
もちろん、これも新鮮なものを提供する生産者、鮮度を保って届ける運搬業者や、それを並べるスーパーの方々あってのことでもある。
それらのどこか一つでも抜けたら、食事が完結しない。
そして、そうしたプロセスに関わるどこかに歪みやストレスがかかると、一気に壊れてしまうかもしれない。
上場企業の決算発表がピークになり、日経新聞でも毎日のように決算発表の記事が載っている。
特にこの時期は3月末決算の会社の年度決算の発表が出揃う。
決算短信は決算締日後45日以内というルールがあるので、この時期に集中しやすい。
そして、決算が行われると、決算説明会や株主総会の準備に入り、役員人事の発表が行われるところも出てくる。
トヨタの役員報酬が話題になっている。
工場でのジャスト・イン・タイムの生みの親とも言える企業だ。
一方で最低賃金についての議論もある。
日本の実質賃金は下がる一方で、G7では唯一で、OECD加盟国でもそんなにない。
ジャスト・イン・タイムは関連企業、下請け企業に適時適切に安価な部品を提供させることで成り立つ。
そのどこかに歪み、痛みが伴っていないだろうか。
どこかに痛みが生じ、それによって一連のプロセスの一つにでも穴が生じれば、たちまちストップしてしまう。
実はそうなりつつにあるのではないだろうか。
もうどこがが破綻すれば、料理で言えば袋麺一つ作ることができなくなる。
袋麺も値上がりし、野菜その他の商品も値上がりし、さらに消費税も引き上げられる。
一方で賃金は人手不足という割に上がっていない。
明らかにおかしい。
労働は生き甲斐であり、自己実現の場だ、というのは、すべてが成り立ってから言えることだ。
まずは賃金を上げることからなんじゃないか。
ZOZOが時給を引き上げて大量のアルバイトを募集した。
そうしたら、応募が殺到して、3日間で募集を打ち切ったとのことだ。
その引き上げ額については、まだ色々と議論の余地はあるだろう。
ただ、人手不足と言っても、賃金を高くすれば人は集まる。
ラーメンの話から、料理の話になってと前振りが長くなってしまったが、一つの完成形を作るまでにはいくつもの工程を経る必要がある。
そして、その工程のどこかが欠けても成り立たないことが多い。
そして、今、その工程の一つに異常なストレスを掛けている状態になっており、またそれを推し進めようとする動きさえ見られる。
流石にもうヤバイ。
(この場合のヤバイは悪い意味・本来の意味)
お湯を注ぐだけの1工程で済むのがカップラーメンだが、カップラーメンばかりを食べているわけにはいかない。
もっとも、カップラーメンですら値上がりしたら、食べられなくなるかもしれないが。
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