幸い、連続殺人にかかわったことがない。

 

連続殺人の被害者になったこともなければ、

知っている人が被害者になったことも、

実は加害者だったこともない。

そして当然、私は連続殺人犯ではない。

(と、しておこうか、ふふふ)

 

 

 

 

 

連続殺人にかかわった人たちの「その後」を描いた作品で、

たいへん興味深かった。

 

殺人鬼ユレック・ヴァルテルは、強烈な人物だ。

関わった人物は強烈に影響される。

その後の人生が狂うほどにだ。

 

被害者たちはもちろん、

主人公ヨーナ・リンナも、

女主人公サーガ・パウエルも、

他、色々もだ。

 

「あれ、でもユレック・ヴァルテルって・・・・・・」

おっとっと、それは言ってはいけない。

この『蜘蛛の巣の罠』はシリーズものである。

シリーズの9作目、最新作だ。

 

『著者ラーシュ・ケプレルは、『砂男』および『墓から蘇った男』で描かれた出来事や細部の情報が、本作において言及されることをあらかじめ読者にお知らせするものである。』

 

巻頭言にこう書かれている。

改まった言葉で書かれているが、つまり意図は明確だ。

 

『『砂男』と『墓から蘇った男』のネタバレがあるから、嫌な人はそちらを先に読んでね』

 

ヨーナ・リンナのこのシリーズは面白く、とにかくショッキングだ。

巻ごとに「ほんぎゃあ」と声があがるのを約束する。

 

 

 

「〈ケーニヒスベルクの七つの橋〉と呼ばれている論理問題はご存じ?」(上巻247頁)

 

この『蜘蛛の巣の罠』は、ショッキングなことは保証するが、

正直なところ、これだけを読んでもあまり面白くはないだろう。

 

作者ラーシュ・ケプレルの言うとおり、

『砂男』『墓から蘇った男』から読んだほうがおすすめだ。

 

シリーズはじめの早川書房出版の3作は残念ながら絶版だが、

4作目の扶桑社出版からは電子書籍版もある。

 

※エロシーンがなかなか強烈なので、

 エロが苦手な方には薦めない。

 

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