Hidy der Grosseのブログ -25ページ目

独検対策35 アメリカ海軍の空母における痛々しい問題

独検対策35 アメリカ海軍の空母における痛々しい問題

 

来週23日のドイツ語検定試験に向けてドイツ語を和訳する特訓。

 

http://de.finance.yahoo.com/nachrichten/Peinliches-Pipiproblem-yahoofinanzen-4140713010.html

 

合衆国の最新鋭空母における痛々しいおしっこ問題

 

FTD   2011.11.17.() 1214 (日本時刻 同日2014)配信

 

この船は全長333m。エネルギー供給のために2基の原子炉を備えている。建造費用は62億ドル。アメリカの最新鋭航空母艦「George H. W. Bush」は、ある陳腐な問題を抱えている。5500人に及ぶ男性・女性は、現在のところ、使える手洗いを船上に1つも見つけることができないのだ。この悲劇の原因は、トイレのための真空システムに問題があることである、と合衆国紙『Navy Times』が報じている。

 

1993年に就任した合衆国大統領George Bushにあやかって名付けられたこの航空母艦は、2009年春に就航した。そして、この年、大きな作戦に初めて出動した。しかしながら、『Navy Times』の言によると、船上の423のトイレ全てが使えなくなる、という事態が少なくとも2回は起きている。同紙は、乗組員の声として、次のように書いている。艦内の1区画全部の手洗いがダメになるということが、しょっちゅう起こる。すると、隠れて用を足せるところを探しまわるわけだが、それが1時間にも及ぶこともあり、そんなに長い間右往左往してしまいには手遅れになる、ということもしばしばだ。 ジョージ W ブッシュ

 

George Bush号の5000人の人員は、駄目になりがちなトイレを信用せずに働いている。男性は、ビンにおしっこをしたり、シャワーを使ったりしている。少なからぬ女性は、あまりにも長時間我慢をしていまい、尿道に病気を抱えてしまうほどである。幾人かは、飲み食いの量を極端に減らしている。さらには、ビンにした尿を甲板に流すこともしばしばだ、という話である。これは風向きしだいで不快な結果となる。公式には、禁止場所で放尿した船員には、懲罰が与えられることとなっている。このトイレシステムの納入業者は、真空トイレの世界市場のリーダーであるEvacである。同社はすでに50万を超えるトイレを設置してきた ― 豪華客船からマリンクルーザーまで。トイレ専門家は2004年以来フランスのZodic Aerospaceに所属しており、十分に経験を積んでいるとのことである。この間でのところ、同種の問題に関する報告は知られていない。

 

悲劇の原因は、およそ400kmもの配管網を備えるトイレシステムが低すぎる圧力で働いていることであり、「不適切な物品」が管をふさいでいると懸念されている、と『Naval Air Force Atlantic』紙が報じている。総体的に見て航空母艦のシステムは94%が出動準備完了の状態である、と公式には称されている。しかしながら、この空母の艦長Brian Lutherはこの間、トイレ壊滅問題を認めた。もしも規則通りに使われていれば、すべてが障害なく機能するはずである、と彼は『Navy Times』に語った。しかしながら実際には、靴下から始まって、下着やYシャツ、生理用品、果てはモップの一部に至るまで、考えうるありとあらゆるものが、詰まった管から出てくる。それでシステムがうまくいかないのだという。

 

不幸な事故をこの先防止するために、艦長は、下水管を今よりも今よりも太くするのがよいのでないかと言っている。

 

訳は以上。

 

いつもなら元記事の『Navy Times』や『Naval Air Force Atlantic』も調べるのだが、試験を目前にして量をこなしたいので、今回は周辺資料にも当たらず、辞書もほとんど引かず、かなり乱暴に訳してしまった。このニュースが気になる方は、上記2紙に当たってくだされ。

 

それにしても、Yahoo! Deutschlandのコメント257件(日本時刻1119132分時点)は多すぎだろ。

 

さて、次回には何を訳すかだが、まだ決めていない。FDPCDUの党大会での、幹部の演説なり、大会決議なりを紹介するか。あるいは、日本語版では記事がない、あるいは、ドイツ語版のほうが記述の充実しているWikipediaの記事を翻訳するか(Ein Deutsches Requiemあたり)。それとも思い切って、和文独訳対策に、ドイツ語でブログ記事を書くか…。

独検対策35 生徒・学生、学制改革を要求してデモ

独検対策35 生徒・学生、学制改革を要求してデモ

 

来週23日のドイツ語検定試験に向けてドイツ語を和訳する特訓。

 

http://de.nachrichten.yahoo.com/bundesweite-demos-für-änderungen-bildungssystem-140323734.html

 

教育システムの変更を要求して全国規模で(連邦ワイドで)デモ

 

生徒や大学生、路上へ繰り出す

 

AFP   Daniel Karmann   2011.11.17. 15時 (日本時刻 同日23時)頃の配信

 

数千人の生徒・学生・職業訓練生が、教育システムの変更を求めて、抗議活動を行った。この催しものを組織した「教育ストライキ」の報道担当者によると、Berlinベルリンだけでも6千~7千人が路上に繰り出した。合計40以上の都市で活動が計画された。デモ参加者たちが要求したのはとりわけ、無料の教育、複線型教育システムの廃止、そして、「銀行やコンツェルンのためではなく、教育のために金を」である。

 

抗議を支持したのは、SPD社会民主党、緑の党であり、また、Gewerkschaft Erziehung und Wissenschaft教育・科学労働組合(GEW)である。教育への投資が切迫的に必要であるが、これは連邦と諸州が共同で担うことしかできない、とSPDの教育専門家Ulla Burchardtウラ ブアヒャートは要求した。 ブルヒャルト

 

生徒・職業訓練生・大学生は日々、「教育共和国というのが不正表示であるということを」身をもって体験している、と連邦議会の緑の党会派の教育政策スポークスマンKai Gehringカイ ゲーリンクは声明した。学生定員の不足、入学許可における混乱、住宅の必要性に鑑みて、大学の「悲劇的」な状況は先鋭化している、とGEW幹部会員(執行部メンバー)Andreas Kellerアントレアス ケラーは批判した。 ゲーリング アンドレアス

 

訳は以上。

 

いくつか補足。

 

まずはドイツの教育システムについて。教育は州の専管事項(連邦政府に対して排他的な管轄権を有する)。だが事実上は、どの州でも、似たり寄ったりの学制。小学校Grundschule(Berlinのみ6年制、他の15州は4年制)卒業後は、3つのコースのうちのどれかを選ぶ。その3つのコースとは、Gymnasiumギムナーズィウム・大学予科、Berufsschule職業学校、Hauptschule基幹学校。

 

基幹学校というと、なんだかカッコいい感じだが、実態は、義務教育だけ終えたら働き始めなくてはいけないような、貧しい家庭出身の子どもが通う学校。熟練労働者になる道も管理職になる道も閉ざされている。現在では、基幹学校に通う生徒は、ほとんどが移民やその子孫。

 

70年代あたりだったか、SPDが躍進した時代に、複線式学制を発展的に解消するための過渡的手段としてInteglierte Gesamtschule統合された総合学校という学校が社民の強いいくつかの州で導入されたが、人気がなく、入学者が減り続け、ほとんどの州ではもう廃止された(もしかしたら、今では皆無?)。

 

また、ドイツの学校は伝統的には午前中で授業を終えていたが、10数年前に第1回のPISAテストでOECD平均を下回る成績をとって以来、全日制の学校を増やしている。

 

政治家たちは、伝統的な教育システムが時代にそぐわなくなっていると自覚しているのだが、1つには、ブルジョア政党と革新政党との間で未来像の不一致があること、そしてもう1つには、庶民レベルでの改革への抵抗感から、3路線方式が維持されている。

 

先日のCDU党大会では、基幹学校と職業学校を一体化して、大学予科との2本立て方式に変更しよう、という決議が採択された。   その決議の標題にも「Bildungsrepublik 教育共和国」という文言が用いられていて、要するに、”キリスト教民主同盟はドイツを教育共和国として維持。発展させていく”という内容なのだが、Gehringの批判はそれに対する皮肉を交えているわけだ。   ちなみに、FDP自由民主党の党大会には、”連邦も教育に財政支出できるようにしよう”という決議案が幹部会から提出されていたが、代議員の理解を得られず、採決にかけられることさえなく、「差し戻し」の扱いとなった。詳しくは、過去記事をごらん下され。

 

他にもまだまだ付け足すべきことは多いのだが、とりあえずはここまで。

 

次回の予定だが、アメリカ合衆国発の話題「最新鋭の空母における、バカらしい大問題」を紹介するかもしれないし、気まぐれに全然別の記事を翻訳するかもしれない。

独検対策34 新検事総長、極右組織のテロ容疑に関して発言

独検対策34 新検事総長、極右組織のテロ容疑に関して発言

 

来週水曜のドイツ語検定試験に向けてドイツ語を和訳する特訓。

 

http://news.de.msn.com/politik/bilder.aspx?cp-documentid=159802959&page=1

 

ドイツの極右主義

 

Range: NSUが憲法擁護組織と協力していた証拠はない

 

1117日 13:16 Karlsruheカールスルーエ (dapd)   新連邦検事総長Harald Rangeハラルド ランゲは、容疑を受けている右翼テロリストたちが憲法擁護組織と協力していた可能性について、その証拠はないとの見方を示した。

 

RangeKarlsruheにおいて就任を済ませた後、「我々はこれまでのところ、憲法擁護組織がZwikauer Zelleツヴィッカオ細胞と協力していた、という証拠を持っていない」と語った。目下 極右主義グループ「Nationalsozialistischer Untergrund国民社会主義的地下組織(アンダーグラウンド)(NSU)」の周辺を精力的に捜査している、と彼は述べた。 国家社会主義 民族社会主義 ツヴィッカウ

 

NSUは、全国にわたる少なくとも10件の殺人、Kölnコェルンにおけるクギ爆弾事件、および 複数の銀行襲撃に対する容疑を受けている。 ケルン

 

訳は以上。

 

Verfassungsschutzを「憲法擁護組織」と訳したが、これは、連邦および諸州の憲法擁護庁を指していると考えて良い(「…擁護局」という訳もある)。   日本における公安調査庁に似た組織。   そんな官庁がなぜ極右グループとの協力を疑われているのか、一般の日本人には、訳が分からないだろう。   (ここからはうろ覚えの記憶で書く。) 数年前にNPDドイツ国民民主党という政党に対して、憲法侵害を理由とした解党審査がなされたことがある。 ところが、審理の過程で憲法擁護庁の協力員(スパイ)が多数 NPDと協力していた事実が明らかとなった。一種の「おとり捜査」「嵌め手」といえなくもなく、提出された証拠の公正性が担保できないとして、手続きは中断された。   具体的には、人種差別を煽るCD、それも、異人種の殺傷を促すようなかなり過激な内容だったと記憶しているが、その製作費が公費から出ているとか、輸送に擁護庁協力員が関わっていたとか、ずいぶんと踏み込んだ協力関係。   この種の組織に対しては潜入捜査が必要だとは理解できるが、ここまで入れ込んでいるとなると、取り締まりなのか、それとも、極右を後押ししているのか、わけが分からなくなる。   詳しい経緯についてはドイツ語版Wikipediaに記事があるので、興味のある方は自動翻訳にでもかけてお読み下され。 (英語への翻訳なら、あまりひどいことにならないと思う。)

http://de.wikipedia.org/wiki/NPD-Verbotsverfahren

 

現在でもNPD内部には多数の協力員がいて、連邦幹部会および諸州の幹部会は、その15%が協力員によって占められているそうだ。解党審査中絶の2003年時よりも増えているとのこと。

http://de.nachrichten.yahoo.com/verfassungsschutz-hat-hundert-leute-npd-062604910.html  

 

次回に何を訳すか、まだ決めていない。

独検対策33 連邦大統領、ユダヤ人団体から表彰

独検対策33 連邦大統領、ユダヤ人団体から表彰

 

来週水曜日のドイツ語検定試験に向けてドイツ語を和訳する特訓。

 

http://de.nachrichten.yahoo.com/bundespr%C3%A4sident-erhielt-leo-baeck-preis-2011-082659130.html

 

連邦大統領、Leo-Baeck2011を受賞

 

dapd   2011111710(日本時刻 同日18)頃の配信

 

Berlin (dapd)   連邦大統領Christian Wulffクリスツィアン ヴルフは水曜の夜、ユダヤ人中央評議会のLeo-Baeck2011を受賞した。中央評議会会長Dieter Graumannディーターグラオマンは、ドイツにおけるユダヤ人コミュニティーやイスラエルや世界とのWullfの結びつきを称賛した。連邦大統領はこの顕彰を偉大な贈り物かつまたとない信頼の証と評した。 クリスチャン ウルフ グラウマン

 

中央評議会は1957年以来Leo-Baeck賞を授賞している。過去の受賞者には、元大統領のRichard von Weizsäckerリヒャート フォン ヴァイツゼッカーRoman Herzogローマン ヘアツォークも含まれる。ラビのLeo Baeckは、ナチス時代におけるドイツ在住ユダヤ人たちの宗教指導者であった。 リヒャルト ワイツゼッカー ロマン ヘルツォーク ヘアツォーグ ヘルツォーグ

 

dapd

 

訳出は以上。

 

時間の余裕がないので、短い記事を訳してお茶を濁してしまった。   物足りないので、仕事(本職)の準備がもしも早目に済めば、後でもう一本翻訳するかもしれない。

独検対策32 パレスチナの国連加盟を巡る左翼党の見解

独検対策32 パレスチナの国連加盟を巡る左翼党の見解

 

来週水曜日のドイツ語検定に向けて、ドイツ語を和訳する特訓。

今回は、パレスチナが正式加盟国として国連に受け入れてくれ、と言っている問題について。

 

オーストリア紙「Der Standard ザ スタンダード」は、外交筋の話として、

反対…ドイツ、コロンビア

保留(棄権)… イギリス、フランス、ボスニア、ポルトガル

賛成…ロシア、中国、インド、ブラジル、南アフリカ、ナイジェリア、レバノン、ガボン

という見通しを報じている(1111)

http://derstandard.at/1319182528451/Die-Palaestinenser-haben-gewagt---und-verloren

 

本来、パレスチナを国家承認し、正式メンバーとして国連に迎え入れるというのは当たり前の話だが、ドイツの抱える歴史的事情からすると、賛成票を投じるわけにはいかない、というのも、分からなくもない。(せめて棄権だろう。反対票というのは、あまりにもイスラエル寄りすぎではないか、とは思うが。)   政府がそう行動するのは仕方がないにしても、野党はどう主張しているのか気になって少し調べたところ、興味深い見解を見つけたので紹介する。

http://www.die-linke.de/index.php?id=251&tx_ttnews[tt_news]=15411&tx_ttnews[backPid]=35&no_cache=1

 

固有名詞(主には地名・人名・団体名)には なるべく原語を表記することにしているのだが、そうすると、今回はアラビア文字やヘブライ文字を記さなくてはならない。が、読めない文字を形ばかりコピペしても意味が薄いので、アラブ人やユダヤ人の皆さんには申し訳ないが、省略する。  では、以下翻訳。

 

2011.09.23.   Wolfgang Gehrcke

Obamaオバマはノーベル平和賞を返却するべきである

 

パレスチナの正式メンバーとしての国連加盟を巡る議論に関する、党幹部会員 Wolfgang Gehrcke ヴォルフガング ゲールケの声明

 

合衆国大統領Barack Obama は、パレスチナを国際連合の正式メンバーとして加盟させることに反対する演説を行った。彼は、ノーベル平和賞を返却しなければいけない。世界は、Obama はイスラエル首相ネタニヤウ(ネタニヤフ)とスクラムを組んだのだ、と感じ、深く失望した。かれは昨年にはまだ、20119月にはパレスチナを国際連合の一員として喜んで迎え入れることができるだろう、という希望を定式化していた。

 

パレスチナを正式メンバーとして国連に加盟させよ、というパレスチナのアッバース(アッバス)議長の要求は、政治的にも社会的にも道徳的にも歴史的にも正当性がある。左翼党はこの要求を支持する。そして、イスラエルおよびパレスチナという2つの国家が確定した国境の中で併存する、ということを支援する。パレスチナを承認することは、イスラエルの利益にもかなうことであり、また、ヨーロッパの多数派諸国によって応援されている。テルアビブ(テル アヴィヴ)およびラマッラー(ラマラ)における集会やデモ行進は、このイニシアティヴにとって勇気を与える兆候である。

 

左翼党はイスラエルおよびパレスチナの平和運動と強い結びつきをもっている。我々は、我々が両国において協力して働いているという事情を生かして、中東紛争の平和的解決のために力を尽くす。生存可能であるようなパレスチナ人固有の国家を建立することなしには、いつまでたっても、平和が暴力の陰に萎んでしまうということの繰り返しであるある。

 


1974年、ヤーセル アラファート
(ヤセル アラファト)は、「オリーヴの枝を手に、ピストルをベルトに」国連総会の演壇に立った。2011年、マフムード アッバース(マハムード アッバス)は、国際連合正式加盟国の権利と義務とを受け取るべく手を差し伸べて、世界の公衆の前に登場した。連邦政府はまたもや逃げ隠れし、アメリカ合衆国およびイスラエルに追従してパレスチナの国家承認を拒んでいるが、これは恥ずべき行為である。

 

訳出は以上。 大変難しい問題なので、あれこれと下調べをせずに意見を述べるのは危険なのだが、今は余裕がないので、コメントはなし。

 

次回の予定だが、同じ問題について、緑の党が特集ページを組んでいるので、その中から記事を選んで紹介するかもしれないし、全く別の話題に触れるかもしれない。

 

かなり気になっているだが、数年前のいくつかの殺人事件(被害者は、トルコ人などの外国人)が、極右的な動機に基づく連続殺人ではなかったか、という話がある。CDUの党大会でもMerkelメルケル首相がこの問題について言及し、恥ずべきことだ、と語ったそうだ。ドイツの「闇」「影」の部分にもしっかりと着目していく必要があるので、これを取り上げるかもしれない。


独検対策31

Beschluss des 24. Parteitages

der CDU Deutschlands

 

Starkes Europa – Gute Zukunft für Deutschland

 

ドイツキリスト教民主同盟

24回党大会決議

 

強いヨーロッパ  ドイツにとっての良い未来

 

III. Die Stabilitäteunion – Herausforderung für Europa von heute

 

III. 安定の同盟  今日のヨーロッパのための、チャレンジングな諸課題

 

より、第6番目の項目

Aufgaben der Gegenwart 現在の諸課題」に掲げられている、具体的な要求項目を訳出します。全部で9項目。12ページ以降。

 

ダウンロードはこのサイトから

http://www.leipzig2011.cdu.de/dokumente/antraege-a-beschluesse.html

 

PDFファイルへの直リンク

http://www.leipzig2011.cdu.de/images/stories/docs/1111114-beschluss-europa.pdf

 

1.

持続可能な財政政策を実現するために、我々は、ドイツモデルの債務制限を全ユーロ諸国に導入することに精力を注ぐ。この債務制限は、国家財政政策の枠組みにおいて、徹底的に保持されるべきである。ある国家のユーロ圏への加盟は、対応する規則が加盟申請国の憲法に前もって盛り込まれている場合にのみ、可能とするべきである。人口減少のゆえに国家支出の支え手が時とともに減りつつあるヨーロッパにおいて、我々は国内総生産に対する債務の比率を、可能な限り迅速に引き下げなくてはいけない。我々は、ヨーロッパの模範たる所存であり、また、可能な限り新規債務なしで支出を行なう所存である。なぜならば、次世代に不要な負担を先送りすることは、許されないからである。世代間の公平な利害均衡が、引き続き遂行されなければならない。

 

2.

安定-成長パッケージの基準を保持することは、加盟諸国の節約や構造改革や持続的成長によってのみ、可能である。市場経済の要素を強めることによって、また、官僚主義や国家統制主義を弱めることによって、ヨーロッパにおける福祉のための新たな刺激(インパルス)が可能になる、という信念がCDUの熟慮の結果である。その前提は、地域間の競争を促進し、また同時に、欧州内の大きな福祉格差を撤廃するような秩序枠組みである。EU構造調整基金は、これにふさわしい手段である。基金はすでに今日、強い地域に比しての競争力の弱さを除去するということで、弱い地域を支えている。ドイツCDUは、構造調整基金をより合目的的に出動させ、以って、地域間の経済的不均衡および社会資本に関する不利を除去し、また、諸地域の成長潜在力(ポテンシャル)を利用しよう、という所存である。その具体策は、ヨーロッパの交通網の拡充であり、教育・研究・開発への投資の強化であり、また、経済的に弱い地域や、ヨーロッパの将来の競争力にとって中核的な意義を持つ産業諸分野への、狙いを定めての援助である。その際、欧州委員会は、資金の効果的かつ持続可能な支出を守らなくてはいけない。われわれの目標は、バラまきではなく、未来の能力を促進することである。

 

3.

いかなるユーロ参加国も、自分自身で受け入れた財政上の諸義務と、引き続き向き合わなければいけない。我々にとって、責任Haftungと自己責任Eigenverantwortungは不可分である。我々は、ドイツの州間財政均衡化制度に倣った自動的な財政均衡化をヨーロッパに導入することを望まないし、自動的な諸義務Haftungspflichtungenの導入も望まない。

 

4.

重要なことであるが、超過債務の諸国に対する統制権・管掌権を欠いているがゆえに、我々はユーロ債の導入を断固として拒否する。債務の共同化は連帯原理に適うものではない。借金政治を食い止めるというよりは、反対に、高金利への懸念が強まることにより、健全財政への効果的な刺激を乱すことになるであろう。

 

5.

CDUは、中央銀行に関するヨーロッパの制度枠組みにおける欧州中央銀行(ECB)およびドイツ連邦銀行の徹底的な独立性のために、また、金融政策と財政政策との厳格な分離のために、精力を注ぐ。金融政策は、政治的多数派の決定権から、遠ざけられたままでなければいけない。そうであってこそ、ECBは通貨価値の下落を、物価上昇(インフレーション)を、効果的に阻止しうるのである。しかしながら周知のとおり、さかのぼる数ヶ月間におけるECBによる国家債務購入は、総体的に見ると、ユーロ安定のために不可避であった。欧州金融安定化基金(EFSF)がすでに新設され、そして欧州安定化メカニズム(ESM)が将来されることによって、代替の手段が使えるようになり、ECBが国家債務の購入をやめることができるようになった。ECBによる国家債務購入は、最終手段としてのみ容認できる。

 

6.

債務危機からの教訓は、金融市場および金融諸機関に対する将来の規制にまで影響しなければいけない。これは、自己資本準備高に関する規制やリスク評価についても、銀行の自立性についても、当てはまる。我々はその際、中規模金融機関の不利を広範に回避する所存である。国家債務のリスク度が0というのは所与の現実には妥当しない、ということが債務危機によって明らかとなった。新規の金融危機の危険性を低減するために十分な自己資本を事前準備するよう、すべての金融機関が定められている。これに関して、諸銀行が必要な自己資本を市場から自前で調達しなければいけない、ということはCDUにとって自明である。もしこれが不可能な場合には、各々のユーロ参加国が相応の保護措置を講じなければいけない。ドイツがこの数年間に証明したことであるが、我々は、危機に対処するために、緊急時には適切な手段を講じる。要求される保護措置が或るユーロ参加国1国とって過重である場合にのみ、対応する諸義務に応じてEFSFが活動することを許される。そのような過重負担状態といえるのは、いずれにしても、EFSFが始動しなければ当該ユーロ参加国の国家としての支払い能力が危機に瀕してしまうであろう、という場合である。

 

7.

CDUは金融市場に対する地球規模の秩序枠組みを望む。なぜならば、金融市場の事業は世界規模で展開されているからである。これに関して、CDUが主導するドイツ連邦政府は、ヨーロッパレヴェルで、また国際レヴェルで、すでに大きな前進を達成して来た。従来にはまったく あるいは不十分にしか規制されていなかった、ヘッジファンドや格付け(レーティング)会社といった金融市場行為(アク)主体(ター)が、EUワイドの規制の下に置かれた。システム全体に対する影響が大きすぎる諸銀行に対しては、それらを波及の危険なしに改組したり整然と清算したりするための諸手段が、今では存在する。金融安定理事会(FSB)を以って地球規模の早期警戒システムが創設された。金融諸機関に対する自己資本の要求は強められ、金融市場に対する監視はより効果的になり、消費者保護は強化された。金融行為主体が彼らの有益な機能を再び責任を持って果たすような状態を、我々はこれらによって実現する所存である。

 

いかなる金融商品も、いかなる行為主体も、いかなる取引所も、1つの最低限規制の下に置かれなければいけない。我々は、G20の枠組みの中で引き続きそれを目指すとともに、ヨーロッパの中でも先駆的な役割を果たしていくであろう。会計の国際標準に対してドイツ流の評価法が再び強い影響力を持つようになるために、我々は働きかける。外部的な格付けだけが、ポートフォリオを構成するのに決定的だとされてはならない。銀行やその他の金融サービス企業内部でリスク評価の自前の能力を再び高め、必要な法規を整備するよう、我々は努める。その際に特に注意が必要なのは、いわゆる影の銀行(やみきん)部門(セクター)についてである。金融市場への参加者が古典的な銀行業務を、規制されている銀行部門の外部に展開するという事態は、回避しなくてはいけない。そのような業務によってさまざまなリスクが生じてしまうが、すでに法制化された、そしてこれから法制化されるべき様々な規制措置は、まさにこうしたリスクを回避するための措置なのである。さらに加えると、ヨーロッパの格付け事務所(エージェンシー)を開設しようという欧州委員会の計画を、我々は支持する意向である。

 

8.

金融取引税の早期導入に向けて我々は取り組む。EU・アメリカ合衆国の共通枠組みにおける、あるいは 全EU内部での導入が不可能な場合には、我々は、ユーロ圏での実現を支持し、そのうえで、EUワイドの、そして地球規模での実現を後押しする。この租税は、ドイツの金融取引所の利害関係が今後も適切に守られ続けるように、形成されるべきである。

 

9.

人々の意識の中のヨーロッパ理念を強化することには、政治上の理想的な(Identification)人物像(Figure)も含まれる。それゆえに我々は、次回の欧州議会選挙に、欧州人民党(EPP)共同の1人のトップ候補を立てることを目指す。この措置を実行することは、過渡期においては、国家間問題を解決するための基盤を形成するうえでも、役立ちうる。しかしながら、CDUのヨーロッパ政策の根本は、活動能力や民主的な正当性や透明性に資するような、共同体的な方法論である。それゆえ、最近設けられた国家間協力に関する規定は、中期的にはEU条約に統合されるべきである。この方面についての1つの好例は、シェンゲン協定である。この協定によって、EU域内国境における入出国管理が廃止された。これは、当初は個々の国家間で交渉されていたが、リスボン条約によって初めて共同体全体の交渉過程に引き継がれたのである。

 

訳出は以上。

 

これから仕事(本職)の計画書を作らなくてはいけないので、あまり時間をかけずに翻訳してしまった。誤訳があったら、ごめんなさい。

 

彼岸には超国家立法機関の選挙に際して国家横断的なトップ候補を立てようという計画があり、此岸では多国間の貿易枠組みに参加することの是非が争点となっている。2030年の開きがある。と同時に、欧州統合は、「経済統合ばかりを先行させ、社会統合・政治統合という、『面倒くさい分野』を後回しにすると、ろくな結果にならん」という、反面教師的な側面も持っている。「国益」という観点にばかり囚われていると、本当のことが見えなくなる。「どういう内容の統合を進めれば、どういう層にとっては利益となり、どういう層にとっては害悪となるのか。そしてまた、別のこういう内容の統合を推進した場合には、どうなるのか」という視点を持たないと、将来を正しく見通すことはできない。CDUとは逆の左翼的な立ち位置からではあるが、私はそう判断する。

独検対策30

今月23日のドイツ語検定に向けてドイツ語をガシガシと訳そう、という企画の第30段。  《》内はHidyによる注釈。

 

http://www.stern.de/politik/deutschland/parteitag-in-frankfurt-am-main-fdp-spitze-scheitert-mit-bildungsantrag-1750565.html  

 

Stern.de

2011.11.13. 13:48 (日本時刻 同日2148)

 

Frankfurt am Main フランクフアトアム マインの党大会 フランクフルト

 

FDPの幹部、教育関係の決議案で敗れる

 

FDP自由民主党幹事長Lindnerにとって、敗北: 連邦と諸州とが共同で教育の財政を賄うことを禁じている現状を、すそ野の党員たちは固持した。党の幹部たちは、共同の禁止に終止符を打とうとし、そして、僅差で敗れた。

 

FDPの意思によれば、連邦は将来もやはり諸州の教育事業への財政出動から隔てられたままであるべきである。連邦-州の共同が禁止されていることについては論争があるが、党幹部はこの禁止に終止符を打とうと提案した。Frankfurt am Mainで開かれた党大会において、党幹部はこの提案に関して敗れた。半数をわずかに超える代議員が、日曜日、幹部会提出の決議案に反対票を投じた。

 

共同の禁止に関しては、やはり他の諸党でも論争がある。FDP指導部は、次のように自説を裏付けた。2009年の連邦制度改革II以降、教育財政に関する州の独占的な管轄権は、債務ブレーキ《債務の上限を定めた規定》のゆえに、「教育ブレーキ」になりかねない、と。

 

党幹部の敗北は、特にChristian Lindnerクリスツィアン リントナー幹事長に重くのしかかるかもしれない。彼は採決の前に、党大会において幾度となく精力的に、共同の禁止を廃止するように訴えていた。教育の中央集権化が問題だ、という反対派の非難をLindnerはきっぱりと却下していたのである。

 

教育改革、および 最低賃金論争

臨時党大会の引き続く議事において、660人強の代議員は、教育の連邦主義《分権主義》に関するその他の諸改革についても、投票する予定である。《生徒が学校を卒業するのに求められる学力の》水準を連邦ワイドで今よりも統一化することを、党指導部は目指している。それによって家族が州を越えて引っ越しすることが、今より楽になるはずだ、というわけである。

 

午後には、FDPはさらに、最低賃金に対する自党の立場を確認する予定である。全土的で《業種の垣根を越えて》一般的な最低賃金の導入には反対だ、という幹部会提案の決議案が、採決にかけられる。それによって自由主義者たちは連立パートナーのCDUと距離を置こうとしている。CDUは、この月曜日にLeipzigライプツィッヒで開かれる党大会において、賃金の下限について討論するのである。 ライプツィヒ

 

Rösler、自己意識を持つように呼びかけ

FDPのトップPhilipp Röslerフィリップ ロェスラーは土曜日に臨時党大会の約660人の代議員に対し、自己意識《自意識》を持つように呼びかけた。連立パートナーの同盟CDUキリスト教民主同盟、および、CSUキリスト教社会同盟》とも、政治上の敵対者たちとも鮮明に線引きすることによって、世論調査における低迷状態から脱出することを、彼は望んでいる。しかしこれはすでに5月にRöslerが党首に選出される際に表明された方針である。 ロェースラー レスラー レースラー

 

「悲しみは終わりにしよう。涙は終わりにしよう。今や、ハンカチを投げ捨てる時だ」。副首相 兼 財政大臣のRöslerは、いつもどおりに原稿なしで語られた1時間にわたる基本方針演説で、こう呼びかけた。5月以来初となる、彼の党大会での演説は、緊張とともに期待されていた。5月当時、打ちのめされていた自由民主主義者たちを、彼は次のような約束を以て

高揚させたのである。「今日から届けられる」。しかし、FDPはそれ以降も世論調査でたったの34%の支持にとどまっている。党は遅くとも来年5月のSchleswig-Holsteinシュレースヴィヒ-ホルシュタイン州議会選挙の前までには、現在の傾向を反転させておきたいと願っている。 シュレースヴィッヒ シュレースビヒ シュレースビッヒ

 

土曜日に行われたユーロ救済を巡る議論においては、EFSF欧州安定化基金およびESM欧州安定化メカニズムを支持する指導部の方針に圧倒的多数が従った。しかし、公式の投票はなかった。Frank Schäfflerフランク シェッフラー連邦議会議員を中心とする懐疑派は、党員投票を通じてESMを阻止する構えである。党員投票の結果は1217日に出る予定である。

 

翻訳はここまで。

 

党の公式サイトによると、一連の決議案は結局棚上げされた。代議員から動議が提出され、幹部会でもっと練るように、と、ある意味「差し戻し」を受けた格好となった。

http://www.fdp.de/Sonntag/1385b493/index.html  (FDP)

http://www.faz.net/aktuell/wirtschaft/parteitag-fdp-findet-keine-einigung-zum-mindestlohn-11527762.html  (こちらは「フランクフルト一般新聞」の記事)

 

RöslerLindnerにしてみれば、とてつもなく屈辱的な結末だが、2人の締めくくり演説を聞くと、とても「敗戦の将」の演説とは思えない。

http://www.fdp.de/

ドイツ語が分からなくても、雰囲気だけでも味わっていただきたい。

 

例えば今年の一連の州議会選挙でも、得票率・議席を減らしたSPDの州トップなんかが「緑の党と合わせると赤-緑連立が過半数を占めるわけで、これは有権者が黒-黄の連邦政府にNoを突きつけたということ。我々の勝利だ」と、まるで自分が勝ったように胸を張って語る。実に堂々としたものだ。こういうところが彼らの強さでもあり、弱さでもあるのだと思う。

 

もっとも、日本人でも政治家あたりになると、ずうずうしいところだけはヨーロッパ人並みという感じもする。とりわけ、日本の「文化」だの「伝統」だの「歴史」だのを声高に言い募る方々ほど、自国の過去の過ちに無反省とか他人に責任を押し付けるとかいった点で極めて欧米的であるところなんぞ、実に皮肉なものだ。

 

さて、次回の予定は…  まだ決まっていない。仕事の計画書を提出しなくてはいけないので、今週も更新頻度をあまり上げられなさそうだ。

【速報】ドイツ・自由民主党党大会、幹部会提案を否決

【速報】ドイツ・自由民主党党大会、幹部会提案を否決

http://www.handelsblatt.com/fdp-spitze-scheitert-mit-bildungsantrag/5830992.html

通信社dpaを引用する形で経済紙「Handelsblatt」が伝えているところによると、Frankfurt am Main フランクフルト アム マインで先ほど日本時刻1323時過ぎまで開かれていたFDP自由民主党の臨時党大会において、州と連邦が教育分野において共同プロジェクトを行えるようにしよう、という幹部会の提案が否決された。

 

気が向いたら、詳細を後続記事で紹介するかもしれない。それにしても、今年行われた州議会選挙では、次々と議席を失い、世論調査では、今選挙が行われたら連邦議会からも姿を消すかも、という結果が続いている上に、党内からの支持も取り付けることができなかったとなると、現幹部会はかなり厳しい立場に立たされているなあ。

 

しかし、うっかりしていてFDPの党大会が開かれていることに気がつかなかったとは、情けない。「SahraOskarがくっついた」というニュースだのカーニバル関係の記事だのを訳している場合ではなかった…。

独検対策29-1

今月23日のドイツ語検定に向けてドイツ語をガシガシ翻訳しよう、という企画の第29段。 その1とその2が前後してしまった。

 

http://de.nachrichten.yahoo.com/gro%C3%9Fer-andrang-chinesische-standes%C3%A4mter-11-11-115326671.html

 

1111111111分: 道化たちがカーニヴァルシーズンに向けて行進を開始 カーニバル

 

世界規模で人々が戸籍係へ殺到

 

AFP   Henning Kaiser の署名記事

2011.11.11. ()


Konrad Nachtigallのブログ-2011_11_11__Karneval__02

Konrad Nachtigallのブログ-2011_11_11__Karneval__01
写真はAFPより。 

 

1111111111分、Rheinライン地方のカーニヴァルが盛んな町々では、第5の季節が始まった。「アラーフ」「ヘラウ」という掛け声とともに、Kölnコェルン・ケルンで、Düsseldorfデュッセルドアフ・デュッセルドルフで、Mainzマインツで、数千人の道化たちがカーニヴァルシーズンに向けて行進し始めた。シーズンは、来年222日の灰の水曜日まで続く。ちなみに、多くのカーニヴァル参加者たちが、世紀的な面白い日付に結婚する、という歴史的な機会を利用した。中国でも、この特別な日に数1000組のカップルが婚姻届を提出した。

 

1111日、Kölnの旧市街では、数万人の人々がカーニヴァルに加わり、王子・農民・乙女の三つ星も一緒になって、互いに腕を組みあって音楽に合わせて体をゆすった。この司教座聖堂都市における今年のカーニヴァルの標語は「Jedem Jeck sing Pappnas 道化は全てのカーニヴァル参加者に歌いかける*1」である。Düsseldorfでは数千人の道化たちが「Hütt dommer dröwer lache(標準語で「Heute lachen wir darüber 今日、私たちはそれを笑う」)という標語の下、お祝いをした。警察発表によると、Mainzでは「1111人以上の人々」が路上に繰り出した。

*1: (おそらく)ライン地方の方言。標準語では「Jedem Jeck singt Pappnase」になると思う。「Pappnase」「Narr」も訳し分けずに、両方とも「道化」とした。

 

やはりKölnで、ある1人のカーニヴァル参加者がこの世に生まれた。大学病院において1111分ちょうどにMarkus Valter マルクス ファルター医長が ある母親から双子を取り上げた。予定されていた帝王切開によってAlexander アレクサンダー君とDaniela ダニエラちゃんが20秒の間にこの世に生を受けた。これによって、2人ともゾロ目の誕生日時*1を達成したわけである。母子ともに経過は順調である。

*1: 原文は「Schnappszahl-Geburtsdatum」だが、これは「Schnapszahl-Geburtsdatum」のタイプミスと思われる。

 

これについて父親は、同一数字の日時を達成するために病院がリスクを冒しはしなかった、と強調した。既に数週間前から、1111日が誕生日として確約されていた。3日前に初めて医長*1はこの日付の特別さに気がついた。母子の健康が絶対的な優先事項であり、緊急の際には他の時点で出産を行なう、という確認を取り交わしたうえで、医長はカーニヴァルに好意的な両親とともに、1111分を目指そう、と話し合ったのだそうだ。帝王切開は全く問題なく執り行われた、ということである。

*1: 原文では単に「er 彼」と書いてあって、父親のことを指しているのかと思いきや、続きを読むとValter医長としか解釈しようがない。

 

上海という1つの大都市だけでも、3千組以上のカップルが結婚した、と官庁の報道官が発表した。既に朝の窓口が開く前から大勢の人々がその前で待っていた。都市国家シンガポールでも結婚の数が著しく増加した。通常の5倍のカップルが戸籍係*1に予約を入れている。ヴェトナムの経済上の首都Thành ph H Chí Minhホーチミン市では80組のカップルが集団結婚式を挙げた。

*1: 原文は「Standesamt」。日本語にすると「戸籍役場」「戸籍係」だが、ドイツの市民登記制度に鑑みると、「個籍係」としたほうが正確である。シンガポールの市民登記制度が「戸籍」なのか「個籍」なのか分からないので、とりあえず「戸籍」と訳しておいた。

 

香港出身の風水専門家 麦玲玲*1は、この日は、単に結婚にとってばかりではなく、引っ越しといった、他種の新しいことの開始にとってもまた、吉日である、と語る。中国では、20111111日は世紀の中で最も幸福をもたらす日である、と評価されている。

*1: 記事からは漢字表記が分からないので、「香港 風水 "mak ling ling"」で検索をかけた。繁体字Traditional Chineseでは、「麥玲玲」。標準中国語では「Mai Ling Ling」になるっぽい。

 

訳は以上。

 

29-2では、結婚つながりの話題を紹介する予定。

独検対策29-2

今月23日のドイツ語検定に向けてドイツ語をガシガシ翻訳しよう、という企画の第29段・その2。

 

http://www.welt.de/politik/deutschland/article13713542/Lafontaine-stellt-Wagenknecht-als-Lebensgefaehrtin-vor.html

 

Welt Online

 

2011.11.12.

 

左翼党

 

LafontaineWagenknecht を人生の道連れ(人生の伴侶)として紹介

Konrad Nachtigallのブログ-2011_11_12__Sahra_und_Oskar
写真はWelt Onlineより。

 

Saarland ザールラント・ザールランド 州の左翼党・州党大会でサプライズ: Oskar Lafontaine オスカー ラフォンテーヌ が人生の道連れを紹介した。彼女の名は、Sahra Wagenknecht ザーラ ヴァーゲンクネヒト ザラ サラ サーラ ワーゲンクネヒト

 

左翼党の前連邦代表 Oskar Lafontaine は私生活において新たな方向に向きを転じた。Saarbrücken ザールブリュッケンで土曜日に開かれた州党大会において68歳のLafontaineは、左翼党の連邦議会副議員団長 Sahra Wagenknecht (42) を、彼の新しい 人生の道連れとして紹介した。

 

「私は少し前に離婚した。そして、少し前から Sahra と親密な関係を結んでいる」。Lafontaineは約1時間にわたった演説の締めくくりに、こう語った。

 

急遽 来賓として同伴

これが Wagenknecht を来賓として州党大会に急遽同伴した理由だ、と Lafontaine は語った。それ以上語ることはない、とも述べた。Wagenknecht は、このことについて発言しようとしなかった。「語るべきことは既に全て語られている」。

 

既に数年前からLafontaineWagenknechtとの関係については再三にわたって憶測があった。LafontaineWagenknechtの政治上の助言者であり、また、党内における彼女の昇進はLafontaineに依拠するところが大きい。Wagegknechtは今週の火曜日 連邦議会の左翼党会派によって副議員団長に選出された。

 

Jena イェーナ生まれの彼女は、現在 Nordrhein-Westfalen ノルトライン-ヴェストファーレン選出の左翼党連邦議会議員であり、また 2007以来 左翼党の幹部会員でもある。

 

3回の結婚 ― 2人の子ども

Lafontaine 19671982年の間 Ingrid Bachert インクリート バッハートと結婚していた。Lafontaine 2番目の妻 Margret Müller マークレート ミュラーとの間に息子を1人儲けている(Frederic)1993年に結婚した3番目の妻 Christa Müller クリスタ ミュラーとの間にも息子が1人いる(Carl-Maurice)Lafontaine は現在 Saarland州議会における左翼党の議員団長である。Christa Müller Saarland で左翼党の家族政策のスポークスマンを務めている。 イングリード インクリード イングリート バッハルト バッヒャート バッヒャルト マルグレート マルクレート

 

Lafontaine 1998年までの13年間 Saarland の州首相であった(SPD社会民主党)。1990年にはSPDの首相候補として連邦議会選挙に出馬した。後には、SPDの党首となった。1998年の連邦議会選挙での勝利の後、連邦首相Gerhard Schröder ゲアハート シュロェーダーの下で財政大臣となった。しかし、政策上の争いの後、19995月にはすでに辞任してしまっている。 ゲルハルト シュレーダー

 

2005年にLafontaine は新設された“労働と社会的公正のための選挙オルタナティヴ*1(WASG)に身を転じた。Lafontaine のイニシアティヴの下でWASGPDS民主社会主義党*2と選挙同盟を結んだ。そしてこれは後に「左翼党*3」と改称した。200911月にはLafontaineが癌を病んでいるということが公表されたが、それ以前には議員団長も党代表も務めた。

*1: Wahlalternative Arbeit & siziale Gerechtigkeit

*2: Partei des demokratischen Sozialismus。 別訳: 民主的社会主義党。「民主社会党」という訳は極めて不適切。

*3: DIE LINKE。 別訳: 左派党、左党。「左翼的な人々」「左派的な人々」「左の人々」と訳す向きもあるようだが、それならば原語が「DIE LINKEN」でなければいけない。「緑の党」が、「DIE GRÜNEN 緑の人々」であるのとは事情が違う。  どうでもよいが、「左党」と書くと、呑んべえの集まりのような感じがする。

 

訳と訳注はここまで。以下、感想。

 

いやあ、驚いた。

 

Sahra Wagenknechtのことを私が初めて知ったのは、記事にもある1998年の連邦議会選挙の時。その投票日の1ヵ月前くらいにはBayern州議会選挙もあって、Münchenにダブル選挙の選挙戦を見物しに行き、PDSの集会でWagenknechtの演説を聞いたのだった。(当時は、「Sahra」ではなくて「Sarah」だったのだが、2010年に改名。迂闊なことに、名前が変わっていることに今日まで気が付いていなかった。)  その後München PDSの各種の集まりに顔を出して、「先日の演説会にも行ったのだが」と言うと、党員がみな異口同音に「Sarahを見たか。美人だろ」。彼女はPDS(共産主義政党ではない)の中では最左派に属し、過去には「Kommunistische Plattform」の代表を務めていたこともある。党内左派にとっては、彼女は「アイドル」「看板娘」であったわけだ。 (「幹部会員は特定のイデオロギー上の分派を代表するべきではない」という党の方針に従って、現在はKommunistische Plattformから籍を抜いている。ついでに加えておくと、彼女は、最近採択された左翼党の綱領を取りまとめた「綱領委員会」の一員でもあった。)

 

他方Lafontaineは経歴からも分かる通り、社民的で、どちらかというと右派に属する(あくまでも、左翼党内では、の話)

 

この二人がくっつくとは、確かにサプライズで、居合わせた代議員たちは度肝を抜かれたのではあるまいか。もっとも、Lafontaine の人生が、サプライズの連続であるわけだが…。

 

さて、次回の予定だが、特に面白い記事が見つからなければ、ドイツ語版Wikipediaのカーニヴァル関係の記事を翻訳しようかと思う。私はRhein地方の都市には立ち寄ったことがない。Hamburg経由でBerlinからMünchenに移動する際にICEで通過しただけ。修士論文のテーマが、PDSを軸として東西ドイツの政治文化の差異を探る、というものだったので、取材拠点がどうしてもBerlinになりがち。というわけで、Rhein地方のカーニヴァルの雰囲気を全く知らない。この際だから、文字の上からだけでもその片鱗を味わってみようかな、と思い立った次第。しかし私は気まぐれなので、実際にはどうなるか…。

 

関連記事:ドイツ・美人コンテスト「セクシー連邦議会」 http://ameblo.jp/konrad-nachtigall/entry-10942442671.html