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「乙女の美術史 世界史編」堀江先生インタビュー★その1

コン平:今回からは、「乙女の美術史 世界史編」について
インタビューしていきたいと思います。
本作には「ひまわり」などでおなじみのゴッホについても
紹介されていますよね。
ゴッホといえば、有名な作品がいくつもありますが
生涯で売れた絵は一枚だとか。
ゴッホって、いったいどんな人だったのでしょう?

堀江先生(以下、堀江):一言で言うと、「病ンデレ男」。
一度思い込んだらどこまでもつっきっていくようなタイプです。
ゴッホといえば、弟のテオとのちょっとやおい的な(?)
興味深いエピソードがあります。

 

「アルルの部屋」フィンセント・ファン・ゴッホ

なんとテオは10代ごろから、ゴッホに貢いでいるんですよ。
ゴッホがロンドンで働いているとき、オランダにいたテオは
ゴッホにカフス・dボタンを送ろうとします。しかし送料が高くつくため、
「今からお金を送るから、兄さん好きなモノ買ってよ」と言って
送金しています。

でもこのとき、ゴッホはロンドンの画商で働いていて
なおかつ売り上げナンバー1の店員でした。
ゴッホは10代で大学にも行かずに就職したんだけど
それだけ羽振りの良い兄さんにも貢ぎたいなんて、
かなり入れ込んだ愛ですよね。
しかも、ゴッホはだんだんとそれが当たり前みたいになっていく。
だんだん、勉強するためにたばこが欲しいなどと言い出すようになっていきます。

コン:兄弟なのに、なんだか「だめんずうぉ~か~」のような世界ですね。

堀江:しかも、二人の手紙の内容がかなり濃いんですよ。
「君はお金しか僕に与えられない」って言ってみたり、
「僕たちはもう別れたほうがいい」なんて言い出したり。
いやいや、あなたたち兄弟でしょって話なんですけれど。
一方で、テオが現金を持ってくるときは
「君が来るのが待ち遠しい」とか
「君が早く帰ってしまって残念だ」とか
もう、ホストかホステスの営業メールのような文句でしょ。
しかも、ゴッホときたらテオの手紙は全部捨てていたりして。
もう、とんだ困ったちゃんですね。

コン:ちょっと迷惑な人ですね。
自己愛が強いのに、自分に自信がないってことでしょうか。
コン平は「夜のカフェテラス」がすごく好きでとても情熱的なものを感じます。
すごく素敵な絵なのに、そんなゴッホが描いたと思うとなんだか複雑な気分です。

堀江:あの絵は、ゴッホにとって
「あそこに行きたいけど行けない」って感覚で描いているんじゃないかな。
カフェってみんなが集まって交流するような場所だったから。
「いいんだ! 俺は絵を描きたいんだからっ」っていうような強がり。
そういった羨望や嫉妬を渦巻く色彩で表現してるのかなって思いますね。

コン:激しい嫉妬の炎ですね。

堀江:ヤマアラシのジレンマってあるでしょう。
お互いに近づきたいけど、近づいたら刺してしまう。
そういう矛盾がすごく多い人だったのかなって僕は思うんです。
ゴッホが熱愛していた、ゴーギャンに描いてもらったゴッホの肖像画を
「これは気が狂った僕だ」と激怒してしまっているところからも
彼の面倒くさいぐらい、情熱的で一方的な性格が伺えますよね。

 「ひまわりを描くゴッホ」ポール・ゴーギャン

コン:画家の人生を知ると、ますます作品に興味がわきますね。 
テオとゴッホの複雑な(?)関係や
ゴーギャンが描いたゴッホの絵にそんな台詞を言っていることを知ると
また見方が変わるなあって思います。

堀江:ゴッホの絵には風景画も多いです。
麦畑にカラスが飛んでいる風景を描いた絵がありますが
ここで表現されている嵐が来る前の風や光のせめぎ合いには
自然光の持つドラマチックさがよく表れています。
そういう自然の美しさとゴッホ自身の気持ちが重なるのでしょうね。
僕は、風景画が上手い画家って風景の中に自分を見いだせる人だと思うんです。
有名な「ひまわり」が傑作たるゆえんは、ゴッホと自然との距離感がうまい具合に
とれているからではないでしょうか。

 「星月夜」フィンセント・ファン・ゴッホ

コン平:コン平には、この夜の空もよくわからないです。
ゴッホはいったい、どんな気持ちでこの絵を描いたのでしょうか。

堀江:ゴッホの最期の言葉で
「絵を描き続けているうちにぼくの理性は半ば崩れてしまった」というものがあります。
彼はこの絵を見た人に、「なんでこう描くんだ」って言われたとき
「何を言ってるんだ、私にはこう見える」って答えているんです。



「乙女の美術史」堀江先生インタビュー★その5

コン平(以下、コン):「乙女の美術史 日本史編」では、
近代アートとしては「漫画」について書かれていますよね。
「美術史」の文脈で考えると、
岡本太郎や草間彌生などの近代アートが登場しそうなところですが。

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堀江先生(以下、堀江):近代アートは昔のアートと違って
まだまだいろんな解釈があるので、
語りきれないというのがひとつの理由です。
僕自身、大学時代に近代アートに結構ハマっていたんですけれど
当時、同級生は賢い人ばかりだったから、
彼らに負けじと理論武装したりしていましたね(笑)。
外ではそうやって前衛ぶっていたんだけど、
でも僕、家では漫画もこっそり読んでたんですよ。

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コン:漫画がお好きだったんですね。
漫画はなぜアートなのですか?

堀江:近代アートでは「コマーシャルアート」
と呼ばれるジャンルがありますよね。
かつては商業美術にすぎないとされていましたが、
竹久夢二などの作品は現在アートとして美術館にも展示されています。
コマーシャルアートといえば、漫画もそうだと言える位、一枚の絵にこだわりのある作品が(特に最近は)多いかも知れません。
しかも、最近では絵画よりも漫画の方が展覧会をしたとき、集客があるとか。
漫画もきちんと、美術作品として評価されてきているんですよね。

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コン:最初に出会った漫画は、どんな作品だったんですか?



堀江:みんなも読んでるからなんとなく……とかじゃなく、「この作品が自分は読みたいんだ」と強く意識して読んだ最初の漫画の一つに、本書にも登場する荻尾望都先生の作品がありました。
僕が漫画をアートとして認識した最初の作品でもあります。
この絵は、僕が中学とか高校生くらいのときに、
当時某女性誌で組まれていた少女漫画特集の中で出会った作品です。
ブルーのインクで描かれていて、その美しさに衝撃を受けましたね。
大学生のころ、当時よく通っていた図書館で荻尾先生の作品に再会して
「ポーマの一族」などを読みました。
通称「花の24年組」のような古い少女漫画のかほりが、
僕にはかなりツボだったんです。

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荻尾先生の作品は、これまで見ていた美術とは全く違っていて、
なんだか怪しい世界なんだけどものすごく惹かれるものがあったんです。
さらに、荻尾先生の作品の魅力は、
「コマ割り」のセンスの良さではないでしょうか。
全てのコマが正しい大きさで、あるべき形で配置されることによって、
そこに物語の「時間」が生まれます。
これまでの絵画の中では、表現できなかったことが、
漫画では表現されている。
これも、漫画がアートたるゆえんだと思います。

コン:コン平も漫画が大好きです! 
最近は羽海野チカ先生の「3月のライオン」にハマっています。

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堀江:そう、最近は羽海野チカ先生や、
よしながふみ先生のような少女漫画の絵柄の漫画家が、
少年誌で活躍しているのも興味深いですよね。
これまで作品を男性向け、
女性向けと分けていたボーダーラインが
あいまいなものになってきているんです。
時代に沿って、漫画は進化してきているんですよ。

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コン:これからもどんどん進化する可能性を秘めているんですね。
漫画は、性別を超えて愛される、現代日本を代表するアートだと言えるんですね!

『マシュマロ通信』キャラクター公式人気投票!

2012年1月の『ワンモア マシュマロ通信』刊行を記念して、

キャラクターの人気投票を行います(※11月27日 まで)!

photo:01





1位に輝いたキャラクターは

『ワンモア マシュマロ通信』のもくじページに登場!





人気投票はこちらから↓


http://www.smaster.jp/Sheet.aspx?SheetID=54194


さらに山本ルンルン先生が、

そのキャラクターがメインのクリスマス用壁紙を描き下ろして、

12月20日からダウンロードプレゼントいたします!

第4回「ちま犬しばのすけ」出版記念イベント あなたの愛犬が「ちま犬」年賀状に♪

いつも大盛況の人気「ちま犬」イベント・・・

今回は何と!

あなたの愛犬が「ちま犬」年賀状になっちゃいます♪



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下北沢のカフェでワンちゃんの写真を
プロカメラマンのちばみゆきさんが500円で撮影し、
CG作家のかずはしとも先生が合成で手のひらサイズに
ちっちゃく「ちま犬」化した画像をプレゼントします。
今回は年賀状用の写真を背景に使用するスペシャルバージョンです!

参考★第1回目のイベントがyahooの記事になりました↓
http://shimokita.keizai.biz/headline/1247/

★「ちま犬しばのすけ」詳細↓
http://www.amazon.co.jp/dp/4408411582

<イベント詳細>
第4回「ちま犬しばのすけ」発売記念イベント
~あなたの愛犬が「ちま犬」年賀状に♪~

●日時:11月26日(土) 14:00~17:00
場所:スローコメディファクトリー 
http://slowcomedyfactory.oyucafe.net/

●参加費:500円(お菓子付き)+各自1ドリンク代

●参加方法:14:00~17:00のあいだに
ワンちゃんを連れて、ゆるっとご来場ください。
もちろん人間だけで見学でもOK! 
ほかのペットや人間のお子さまでもCG加工可能です。

●参加資格:プリント用の画像をパソコンのアドレスで受け取れる方。
お渡しする「ちま犬」画像をプリントして、
2012年の年賀状として使っていただける方。
その際、
写真絵本「ちま犬しばのすけ」は全国書店で発売中!
という宣伝文を記入してもかまわない方。

●「ちま犬しばのすけ」の本を持参していただいた方には、
かずはしとも先生のサインをその場でいただけます☆

●youtube、ニコニコ動画で「ちま犬」CMも公開してます!
http://www.youtube.com/watch?v=hvBEIjzcu0A

2012年1月、「マシュマロ通信」が復活します!

全国の「マシュマロ通信」ファンのみなさま、大変ながらくお待たせいたしました・・・。


2012年1月、「マシュマロ通信」が復活します!



コンペイトウ書房★日本の小粋な大人のための無料コミック  カバーイラスト用のちっちゃいクラウドドキドキ

描き下ろし漫画は、サンディや新聞部メンバーが小学校にあがるまえのおはなしです。


「マシュマロ通信」は朝日小学生新聞に連載されていた

山本ルンルン先生原作のフルカラーコミックで、

2004年にはテレビアニメにもなった大人気作品です!

1~9巻までがすでに他社さんから発売されています。


連載はそれ以降もつづいていたのですが、いろいろな都合により、

9巻からのコミックスを発売することができなくなっていました。

糖子も「マシュマロ」ファンでしたので、とてもざんねんに思っていました・・・


そこで2年間、「マシュマロ」に関わるいろいろな方々と交渉し、

ルンルン先生にもお忙しいなかお時間をいただくことができ、

やっとこのたび、コミックス未収録分のよりぬき+大幅加筆・描き下ろし

最新巻をだすこととなりましたラブラブ


「どうしてよりぬき?」と思うファンの方もおおぜいいらっしゃると思いますが

6年前に時が止まってしまった「マシュマロ」のコミックスを出すのは、

正直、出版社にとっては、とても勇気が要ります・・・。


幸い、「マシュマロ」は1話完結のストーリーなので

ルンルン先生に描き下ろしをたくさん描いていただき、

はじめて「マシュマロ」を読む方にも入り込みやすい形とはなりましたが、

それでも買ってくださるのは9巻まで読んだファンの方がほとんどかと思います。


そのため、小部数の、漫画にしては少し高いコミックスになってしまうこととなりますが、

どうかご協力いただけると嬉しいです(価格は決定しだい、ブログでおしらせします)。

結果が出れば、続きを出すことができるかもしれません。


復活記念のスペシャルなコミックスですから、プレゼントはたくさんご用意しています!

デザインができあがりましたら、こちらに載せていきますね音譜



1~9巻までを読んでいない!という方に♪

「マシュマロ通信」1~9巻が電子書籍になりました!

パソコンだけでなく、iphoneなどスマホでも読めます。

http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/20891.html