学校とは合わなかった


クラスメイトとは距離があり

先生には不信感


1時期本当に身体が弱っていて

通学も厳しかったので

出席日数ギリギリまで休んだのだが、

そのせいで各教科遅れ気味になり

“落ちこぼれ“に用はない…と、

教師からの関心は

私から別の生徒に移っていった


私の事を心配してくれる先生は

確かに何人かいて

体育の先生はあからさまに私を特別扱いして


「ん?2人は出来てるの?」と噂され


物理の先生からは、

気持ちの悪い個人授業をされそうになり

授業中もウィンクをしてくるので


私は男性教師を誘惑する女子高校生

気が付いたら

そんな位置付けになってしまっていた


色眼鏡で見られ

どんどん居場所を失くなっていく私…

それでも一緒にいてくれた友達には


今振り返っても感謝しかない


もういっそ

退学して、別の学校に受験し直そうか

それとも編入試験受けてみようか


貧血さえどうにかなれば

集中力で何とかなりそうな気もするが


輸血は免れたものの

すぐ息切れして倒れてしまう状態では

通学が厳しいだろうな…


ならば、このまま

「不良品の生徒」のまま卒業まで

のらりくらり生きてやろう


その間に身体も回復するだろう…

と、思うことにした


学校から帰ると

犬がもう大歓迎してくれた。

はしゃぎ過ぎて猫パンチされる…という毎日


このお陰で家に帰るのが楽しくなったのは事実


さて、ある時

TV番組で、飼い犬の序列意識というのをやっていた


家族(人)の中で1番小さい人や1番若い人よりも

自分は上だと思う


つまり4人家族がいたら、

犬は自分を含め5人家族と考え

自分が4番目となり、

その下にいる1番若い人間が子分

という序列意識になる…というものだ


父が嬉しそうに

私に向かって

「お前は犬より下って思われてるぞ♪」と

笑って言った。うん。心底嬉しそう(笑)


なんてちっさい男だ…と思いつつ

「へぇ~。なら試してみようか?」


私は犬を呼んだ

逸早く駆けつけた犬は私の【命令】が何なのか

嬉しそうに待っている


私は、父を指差し

【いけ!やれ!】と指示した


私が【よし、やめ!】というまで

犬は牙を向き父を攻撃した(^_^;)


「で、何の話だった?」と父にきくと

「いや、なんでもない」としょんぼり


犬は私の命令をきき、

使命を果たした事で誇らしげにしていた


ご褒美としておやつをあげ、

一緒にまた遊んだ


犬の序列意識ではいったい誰がボスなのか?

ちょっと気になったので調査することにした


姉に向かって【いけ!やれ!】というと

迷いなく攻撃した


母に向かって【いけ!やれ!】というと

途中までは元気よく行くが

寸前で躊躇して固まった…


そして私のそばまで帰ってきて

お腹を私に向けて【降参】した。


そっか、ご飯をくれる人を攻撃出来ないのか

可哀想な事をしたな…と思いつつ


でも、母と私

どっちがボスなのかな?


やっぱり気になったので…

犬の食事中、その器を触れるかどうか

唸るか、牙を剥くかを試してみることにした


母が手を近づけたら

唸って牙を向いた!!(゚∀゚)


ああ、私と母は同率かな?

と、思いつつ


私が手を近づけたら

上目遣いに耳を垂れ後ろに下がった

キュウンキュウンと微かな声を出し

涎を垂れながら…【ごめんなさい】をした(TдT)


どうしたの?

おねえちゃん、食べたらダメだったの?

ごめんなさい、やるして(TдT)

でも、このご飯美味しいんだよ

ボクどうしたらいい?

食べちゃってごめんね、ごめんね



ああ、この子のボスは私なのか


10代の若気の至りとはいえ

可哀想な事をした…と反省した(TдT)


ちょっぴり泣いてしまった


そして、躾で叩くことは

絶対に有効ではないことを

この時、自分で証明出来た


父も、母も躾と称して

その時の気分で犬に対しても、叩いたり、

耳や尻尾をつねったりしていたが


私は一度も手を上げてない

痛いことをしていない


ダメな時は低い声で【ダメ、いけない】

命令を聞いた時は【よし!いい子】と言って

褒めてめちゃくちゃに可愛がった


ただ、それだけだ


犬も猫も

言葉は話さないが(猫とはテレパシー使えました)

1番信頼出来る人、この人についていこう

そう思って貰えたことに感動した


そして、この子達の忠誠心に恥じないように

ちゃんとこの子達を護ろう

そう思った。


両親からまともな愛情を受けてない自分は

まともな人間になれるはずがない

自分は欠陥品だと思っていたが


そうじゃない


どんなに辛くても

正しく生きようと思っていたことに

間違いはなかった


私は生きてて良いんだ


私は生きてて良いんだ




生きてて良かった


そう思えた瞬間だった