私「・・・そういえば… おばあちゃんのお母さん…
私のひいおばあちゃんって早く亡くなったって聞いたけど、何歳で亡くなったの?」


やっちゃん「ああ、確か・・・ 42、43歳だったって親父から聞いてるよ。
7人目の子供を産んだ後、産後の肥立ちが悪く栄養失調で… 戦争中で貧しくて… 今みたいに食べるものもなくて… 」


母「えぇ… 私も母から聞いているわ。
昔はね、戦争中、本当に貧しくて食べるものなんてなかったの… 
それで産後、母乳すら出ないほど体が弱ってしまって・・・
7人目の子供が産まれた時、 "米のとぎ汁" を飲ませてたんだって…
色が白いし、せめても…って」



いつの間にか母は少し涙ぐんでいました。


私も目頭が熱くなり胸が苦しくなりました。


(色が白いからってだけで、産まれたばかりの自分の子供に米のとぎ汁を飲ませて・・・ どんなに辛かっただろう・・・)


母「だからお母さんは… あなたのおばあちゃんはね、10才で母親と死別しているの…
その後に来た継母が怖い人で苦労したってよく聞いているわ…」



私はこの時、森先生の言葉をだんだんと、そして鮮明に思い返し、鳥肌が立っていました。

「40代前半」「か細い」「弱々しい」「寂しそう」




(私の守護霊って、ひいおばあちゃんのことだったんだ!!!!!!!!)






冷静さを装いながら、少し食いつき気味で聞いてみました。

「あ、あのさ! そ、その…
おばあちゃんを産んだお母さん…  
えっと… 私のひいおばあちゃんの名前は?!
あ、写真とかある??」


やっちゃんは少し不思議な顔をしましたが、
「そうだね、せっかくだからね」と言って座敷の奥に写真を探しに行きました。




・・・暫くして戻った来たやっちゃんが残念そうに言いました。

「いや~、写真はなかったよ… うちは貧しかったから、写真館なんてのにも行けなかったんだろうなぁ… 
あ、肖像画はあったよ。この人が「ハナさん」だよ」



(ハナさん!!!!!!!!!!!!)




高鳴る鼓動を押さえながら肖像画を見ました。

その肖像画は鉛筆? で白黒で描かれており、昔ながらのひっつめ髪に着物を着た細い女性です。


・・・残念ながらその肖像画を見ても、何かピンと来るような直感や霊感は私にはありませんでした。




(苦労したんだろうな、
辛かったんだろうな、
寂しかったんだろうな、、、

7人も子供をおいて死んでしまうなんて、どんなに苦しく心残りだっただろう、、、)




私は後ろにいるか分からない(見えない)ハナさんに心の中で話しかけました。


「ハナさん、あなたは弱くない。
7人も子供を産んだ強い女性です。
あなたの5番目の娘は今や私のおばあちゃんとなっています。
その娘は娘を産み、私の母となりました。
命を繋いでくれて本当にありがとう」






・・・その時です。



扇風機がこちらを向いてなかったのに私の前髪が揺れ、生暖かい風がふわっとおでこをなでていきました。