司馬遼太郎氏のデビュー作。
舞台はモンゴル帝国に支配されたペルシャ。商人の娘であったがあまりにも美しかったために、大鷹汗ボルトルの寵愛を受けることになったナン。
そしてモンゴルの支配から逃れたいと願う人々は幻術師・アッサムにその命を絶つように願う。
ボルトルから逃れたいと願うナンはアッサムの幻術の中で一つの願いを持つようになり……。
『ペルシャの幻術師2』 原作・司馬遼太郎 漫画・蔵西
原作を解説を読んで積んだままという(;^_^A
傲慢なボルトル。優柔不断なナン。
その二人と比べるとアッサムは己の幻術に誇りを持ち、命を懸けてボルトルと対峙する。
この三人の対比が凄いなぁと思いつつ、こうした作品をあまり書かなかったことが残念ですね。
私個人の印象としては司馬さんは女性を描くのがあまり上手とは思えないので、コミカライズのナンの蠱惑的な魅力や悩みながらも自分では何も決めることができない優柔不断なところも含めてものすごく好きだなぁと。
二人の男を手玉に取った悪女と言われるのかもしれませんが、彼女には選ぶことが許されなかったのか切ない。
最後まで二人の男性の間で揺れ動きながら、無限の夢の中で揺蕩いと願う彼女の気持ちも分かるような気もします。
これがデビュー作だったんだ! 読み終えた今となってはうわっ! と思う作品でした。
早く原作を読みたいけど、他に途中のものが多くて(-"-;A ...アセアセ