調べた情報やXでの情報(皆様ありがとうございます)を元に
『PTAの配布物の扱い』について
以下にまとめてみました。


1.【法律面】
 結論からいうと、
PTAの配布物は、『すべての子どもたちに配布』します。

まずもって当たり前のことですが、
PTAの会員は保護者と教職員です。
子どもは会員ではありません。
そしてPTAにおいて、『会員の子』という概念はありませんのでご注意ください。

 では、PTAはなぜ学校園敷地内で事務所をおいて活動できるのかというと、学校教育法第137条(※1)があるからです。
「学校園の子ども達みんなのためにいいことをしよう」という団体なので、では協力しましょうってことで、特別に学校園の部屋を使うことが許可されているのです。
特別なのです、特別キラキラ
その辺の任意団体とは、ここが違うわけです。

よって、支援対象は『すべての子どもたち』であり、会員限定サービスをすることはできないのです。

「会員の子だけ○○する、○○あげる」なんてしようものなら、学校園としては協力する理由がなくなる訳です。
公共性を欠くわけですから、特別ではなくなり、学校園での活動ができなくなります。
当然学校園の部屋は使えなくなるどころか、プリント配布もしてくれません。

学校園としても、PTAより会員の子限定に配布物を依頼されても教育基本法第3条(※2)より、受けとることはできません。

さらには、公共性を欠く団体による「学校施設の不適切な利用」ということになり、学校園長は施設管理者としての責任を問われることになります。

以上のことより、PTAは学校園で活動をしたいのであれば、公共性を持って運営しなければならないため、配布物はすべての子どもたちを対象とする必要があります。

※1
学校教育法第137条 学校教育上支障のない限り、学校には、社会教育に関する施設を附置し、又は学校の施設を社会教育その他公共のために、利用させることができる

※2
教育基本法(教育の機会均等等)第3条 すべての国民は、ひとしく、どの能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない


2.【配布物の種類】
配布物には2種類あります。

①学校園の行事や教育時間に使用する物品(名札、コサージュ、証書入れ、進級記念品など)
→各個人が教育時間内に使用することが明確に分かっている物品であることから、PTAが代理購入する必要はなく、教育上必要な物は学校徴収とする方がよいでしょう。
 
 例えば極端な話、会員が50人で全園児・児童生徒が500人の場合、PTAからの配布は難しくなります。PTAの負担を考慮し、一律学校徴収の方が保護者もスッキリすると思います。

②学校園の教育時間では使わない物品(飲み物、お菓子、玩具、自由帳など)
→全員に配布する。全員に提供できない場合は、配布できません。


ちなみに非会員が配布物を受け取るというのは、
「非会員が欲しがっていたり、苦情が出たりするからPTAが配慮して配ってあげている」というものではなく、
「すべての子どもたちを対象に活動しているので非会員は不要かもしれないけど、受け取ってね」というものです。


3.【配布物は還元ではない】
PTAからの配布物は、会費の『還元』ではありません。
還元とは、物事をもとにかえす。という意味です。

『すべての子どもたち』を支援するために集められた会費は、きっちり計算されて使われているのに、払った会費が還元される(自分のもとに返ってくる)わけがありません。
還元されるほどお金が余るなら会費が減額になるはずです。
それに、これが還元だと言うのであれば教職員会員にはどう還元するのでしょうか。コサージュあげますか?証書入れあげますか?
会費は、見返りを求めるために払っているものではありません。

そもそも会員から集められた会費の使途は知っていますか?
総会資料の予算案や決算の項目をじっくり見たことがありますか?
配布物の項目はほんの一部にすぎません。
日Pや市P、人権団体の分担金、研修費、広報誌代、備品代、印刷代、交通費、周年行事積立金…などなど
配布物以外にもたくさんのお金が動いています。物を配布しているだけではないのです。

では会員特典は?というと、
運営ができることと、子どもたちの喜ぶ顔が見られることですかね。
素晴らしいことですよ、プライスレスキラキラです。
PTAの目的でもありますからね。


上記1.~3.の通り、PTAからの配布物の扱いについて説明をしましたが、それでも尚理屈が理解できない、またはどうしてもモヤモヤすると言った方は「すべての子どもたちを支援する」PTAの理念とはは考え方が異なるようなので、ぜひ退会をご検討下さい。

PTAは、決められた理念をもって活動しています。これは設立された当初(1952年)から変わらず全国統一です。
うちは田舎だからとか、うちの学校は違う、とかは決してありません。
みな同じです。

また、会員のお気持ち(ズルい、会費払ってるのに…)で運営される性質のものでもありません。

任意ですので、子どもたちを支援したいなと思ったら加入すればよいですし、ちょっと合わないなと思ったら非加入でよいのです。