スポーツを通した人間形成とは?
皆さん、以下の言葉について、幾つ知っていますか?
セルフアウェアネス
セルフコントロール
セルフリスペクト
セルフレギュレーション
セルフエスティーム
セルフアクチュアリゼーション
セルフデベロップメント
これら、心理学などで使う言葉なんですが、それぞれ、
セルフアウェアネス→自己認識
セルフコントロール→自己制御
セルフリスペクト→自己敬意
セルフレギュレーション→自己調整
セルフエスティーム→自己肯定
セルフアクチュアリゼーション→自己実現
セルフデベロップメント→自己啓発
といった日本語訳になるかと思います。
上記の言葉をネットで検索すると、心理学の情報や、よくある「人生を豊かにする7つの〇〇」的な大人向けキュレーションメディアが出てきます。
ヨーロッパのサッカー先進国では、これらの言葉がジュニアの育成理論の中に出てきます。それも、技術や戦術や体力づくりなど、トレーニングのベースとなる基本パートとしてです。
日本では、昔でいうところの根性論以外に、スポーツが人間形成においてどう役立つのかについて、心理学的/精神医学的な知見/理論に基づいた明確なメソッドを謳うスポーツスクールはあまり聞いたことがありません。
しっかり定着しない表面的な知識や技術の指導
例えば学校のテストに向けて、学習塾で「点の取り方(=テクニック)」を身につけても、本番で緊張して力を発揮できなかった、ということがあります。
失敗したらどうしよう、、
自分はダメかもしれない、、、
緊張して頭が真っ白、、、、
勉強でいうところの学習塾のように「テクニック」を教えてくれるサッカースールはたくさんあると思いますが、そのテクニックをどんな状況でも100%発揮できるベースはどうやって作るのでしょうか?
逆に言うと、それは勉強や日常生活にも役立つことでもあります。そういった意味では、子供うちからメンタルのケアやトレーニングは必要だと思います。
事前準備、成功体験や失敗体験、その後のケア
昨今、幼稚園や小学校の運動会などでは、個人の優越が明確になる種目を減らし、個人の順位付けの無い団体種目を多くする方針をとるところもあります。
幼いうちから競争にさらされるのはどうかなと個人的にも思いますが、スポーツを人間形成のための一つのツールとして捉えてしまえば、その後の人生に待ち受けている競争社会/格差社会に対するモラトリアムな期間に、スポーツを通して沢山の成功や失敗を経験するのはプラスではないでしょうか。もちろん、子供がスポーツに向き合うまでの意識づくりと、成功した時と失敗した時の適切なアドバイスを大人ができることが重要になってくると思います。
先に挙げたように、日本ではスポーツに関する子供向けメンタルケアやトレーニングがあまり盛んではありません。このような状況で、スポーツ業界がどのようなアプローチをしていけるか、また、保護者の皆さんとどのようにコミュニケーションをとっていけるか、これからの課題だと思います。