今朝は、4時半に起きた。

まだ、外が暗かった。

この前までは、明るかったのに。

確実に、季節は動いている。

暑すぎる夏だけど、

終わりは、ちょっと、寂しい。

 

オリンピックも終わり。

選手のみなさんの頑張りには、グッときた。

でも、ちょっと、騒々しかった。

それでも、終わりは、ちょっと、寂しい。

 

『男振(おとこぶり)』 池波正太郎著

 

  

 

あの池波先生の小説です。

主人公の少年、源太郎は、

主君の嗣子(しし)千代之助の遊び相手を務めています。

(※嗣子とは跡取りのこと。)

ある時から、髪がごっそり抜けはじめてしまうのです。

(この設定なんて、さすがですよー。上手い。)

 

で、髪が抜けてから、事件を起こしたり、

事件に巻き込まていくのですが、

それには、源太郎の出自も関係していて…。

 

人間は、生まれてくる環境を選ぶことができません。

境遇を嘆くばかりでは、人生つまらないまま。

苦しいけれど、悔しいけれど、

今の環境を受け入れることで、

前に進むことができる。

そうやって、源太郎は自分の手で

人生の方向を決めて歩んでいきます。

 

そういう決断が出来たのは、

源太郎自身の人柄もあると思いますが、

育ててくれた両親、

特に父親が素晴らしい人物だったからだと思います。

思慮深く、抑制のきいた、愛情深い人なのです。

(この設定もいいの。上手いよー。)

 

原田小平太が持ってきたお饅頭を食べて、

源太郎が泣くところもよかったなあ。

読後感の清涼感は保証します!