三菱パジェロ、タイミングベルト交換他整備その3 | 近藤自動車整備工場のブログ

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ドライブシャフト、ブレーキの整備を終えたパジェロの続きです。


元々エアコンが効かないとのお問い合わせがありましたこちらのパジェロ。行きつけのディーラーや修理工場では修理に難色を示しており、当店に相談のメールがありました。


診断した際に2つの異常が判り、1つはガス漏れ。そしてもう1つは配管内の詰まり。

年数が経っているお車なので、あちこちでガス漏れが起きている恐れもあるので、慎重に診断したところ、大きな漏れを確認することができました。リヤのクーラーユニットへのホースから漏れているのが分かりました。発光剤で漏れている箇所が確認できます。





こちらのホースはメーカー欠品で入荷に2週間程掛かってしまいまして、その間にエンジン周りと足廻りの整備を進めていました。


続いて詰まりですが、症状がフロントエアコンが効かず、リヤエアコンは効くという事でした。パジェロは1つのコンプレッサーでガスを循環させているので配管は全て繋がっており、フロントだけ効かないとなると疑う所はフロントのエキスパンションバルブ。

という事で助手席インパネ内にあるクーラーユニットを外していきます。



外れたクーラーユニット。


ユニットを分解して取り出したエバポレーター。この年代のお車にはエアコンフィルターが装着されていないので、ダイレクトにゴミが付着しています。



外れたエキスパンションバルブ。詰まりと表現しましたが、要はバルブの閉じてしまい正常に機能していない状態なのです。


新品のエキスパンションバルブ。


洗浄したエバポレーター。(古さもあって写真映りはあまり綺麗になった感は感じにくいですが、フィン内の汚れは取り除けています^_^)


エバポレーターにエキスパンションバルブを取り付け復元していきます。

そして真空引きを入念に実施、2日経っても保持している事から、漏れは完全に止まったと判断してガスを入れて作動チェックしたところ、効きも圧力も安定していました。


そしてワコーズのパワーエアコンも入れてエアコン修理も完成です。


続いてエンジンオイル、オイルエレメント、デフオイル、トランスファーオイル、ATFの交換です。特にATFは長いこと交換していなかったようで、走行距離を乗った車は逆に交換しない方がいいと聞かされていたお客様。正しく交換をすれば心配ありません。とは言え今回のこのパジェロはかなりの高額整備となってしまいましたので、予算ギリギリの所でATFの使用量を抑えて交換と、通常よりも長めにクリーニングを実施しました。


抜き取ったATFは真っ黒。


本来は透き通る赤。


これで全て完成!と思いきや、ABSの警告灯が点灯しているので診断。こちらのパジェロですと現行の診断機では通信不可なので、MUT-IIを引っ張り出してきました。まだ使えました。


流石に液晶が暗くて見えづらい。


原因はGセンサーの異常。センターコンソールの奥にあります。


これがGセンサー。しかし残念な事に生産終了。社外品も中古品も無く、出てくるまで保留となります。


そして約1カ月の整備期間、無事に引き渡しとなりました。その後、良くなったとお礼のメールもいただきました。遥々遠方からお越し頂き、お客様からの満足のお声を聞くとこちらとしても大いに励みになります。

年数が経ったお車の維持は大変です。そこを少しでもサポートできるように、これからも精進していきたいですね。