丸山ワクチンに続き、今回は漢方の話です。
代替医療の話ばかりになってしまいますが、基本的には科学に裏付けされた標準治療を受けることが一番だという考えは変わりません。
【十全大補湯を使った感想】
まず色々書く前に、妻は「十全大補湯」を飲んでいますが、飲むと明らかに副作用が軽減されると言っています。
はじめは、副作用が弱めの抗がん剤(ザノサー)を始めたころから飲んでいたので、漢方が効いているのかよくわかりませんでした。
しかし、最近処方された漢方を一部紛失してしまい、3日間ほど漢方が飲めない日がありました。
その時に飲んでいるときと飲んでいないときの差をはっきり感じたそうです。
また、「十全大補湯」が切れていた1週間くらいの内、代わりにドラッグストアから「人参養栄湯」を調達し数日間飲みました。
その結果、今まではシスプラチン+イリノテカンの副作用で吐き気があり、食欲もありませんでしたが、「人参養栄湯」を飲んだ時は、食欲がすごく出たということでした。
たまたまかもしれませんが、下記の内容も鑑みると、漢方による副作用低減は間違いないように感じます。
【十全大補湯を使おうと思った経緯】
丸山ワクチンを使おうか悩んでいた時期、薬局で薬を待っている間、待合室の壁に貼ってある「証陽散 EX」なる漢方のようなサプリメントの紹介が大きな紙に書かれてあったので、それを読んでいました。
免疫力を上げて病気にならなくするというような内容で、妻の飲ませたら多少はいいことあるかなと考えていました。しかし、スマホで調べたら1か月分で1万円以上する代物で、ガンに良いかどうかも分からないのに1万円以上も毎月払えないなと思いました。
そして反対の壁を見たとき、漢方の一覧表が貼ってありました。
そこで、ガンに効く漢方ってあるのかなと漢方について調べ始めました。
そして、漢方は補剤という形で抗がん剤治療に利用されることを知りました。補剤の主な役割は副作用の低減ですので、副作用の症状に合わせて、漢方を選んで飲むことができるようでした。ただし、漢方自体も副作用があるので、そのあたりは主治医とご相談いただいた方がよいでしょう。
で色々調べたところで行き着いたのが「十全大補湯」です。
なぜかと言えば、効果として副作用の低減のみならず、「十全大補湯」のみ抗腫瘍作用があるということを知ったからです。
一例として下記を紹介します。
1. ツムラの添付文書
(マクロファージ活性に対する作用)
マウスに経口投与し、結腸癌細胞を移植したところ、肝臓への転移が抑制された。
他にもNK細胞活性が増強したとか、色々書かれています。
また、抗がん剤による食欲不振・血液毒性に対する作用として、白血球数、赤血球数、ヘマトクリッ ト値の低下の抑制、脾臓、精巣、胸腺の重量減少の抑制も薬効として書かれています。
十全大補湯をcolon 26-L5結腸癌細胞の接種前の7日間、経口投与した群は、用量依存的に顕著に癌細胞の肝転移 (肝重量および結節数の増加) を抑制した。
さらに十全大補湯 (40 mg/day) を投与した群では病理組織学的に微小転移もほとんど認められず、有意な生存期間の延長が観察された。
陽性対照のシスプラチン(CDDP)投与群は効果が認められたものの著しい体重の減少を伴い、50%のマウスが死亡するという重篤な副作用を示したのに対して、十全大補湯投与群では、そのような副作用は全く認められなかった。
「十全大補湯により抗腫瘍効果を認めた肝細胞癌・多発肺転移の 1 例」という論文です。
十全大補湯により一部の肝内病変の縮小と多発肺転移の消失を認めた進行 HCCの 1 例を.経験したとのことです。
一方、抗腫瘍作用は認められなかったという東京都立衛生研究所毒性部病理研究科の論文もあります。
「十全大補湯のラット膀胱腫瘍に対する抗腫瘍作用及び抗癌剤 との併用によるその増強効果の検討」
この論文では、シスプラチンとの併用実験では、十全大補湯の抗腫瘍作用への増強効果については明らかでなかったが、シスプラチンの副 作用を軽減させる効果が示唆されたとのことです。
他にもいろいろ出てくると思いますが、論文がたくさん出ているあたりは丸山ワクチンよりも検討に値すると思ったわけです。
漢方は海外ではあまり知られていませんが、日本では国に承認された薬ですので、その有効性・信頼性はある程度認められているものだと思います。
結果、抗腫瘍作用についてはラットなどの動物実験がメインなので、人間に効くのかどうか、どの癌腫に効くかははっきりしませんが、
副作用の低減に関しては、ほぼ間違いない事実のように思えました。
そして、主治医に使いたいと相談したところ、「今やっている治療に悪さをしなければ使ってもいいよ」と言われ、漢方を飲むことにしました。
付け加えると、漢方の良いところは保険が効くということです。基本、月々の支払いは常に高額療養費の額を超えるので、漢方は実質無料で手に入ります。