手抜 | ゼッケン120番

ゼッケン120番

目標 77分台/中間点 やればできる!






 もう一昔前になるが
松坂大輔が、こんなようなことを言っていた。



 下位の打者に打たれてもかまわない

 上位打線を押さえてこそエース


 付け加えるように。


 下位には手抜して投げているんで
マグレで打たれることもある



 俺流の言い回しだから
もう少しはソフトなコメントだったと想うが
松坂も強気な投球で鳴らした男
ほぼ、俺の記憶に近かったはずだ。

 全盛時のコメントだが
手抜したって下位には掠らないという自信と
上位には全力でぶつかっていく姿勢がうかがえる。


 1番打者から9番打者まで
緩急自在に投げているということだ。



 記録を狙う上では
マラソンは一切手抜できない。

 少しでもスピードを緩めようものならば
記録が遠のくのがマラソンだ。


 ましてや、シーズンで何戦も勝負できることはあり得ない。

 プロ野球のように
リベンジが数日後の試合などということはない。

 半年間もかけて作り上げた脚を使えるのは
運が良くて二戦あるかないかだ。

 ドーム内で試合が行われるわけではないので
気象に大きく左右されるのも
マラソン特有の試合条件でもある。


 誰でも経験があるだろう。

 最高に脚が仕上がった時には悪天候。

 脚に問題のある時には絶好のマラソン日和。



 俺は松坂大輔を尊敬している

 松坂の投球に手抜はない

 九回まで投げ抜く投球術であって
決して手抜しているのではない


 


 一年に一、二戦しか使えない脚

 はまるかは運頼みの気象条件

 全力で走り切ってこその記録

 手抜が一切通用しないのが

 マラソン