提供:ゲンダイネット
“○ベンツ”“×再教育”
北京五輪の女子種目別跳馬で、北朝鮮のホン・ウンジョン(19)が悲願の金メダルを奪取した。
射撃のキム・ジョンス(31)がドーピングに引っかかり、銀と銅メダルを剥奪されてケチがついたが、これで北朝鮮の獲得メダル数は金2、銀1、銅3の計6個。
204カ国・地域中、21位の好位置をキープしている。過去最多の9メダル(金4、銅5)に沸いたバルセロナ五輪に迫る勢いだ。
今回、北京に送り込まれた選手団は過去最多の136人(63選手)。
建国60周年を9月に控え、「3大会ぶりの金メダル獲得」という至上命令が下されたという。
中国ばかりでなく、北朝鮮にとっても五輪は単なるスポーツ祭典ではないのだ。
スポーツジャーナリストの二宮清純氏がこう言う。
「国威発揚をはるかに越え、国の威信をかけた一大イベントです。射撃選手が陽性反応を示したドーピングは、筋肉増強剤や興奮剤といったよく耳にするタイプではない。心拍数や血圧を下げ、手の震えを抑える特殊な薬物だった。選手が個人的に服用したとは考えにくく、組織ぐるみの疑いもあります」
選手にのし掛かるプレッシャーは半端じゃない。
「寝食を忘れた壮絶な練習を課される上、勝敗の結果いかんで、生活は天国と地獄ほど変わってしまう。メダリストになれば一生の生活が保障され、勲章や副賞も与えられます。アトランタ五輪の女子柔道48キロ級で谷亮子を破り、優勝した桂順姫(今回は57キロ級で惨敗)は国家功労者だけに贈られるベンツをもらっていた。一方、敗れた選手は敢闘精神が足りないと糾弾され、国賊扱い。再教育対象者になり、矯正施設送りになることもあります」(事情通)
北朝鮮選手の健闘を祈るばかりだ。
(日刊ゲンダイ2008年8月19日掲載)
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環境が整っていない中での北朝鮮選手の頑張りはすごい。
北朝鮮のスポーツ英才教育方針をご存知の方はあまりいらっしゃらないと思うが、小学生のときから素質があるとみなされると、総合のスポーツ専門の英才教育が始まるという。
彼らは自分の夢というよりは、家族の幸せや国のためという大きなプレッシャーの元に五輪へ挑戦している。