かつて業界のガリバーとして鳴らした英会話学校最大手「NOVA」元社長、 猿橋望 容疑者(56)。
昨年10月の経営破綻(はたん)から8カ月余り。雲隠れ生活の末、6月24日に 業務上横領 容疑で 大阪府警 に逮捕された。
一時は豪華社長室を構え、この世の春を謳歌(おうか)していたが、現在は 取調室 で厳しい追及を受ける日々だ。
「5月末から逮捕される覚悟は決めていた」。そんな猿橋容疑者の逮捕直前の様子は-。
6月23日、猿橋容疑者に代理人弁護士から連絡が入った。「府警が明日(24日)事情聴取したいと言っている」。
この日、覚悟を決めて東京から大阪へ戻ってきたばかり。安いビジネスホテルに1人でチェックインしていた。
昼に弁護士と会った際、ノートパソコンを受け取っていた。元受講生や元従業員らに対する思いを文章にするため、頭を巡らせながらキーボードをたたく。
「多大なご迷惑をかけたことをおわびしたい」「(容疑の)事実関係には間違いない」「自戒の日々を送っている」
反省の言葉を並べたA4判1枚分のコメントを書き上げた。ところが、ホテルにはプリンターがない。夕方、末尾の署名と押印の部分を空けたままファイルを保存し、弁護人にパソコンを返した。
翌朝、猿橋容疑者は大阪市北区の 大阪市役所 前へ向かった。白いストライプの入った黒いスーツに赤いネクタイ、サングラス姿。弁護士と再会し、パソコンから刷りだしたコメントに、署名と押印を済ませた。
逮捕は不可避。最終的に腹をくくったのか、猿橋容疑者は言葉少なだったという。弁護士とともに市内のある場所に車で向かうと、府警捜査2課の捜査員らが待っていた。
猿橋容疑者はそのまま 任意同行 され、サングラスをかけたまま捜査車両の後部座席に乗り込んだ。
府警本部の周囲は早朝から、猿橋容疑者の到着を待ち受ける報道陣でごった返していた。
猿橋容疑者を乗せた車は午前9時ごろ、府警本部内の駐車場へ滑り込んだ。あまりに一瞬の出来事で、猿橋容疑者の姿に気づかない記者も多かった。
そのまま取り調べが始まり、午後5時30分、 業務上横領 容疑で逮捕。その1分後、創業間もない時代からの側近で関連会社元役員、村田利彦容疑者(49)も共犯として逮捕された。
逮捕事実は、解約した受講生への返還金に流用するため、NOVA社員の互助組織「社友会」の積立金3億2000万円を、村田容疑者を通じて当時の経理担当者に指示し、関連会社の口座に入金したというものだった。
かつて、その豪華さと派手さで話題をさらった大阪・難波のオフィスビル20階にしつらえた社長室。広さ約100坪、 ダブルベッド からサウナまでを完備した「富の象徴」だったが、主を失った今、すべて撤去され、ただの空き室になっているという。
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所詮、サルがすることはたかが知れているノー!