1927年、フリッツ・ラング監督作品です。

超有名作品ですが、いまだ見たことがないので見てみました。

1時間57分と、割と長尺です。

 

日々、繰り返されるシフト労働。

労働者の街は地下にあり、上層の楽園は支配層が独占していた。

 

「ごらん、あなたたちの兄弟よ」と、子供たちを引き連れて闖入してきた女性。

彼女は労働者の娘だった。

 

地下の機械が暴走し、多くの労働者が犠牲になる。

 

ジョンは父親に労働者の待遇改善を訴えるが、父親は耳を貸さない。

 

……世界観がすっかりウェルズの「タイムマシン」ですね。

支配者は地上、労働者は地下。

 

娘を追ってきた支配者ジョン・フレーダーセンの息子は、倒れた労働者の仕事を肩代わりしたり。

……謎の作業。こういうのこそ自動化すればいいのに。

 

一方、ジョンは発明家のロートヴァンクが作った人型ロボットを賞賛。

「疲れも知らず間違いも犯さない」と。

 

……女性型ロボットです。

実際に中には女性が入っていて、監督は継ぎ目からコインを入れていたずらしていた、という話を小耳に挟んだことがあります。

 

当時、映画を見た人たちはこの造形には驚いたでしょうね。

……話としては退屈なので、このあたりから1.5倍速で見ます。

 

労働者の間では謎の図面が流布。

息子はそれに従って労働者の集会へ。

そこにはオタサーの姫、もとい、例のあの娘、マリアがいて、バベルの塔の話をしたり。

「少数の奏でるる賛美歌は、大多数にとっては呪いの歌でした」

そして、支配者と労働者の仲介者を辛抱強く待とうと説く。

 

……このあたりが、ブロレタリア革命思想との違いだなあ。

マリアの言う現状肯定はいずれ不満が爆発するよね。

そして、このあたりで二倍速に。

元々、セリフがなくて音楽だけ、所々に字幕が入るパターンなので、再生速度を上げても違和感はないです。

 

バベルの塔の建設シーン。大量のエキストラ!

 

オタサーの姫をくどく息子。

結局、金持ちで育ちの良さを感じさせる男が勝つのね。

 

一方、ジョンはマリアを誘拐してかわりにロボットを送り込むことを計画。

 

ロートヴァンクの家。何やら五芒星形が貼ってありますが、ワイマール共和国時代なのでユダヤ民族を示す六芒星形とは関係ないよね?

ちなみに、フリッツ・ラング監督はユダヤ人です。

 

ロボット・マリアのお披露目。

 

凄いセットだなあ。

 

男たちは熱狂。人間だと思ってます。

 

大聖堂の七つの大罪の像も踊り出すレベル。

 

ロボット・マリアをかついでいます。

……ロボットなら重いんとちゃう?

 

で、ジョンはマリアを送り込んで労働者を扇動。

「辛抱強く待ちすぎたわ。今こそ行動に移す時よ!」

……それな!

「機械を壊して!」

 

ジョンは、労働者を弾圧する口実にしたかったようですが。

労働者は暴走、子供たちが水に沈むことも忘れて機械を破壊します。

ジョンも労働者も「バカだ、バカがいる!」案件なのでした。

 

 

総評。

「映画史に残る名作」とされている本作ですが、あまり面白くはなかったです。

うーん、一度見たらおしまい!