CI療法と両手を使う療法 | kondoukomatum165のブログ

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両手を使う療法などと烏滸がましいのですがお許し願いたい。要するに麻痺手が動かない状態の時から両手を使うことで麻痺手の動きを誘導する療法という意味です。

 

さてCI療法とは、Constraint induced movement therapyのことですから、直訳すると『規制誘導運動療法』。つまり麻痺のない上肢を使えないように規制・拘束して、麻痺手の動きを誘導する療法という意味になります。この『拘束療法』は、『脳の可塑性』に基づいた療法です。『脳の可塑性』は、麻痺手の使用頻度に比例して発現すると言われます。書き取りを何度も繰り返して紙に書いて覚えるのに似ています。  

 

だから麻痺の無い手を使えないようにして、麻痺手だけを使う訓練を集中的に繰り返すことで脳の可塑性発現を促そうとする考えは理解できます。しかし、麻痺の無い手を拘束するのは、そうしなければ麻痺手を放置して麻痺の無い手での片手動作をするからと考えるからである。

 

拘束だとか片手動作とかではなく、昔のように両手を使う動作をさせればいいのだと考えたのが両手を使う療法です。とにかくCI療法も含めて、片手だと出来ないことが多いのですから。例えば両手で洗面する。両手にタオルを持って顔を拭く。数え上げるときりがありません。

 

私は急性期病院で、右手で麻痺の左手を動かす、両手を並べて動かすイメージングをするなどで微かな動きを感じました。回復期病院でのリハビリで、CI療法の「適応基準」に達する回復はありませんでしたが、なるべく両手を使うようにしていました。因みに作業療法では片手動作の訓練は拒否し、麻痺手の訓練だけを受けました。

    

退院後は、とにかく両手を使うようにしたのです。もちろん困ったときには片手動作もしましたが、何とか昔のように両手を使い続けたのです。そして少しずつ出来るようになり、退院から半年後には、麻痺は残るものの何でも出来るようになった。だから「両手を使う療法」と名付けたのです。

 

急性期に麻痺の無い手で麻痺手を動かすことが、両手指を組むなど両手を使うことに繋がります。このような自主訓練を超早期から治療側が指導すれば回復する患者は増えると思うのですが如何でしょうか。

 

最後に、私はCI療法を否定する者ではありません。適応基準に到達するためのリハビリが行われない現実に疑問を感じた為に、自分の体験を述べたのです。