「しゃがむ」訓練は必要不可欠です | kondoukomatum165のブログ

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近年は和式トイレが減少しています。以前ビーナスラインをドライブして、美ヶ原の山本小屋でトイレ休憩した。建物が近代化し、立派なホテルに変わっていたのに驚いたが、1階の無料トイレが全て洋式だったのにさらに驚いたことがあります。

 

さて最近は「しゃがみ込み動作」ができない子供が少なくないようです。原因はライフスタイルの変化で、洋式トイレの高普及率に伴い和式トイレの使用経験が無い。また座敷や床に腰をおろすことが少なくなったこと。つまりフロアに腰をおろすより、椅子やソファに座ることが多くなった。このことが「しゃがむ動作」ができない子どもが増えた要因ではないでしょうか。家屋のバリアフリーの功罪がここにも出ています。

 

脳血管障害の人で、歩くことが出来るようになっても「しゃがむ」ことが出来ない人が多いと聞きます。出来ないのは、単に練習をしなかったからではないのでしょうか。しかし本来は歩く前に「しゃがむ」練習が必要だと思うのです。「しゃがむ」ためには腰・膝・足首・足指が上手く動くことが必要です。しかしこのことは歩くための基本動作だと思います。

 

脳被殻に出血した血腫を吸引除去する手術が成功して直ぐに、訓練室での理学療法が始まりました。ある時、「私の部屋は和室で、畳に布団を敷いて寝ています。退院したら元の生活に戻りたい」と言いました。すると「畳で生活するための訓練が必要ですね」と言うことで、歩く練習だけでなく、先ず椅子に座る。そこから畳に下りる練習をしました。膝立ちで畳の上を歩く練習もしましたが、これはとても辛かったのを覚えています。

 

回復期リハビリ病棟ではベッドの下に衣装入れがありました。転院して間もないころ、衣装入れを自分で引き出して、しゃがんで着替えを取り出しました。この時、床近くまでしゃがめることに気がつきました。そしてゆっくりと立ち上がりました。成功したのです。そこで普通トイレの和式に入って試して見たのです。ズボンの上げ下げは苦労しましたが、和式も使えることが分かり感激したのを覚えています。この時以来トイレのことを心配することがいらなくなり、トイレの恐怖が無くなってしまいました。

 

しゃがむ動作は、生活様式の変化や家屋のバリアフリー化で不要になりつつあるように思われますが、実は歩くための基本動作として訓練が必要不可欠だと思っています。