性的倒錯(せいてきとうさく)、性的嗜好障害(せいてきしこうしょうがい)[1]、あるいは性嗜好異常(せいしこういじょう)は、英語でパラフィリア(英語: paraphilia)と言い、人間の性に関連する行動において、精神医学における病理的な精神疾患と診断される症状(性的嗜好)を指す。なお2013年に出版されたDSM-5の日本語版では、パラフィリア障害群という用語を採用し、それ以前のDSM-IVでは性嗜好異常である。
広義には、常識的な性道徳や社会通念から逸脱した性的嗜好を指す。ただし、性道徳や社会通念は抽象的な概念であることから、その基準や境界線は時代や文化、個人の価値観によって多様な解釈や定義が存在している。また、それらの多様な解釈や定義が偏見や差別の原因となる場合がある。
この記事にて主として解説するのは、精神医学において、パラフィリア障害群としてまとめられている精神障害の一分類である。従ってその診断には、そのような行動によって著しい苦痛や、日常生活への障害、また同時に、その社会的に容認され難い行動を制御できないという診断基準を満たしていることが必要である。しかし、どこからが異常であるかという基準や境界線は厳密ではなく、文化や時代によっても変化するため、以下で述べる症例が、必ずしも精神疾患に該当するということにはならない。また、あらゆる精神的、または心理的な病理と同様に、古くから存在が確認されている症例もあれば、プライベート性が高く第三者に認識されにくい症例、時代や文化の変化と共に新しく誕生する(発見される)症例などもある。従って、何れも医療機関の専門家による具体的な診察や長期的な観察などが重要になる。
語源
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現在、各国で通用する英単語のパラフィリア (Paraphilia)の語源は、ギリシア語の前置詞で「横」や「脇」を意味するパラ (ギリシア語:παρά 、英:para)と、古代ギリシア語の名詞で「愛」を意味する フィリア (古代ギリシア語:φιλíα、英:philia)を合わせた単語で、直訳すると「横に逸れた愛」といった意味を持つ。病理学的な専門用語として客観的かつ中立的に表現し、偏見や差別を防止する目的で使用されるようになった造語である。
日本の精神医学界では、昭和時代の初期頃まで一部で変態性欲(英:Sexual perversion)などと呼ばれていた。1886年にドイツの精神医学者のクラフト・エビングが著した『Psychopathia Sexualis』が、日本では1913年に『変態性慾心理』の翻訳刊行されている[2]。しかし、異常性が強調されてしまう言葉であることから、客観性や中立性を表現できる病理学的な専門用語が求められるようになり、英語圏で普及していたパラフィリアを意訳した性的倒錯(せいてきとうさく)という言葉が大正時代頃から次第に普及するようになった。
さらに「倒錯」や「逸脱」といった言葉でも一般的には誤解を招きやすく、客観性や中立性に欠ける表現になりかねないとの配慮から、アメリカ精神医学会(APA)や世界保健機関(WHO)などで使用されている、障害であることを積極的に意味する精神障害や、前述したパラフィリアなどの専門用語を積極的に使用する方が望ましいとの意見もある。
精神医学における概念や分類
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「精神障害#定義」も参照
ここより、精神疾患としての性的倒錯を述べる。この概念は、精神医学または臨床精神医学などにおいて、精神障害の一分類であるパラフィリア障害群として認識されている。以下で示す診断基準などは記述精神医学に則っており、表出する症状に着目しており、その内面性にはあまり比重を置いていない。
一般的な用法との区別
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精神医学的に正常な性的嗜好やフェティシズムの定義や分類と重複したり混同する場合が多い。例として、サディズム(加虐性愛)やマゾヒズム(被虐性愛)などの用語は、パラフィリアともなりうるものとして存在するが、同時に正常な性的嗜好や性風俗などの用語としても用いられており、境界線はない。
精神医学的には、正常な性嗜好を逸脱している場合には、性嗜好障害(せいしこうしょうがい)や性嗜好異常(せいしこういじょう)である。
精神医学における診断基準
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国連のWHOが定めている精神疾患に関する分類『疾病及び関連保健問題の国際統計分類』(ICD-11)では「パラフィリア症群」は以下の内容で特徴づけられると説明されている[3]。関連して「個人的な機能障害を伴わない社会的逸脱または葛藤だけのものは精神疾患に含めない」という方針がある[3]。
- 持続的かつ強烈な非典型的性的興奮パターンを有する。
- そのパターンは、同意能力のないあるいは同意を拒む者を対象とする。
- もしくは、そのパターンは、自身に著しい苦痛をあたえる。ただし、それはその興奮パターン自体によるものであり、単にその興奮パターンが他者から拒絶されること、または他者から拒絶されるのを恐れることによる二次的なものではない。
- もしくは、そのパターンは、たとえ相手の同意があったとしても自身か相手に傷害・死亡に至る重大なリスクを生じさせる。
アメリカ精神医学会(APA)による『精神障害の診断と統計マニュアル』第4版改定版(DSM-IV-TR)では、「性嗜好異常(Paraphilia)」である。性嗜好異常の項目では、すべての性嗜好異常に共通する第一段階における診断規準が記述されている。精神疾患であると診断する為の条件として、少なくとも以下の2点を同時に満たすことが必要と定義されている。なお2013年に出版されたDSM-5の日本語版では、「パラフィリア障害群」という用語を採用している。
(1)当人が自分の性的嗜好によって、心的な葛藤や苦痛を持ち、健康な生活を送ることが困難であること。
(2)当人の人生における困難に加えて、その周囲の人々、交際相手や、所属する地域社会などにおいて、他の人々の健全な生活に対し問題を引き起こし、社会的に受け入れがたい行動等を抑制できないこと。
従って、これらを同時に満たしていない場合は、精神疾患としての性的倒錯とは診断されない。
例として、当人が自身の性的嗜好に葛藤や苦痛を持たず、日常生活に支障がなければ、(1)の条件を満たしていないのでパラフィリアとは診断されない。また、当人が葛藤や苦痛を持っていても、第三者や社会秩序にとって脅威や問題がない場合は、(2)の条件を満たしていないのでパラフィリアとは診断されない。
さらに、当人が何らかの性的嗜好を持っていたとしても葛藤や苦痛がなく、第三者や社会秩序にとっても具体的な問題が生じていない場合は(1)と(2)の両方を満たしていないので、精神医学的にも社会的にも許容範囲の性的嗜好とみなされ、つまり医学的には正常な性嗜好である。
精神医学における分類
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以下、各国の医療機関で準拠することの多い世界保健機関(WHO)やアメリカ精神医学会(APA)が定義した、精神疾患としてのパラフィリアの分類を挙げる。
世界保健機関
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国連の世界保健機関(WHO)が定める『疾病及び関連保健問題の国際統計分類』(ICD)の第11版では、以下がパラフィリア症群の分類として定義されている[3]。以前は「性嗜好障害」という項目があった。しかし、2019年の「ICD-11」からは「性嗜好障害」という言葉を使わずに「パラフィリア症群」という言葉を用い、「フェティシズム」の用語はカテゴリから消えた[3]。
- パラフィリア症群
- 露出症
- 窃視症
- 小児性愛症
- 強制的性サディズム症
- 窃触症
- 同意しない者を対象とする他のパラフィリア症
- 単独で行う、または同意する者を対象とするパラフィリア症
- パラフィリア症群、特定不能
アメリカ精神医学会
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アメリカ精神医学会(APA)が定める『精神障害の診断と統計マニュアル』第5版改定版(DSM-5)では、以下がパラフィリア障害群の分類として定義されている[4]。
- パラフィリア障害群
- 窃視障害(Voyeuristic Disorder)
- 露出障害(Exhibitionistic Disorder)
- 窃触障害(Frotteuristic Disorder)
- 性的マゾヒズム障害(Sexual Masochism Disorder)
- 性的サディズム障害(Sexual Sadism Disorder)
- 小児性愛障害(Pedophilic Disorder)
- フェティシズム障害(Fetishistic Disorder)
- 異性装障害(Transvestic Disorder)
- 他の特定されるパラフィリア障害(Other Specified Paraphilic Disorder)
- 特定不能のパラフィリア障害(Unspecified Paraphilic Disorder)
パラフィリアの類型
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パラフィリアの主な類型を挙げる。
- 補足1
- 前述「語源」の通り、類型用語の末尾に使用される「〜フィリア(- philia)」とは、「〜愛」「〜性愛」などを意味している。また、「〜ラグニア (- lagnia)」とは「〜欲求」「〜願望」などを意味しており、「〜イズム (- ism)」とは「〜主義」や「〜崇拝」などの意味を持つ英語の接尾辞である。何れも、実用上の意味合いに大きな差はなく、和訳の際も「〜偏愛」「〜嗜好」などといった言葉と共に様々に翻訳されているのが現状である。また、日本では「〜プレイ (- play)」と称して「〜行為」そのものを意味する外来語として普及しているような場合もある。この項目の日本語訳では、便宜的に「〜性愛」で統一した。
- 補足2
- 項目ごとの症例は、片仮名表記を五十音順に並べ、文末に英語表記を記載した。片仮名表記および英語表記にリンクがある場合は、各項目で詳細を参照のこと。また、一般的な性的嗜好や性風俗の用語であっても、症例の理解を補助すると思われる用語は併記または該当項目へリンクした。
性目標倒錯
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最終目標が性交(セックス)ではなく、何らかの嗜好や倒錯した行為が認められる症状が「性目標倒錯(せいもくひょうとうさく)」である。後述の「性対象倒錯」と併発している場合も多く、厳密な区分は困難である。
- アクアフィリア(溺水性愛)
- 海やプールなどの水辺や水中、溺水や水没への性的嗜好。ハイドロフィリアとも言い、「ハイポクシフィリア(窒息性愛)」との混同も見られる。英語:Aquaphilia または Hydrophilia
- アノレクタル(異物肛虐愛)
- 肛門や直腸に異物を挿入する性的嗜好。英語:Anorectal
- ウロフィリア(小便愛)
- 排尿行為や飲尿行為、尿そのものへの性的嗜好。ウロラグニアとも言う。広義には「スカトロジー(英語:Scatology)」や「コプロフィリア(糞便性愛)」に含まれる。英語:Urophilia または Urolagnia
- エキシビショニズム(露出性愛)
- 自分の裸体や性器を公衆の面前や第三者に晒す性的嗜好。恋人などのパートナーを晒す性的嗜好は「カンダウリズム(英語:Candaulism)」と言う。英語:Exhibitionism
- エメトフィリア(嘔吐性愛)
- 嘔吐行為や吐き気、吐瀉物への性的嗜好。英語:Emetophilia
- エロトフォノフィリア(殺人性愛)
- 殺人や殺害行為への性的嗜好。「快楽殺人(英語:Lust murder)」とほぼ同義に用いられる。英語:Erotophonophilia
- カニバリズム(食人性愛)
- 食人行為や人肉への性的嗜好。アントロポファジーとも言う。英語:Cannibalism または Anthropophagy
- クリスマフィリア(浣腸愛)
- 浣腸行為や、浣腸器具を用いた排泄行為、糞便への性的嗜好。広義には「スカトロジー(英語:Scatology)」や「コプロフィリア(糞便性愛)」に含まれる。英語:Klismaphilia
- クレプトフィリア(窃盗性愛)
- 窃盗行為への性的嗜好。クレマスティストフィリアやペッカトフィリアとも言う。英語:Kleptophilia または Chremastistophilia、Pecattiphilia
- コプロフィリア(糞便愛)
- 排便行為や食糞行為、糞便への性的嗜好。コプロラグニアとも言う。広義には「スカトロジー(英語:Scatology)」にも含まれる。英語:Coprophilia または Coprolagnia
- サディズム(加虐性愛)
- 性的虐待や性的暴力を与える性的嗜好。対語は「マゾヒズム(被虐性愛)」、両面性のある場合は「サドマゾヒズム(加虐被虐性愛)」。英語:Sadism
- サドマゾヒズム(加虐被虐性愛)
- 同一人物にサディズムとマゾヒズムが共存あるいは混在する性的嗜好。広義には、SM 嗜好者が持つとされるサディズムとマゾヒズムの両面性も意味する。英語圏では一般的に、拘束や束縛を意味する「ボンデージ(英語:Bondage)」、調教や折檻を意味する「ディシプリン(英語:Discipline)」、加虐性愛の「サディズム(英語:Sadism)」、被虐性愛の「マゾヒズム(英語:Masochism)」の4つの単語から頭文字を採った総称で「ビー・ディー・エス・エム(英語:BDSM)」と呼ばれる。英語:Sadomasochism
- シトフィリア(食物性愛)
- 食物や飲料の咀嚼行為や身体への塗布行為などの性的嗜好。フード・プレイとも言う。英語:Sitophilia または Food play
- スコプトフィリア(窃視性愛)
- 第三者の行動や性行為などを盗み見る(覗く)性的嗜好。スコポフィリアとも言う。一般には窃視行為の総称「ボイヤリズム(英語:Voyeurism)」で知られる。英語:Scoptophilia または Scopophilia
- ズー・サディズム(動物加虐性愛)
- 動物に対して性的虐待や性的暴力を与える性的嗜好。ビースティアル・サディズムとも言う。広義には動物虐待の総称「アニマル・アビューズ(英語:Animal abuse)」に含まれる。英語:Zoo sadism または Bestialsadism
- タナトフィリア(死性愛)
- 首吊りや入水などの自殺(縊死)行為、殉死や切腹などの自傷行為への性的嗜好。「ネクロフィリア(死体愛)」とは異なり、あくまでも「自分自身の死」に向かう性的嗜好である。英語:Thanatophilia
- タフェフィリア(埋葬性愛)
- 葬儀や埋葬行為への性的嗜好。「タナトフィリア(死性愛)」との混同も見られる。英語:Taphephilia
- デンドロフィリア(樹木性愛)
- 樹木や植物への性的嗜好。英語:Dendrophilia
- ハイブリストフィリア(犯罪性愛)
- 犯罪行為や違法行為をする人への性的嗜好。ハーパクソフィリアとも言う。刑務所グルーピー(犯罪者追っかけ)のこと。
- ハイポクシフィリア(窒息性愛)
- 首絞めやビニール袋などを用いた低酸素症や窒息行為への性的嗜好。アスフィクシオフィリアやエロティック・アスフィケーションとも言う。英語:Hypoxyphilia または Asphixiophilia、Erotic asphyxiation
- ピロフィリア(火炎性愛)
- 火や炎、火事や放火行為への性的嗜好。ピロラグニアやピロマニアとも言う。英語:Pyrophilia または Pyromania、Pyrolagnia
- フロツーリズム(接触性愛)
- 相手の身体や衣服に自分の性器を接触させる性的嗜好。厳密には、一般的な「痴漢(英語:Groping)」行為には潜在的な最終目標として性行為が含まれるが、フロツーリズムには性行為が含まれない。英語:Frotteurism
- ヘマトフィリア(血液性愛)
- 血液への性的嗜好。ヘモフィリアやハエモフィリアとも呼ばれる。なお、吸血行為への性的嗜好は「バンパイアイズム(英語:Vampirism)」と言う。(英語:Hemophilia または Hematophilia、Haemophilia)
- マゾヒズム(被虐性愛)
- 相手から性的虐待や性的暴力を受ける性的嗜好。対語は「サディズム(加虐性愛)」、両面性のある場合は「サドマゾヒズム(加虐被虐性愛)」。英語:Masochism
- マノフィリア(手淫性愛)
- 手や腕への性的嗜好。単独のオナニーとは異なる。英語:Manophilia
性対象倒錯
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最終目標は性交(セックス)にあるが、その相手や対象、状況などに何らかの嗜好や倒錯の認められる症状が「性対象倒錯(せいたいしょうとうさく)」である。前述の「性目標倒錯」と併発している場合も多く、厳密な区分は困難である。便宜的に「人物」「年齢」「物体」「状況」「その他」の5つに分類して挙げる。
人物への性対象倒錯
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主に人物、または身体の部位や状態に関連する性的嗜好を挙げる。一般的な総称としては「フェティシズム(英語:Sexual fetishism)」や「フェティッシュ(英語:Fetish)」という言葉が広く知られており、日本では俗語的な略称「フェチ」なども同義である。なお、身体の特定の部位(パーツ、英語:Parts)への性的嗜好は、広義に「パーシャリズム(英語:Partialism)」と言う。
- アクロトモフィリア(四肢欠損性愛)
- 手や足などの四肢が欠損した身体への性的嗜好。なお、自分自身の身体に違和感を覚え、自らの四肢を欠損しようと願う嗜好は「スマトパラフィリア(四肢不一致症候群)」と呼ばれる。英語:Acrotomophilia
- アコースティックフィリア(音響性愛)
- 声や音への性的嗜好。英語:Acousticophilia
- アナスティーマフィリア(身長差性愛)
- 極端な身長差への性的嗜好。英語:Anasteemaphilia
- アポテムノフィリア(身体欠損性愛)
- 手や足などの四肢を欠損(破壊)しようとする行為への性的嗜好。広義には「アクロトモフィリア(四肢欠損性愛)」に含まれる。英語:Apotemnophilia または Somatoparaphrenia
- アベイショフィリア(身体障害性愛)
- 身体障害者、またはギプスや点滴などの医療器具を着用した負傷者への性的嗜好。英語:Abasiophilia
- アンドロミメトフィリア(男子性転換性愛)
- 男性に性転換した女性への性的嗜好。広義に「トランスファン(性転換嗜好者)」に含まれる。英語:Andromimetophilia または Transfan
- オキュロフィリア(眼球性愛)
- 眼や瞼に対する性的嗜好。涙への性的嗜好がある「ダクライフィリア(泣哭性愛)」と混在する場合がある。英語:Oculophilia
- オドントフィリア(歯牙性愛)
- 歯や牙への性的嗜好。英語:Odontophilia
- オルファクトフィリア(体臭性愛)
- 汗や香水なども含めた体臭への性的嗜好。オスフレジオラグニアとも言う。英語:Olfactophilia または Osphresiolagnia
- グレイブラスネス(無毛性愛)
- 腋毛や陰毛といった性毛の未発生状態や剃毛への性的嗜好。「パイパン」や「剃毛プレイ」なども参照のこと。英語:Glabrousness
- ガイネミメトフィリア(女子性転換性愛)
- 女性に性転換した男性への性的嗜好。広義に「トランスファン(性転換嗜好者)」に含まれる。英語:Gynemimetophilia または Transfan
- ステノラグニア(筋肉性愛)
- 筋肉質な体型への性的嗜好。英語:Sthenolagnia
- ディスモーフォフィリア(奇形性愛)
- 奇形(畸形)体型への性的嗜好。ボディ・ディスモーフィック・ディソーダーとも言う。英語:Dysmorphophobia または Body dysmorphic disorder
- デフロランティズム(処女性愛)
- 処女や処女喪失への性的嗜好。英語:Deflorantism
- トランスヴェストフィリア(異性装性愛)
- 異性装者への性的嗜好。英語:Transvestophilia
- トリコフィリア(毛髪性愛)
- 毛髪や散髪行為への性的嗜好。ヘア・フェティシズムとも言う。英語:Trichophilia または Hair fetishism
- ネクロフィリア(屍体性愛)
- 屍体(死体)への性的嗜好。ネクロマニアとも言うが、これは「アメリカ史上最低の映画監督」と呼ばれたエド・ウッドが1971年に発表した映画「ネクロマニア(英語:Necromania)」などでサブカルチャーの分野から広まった言葉で、同義ではあるが正式名称ではない。また、屍体を演じる(真似る)性的嗜好は「シュードネクロフィリア(英語:Pseudonecrophilia)」と言う。英語:Necrophilia
- ノソフィリア(病症性愛)
- 病気や病症状態の身体への性的嗜好。英語:Nosophilia
- ノーズ・フェティシズム(鼻性愛)
- 鼻や鼻孔への性的嗜好。ナソフィリアとも言う。英語:Nose fetishism または Nasophilia
- ハイグロフィリア(分泌物性愛)
- 汗や涎などの分泌物への性的嗜好。英語:Hygrophilia
- ピゴフィリア(臀部性愛)
- 臀部(尻)への性的嗜好。パイゴフィリアとも言う。英語:Pygophilia
- ファット・フェティシズム(肥満性愛)
- 脂肪や肥満体形への性的嗜好。英語:Fat fetishism
- ファロフィリア(巨根性愛)
- 大きな男性器や性機能の高い男性への性的嗜好。「ファルス(英語:Phallus)」信仰としても知られる。英語:Phallophilia
- フォレスキン・フェティシズム(包皮性愛)
- 男性器の亀頭や女性器の陰核などを包む包皮への性的嗜好。英語:Foreskin fetishism
- フート・フェティシズム(脚部性愛)
- 太股やふくらはぎ(腓腹筋)など脚(足)への性的嗜好。ポドフィリアとも言う。英語: Foot fetishism または Podophilia
- ブレスト・フェティシズム(胸部性愛)
- 乳房や乳首への性的嗜好。本来は形状に関係なく、胸部全般への嗜好を指す。ただし、一般的にはサイズによって区分されることも多い。大きい乳房への嗜好は「マモフィリア(英語:Mammophilia)」と言い、「巨乳フェティシズム(巨乳フェチ)」などとも呼ばれる。小さい乳房への嗜好は「貧乳フェティシズム(貧乳フェチ)」などと呼ばれる。英語:Breast fetishism
- メイシオフェリア(妊婦性愛)
- 妊婦や妊娠への性的嗜好。メイユーシオフィリアやプレグナンシー・フェティシズムとも言う。英語:Maiesiophilia または Maieusiophilia、Pregnancy fetishism
- メノフィリア(月経性愛)
- 月経(生理)への性的嗜好。英語:Menophilia
- ラクトフィリア(母乳性愛)
- 母乳や授乳行為への性的嗜好。ラクタフィリアやガラクトフィリアとも言う。広義には「エロティック・ラクテーション(英語:Erotic lactation)」に含まれる。英語:Lactophilia または Lactaphilia、Galactophilia
- ライヒェンシェンドゥング(屍姦症)
- 死体との性交への性的嗜好。