女性社長が経済の中心で活躍し日本が変わるとき | 近藤昇ブログ 仕事は自分で創れ!

近藤昇ブログ 仕事は自分で創れ!

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

 

 

社長は個性的な人が実に多い。

これは老若男女皆一様にそう思う。

また私も含めて変わり者も多いのも事実だ。

 

そして、男性が圧倒的に多い世界でもある。


東京商工リサーチの2019年の調査によると、女性社長はここ数年は増加傾向にあり5年で1.5倍になったとある。

2015年に施行された女性活躍推進法や政府が提唱する1億総活躍社会の実現に向けた活動が寄与していると思われる。

しかし、それでも女性社長率は13.4%で相変わらず低い。半分とは言わないが少な過ぎる。

 

私は仕事で女性社長との付き合いが比較的多いと思う。私の運営する出版会社でも多くの女性社長の本を出版してきた。







率直にもっと女性社長が日本で増えてほしいと常々思っている。


正直、慎重で堅実な方が多いが、これからの時代にマッチしていると感じる。


女性社長の特徴を一言でいうと。

良い意味でガツガツしていない。


対照的に男性社長はガツガツしているのが代名詞ではと思う。(もちろん例外の人もいるが)

本能的にそういう生き物だから別に悪い意味だけではないが、時代は変わった。

経営環境も激変している。今回のコロナ危機で変革後の次のステージも見えてきた。

 

今はビジネスの前提に“地球との調和”が必要になる時代である。

今話題のSDGs一つ見ても、社会的貢献と経済的価値の両立が基本だ。

 



未だに、メディアやベンチャーの躍進を支援、応援する世界では、とにかく大きな事業、スピーディーな成長を称賛する。

そうでなくても、今までの経済メカニズムの中で、いかに儲けるかを先行しすぎてきた。地球が破壊されようが関係ないようにも思える企業も多くある。


女性社長が利益を追求していないという事ではないが、常に地に足がついて身近な生活環境の変化や困りごとに敏感で、当事者としての苦労も経験している。

事業が例え小さな単位であったとしても、それはマクロでみれば、日本が抱える全体の課題に焦点が当たっていることが多い。少子化しかり高齢化しかり。健康や教育についても女性のほうが多様な現実の課題をよく分かっている。

このコロナ危機でもそのことがさらに明白になったと思う。

 

男性社長はとにかく夢を追っかける。

私も創業時はまったくそうだった。

先だけを見る。

できるだけ広く見る。

大きなことを言う。

世界に出たがる。

その分、今の時代に大事な足元が見えていないことが多いと思う。


大きい小さいではなくロマンと言いながら突っ走る。

それが、どうも時代に合わなくなってきたと思う。

 

日本のような先進国では既に世界的にも一流の大企業があり、まだ今の経済メカニズムの世界では主役である。大企業のCEOを務めるような女性も欧米にはいるが日本では大企業の経営者に女性は皆無だ。

 

先ほど男性はガツガツしていると書いたが、この意味は実は多様である。

本当に会社経営をお金儲けの手段としか考えてない社長もいるし、社会貢献のために情熱的な社長もいる。ゲーム感覚の社長までいる。


でもやっぱり男性はガツガツしていると思う。

特にIT系や金融系に多いと思うが私の偏見だろうか?一攫千金がやりやすそうに見える世界であるのは間違いないと思う。若い起業家がこちらになびく。残念なことである。

 

地球はもうすでに悲鳴をあげている。

地球と人の調和が必要だ。

地球を健全化する事業というのはとても重要であるが、これは残念ながらベンチャー企業の力では部分最適ですら実現は困難だ。

本来は大企業が取り組めば良いのだが従来の経済メカニズムに毒されている。

 


普段女性社長と接していると、とてもスローな感覚になる。やはり地に足がついていると思う。

基本的には女性はでかいことをしようとしない。金儲だけに走らない。

もちろん、経営は稼がないといけないのは当たり前としてである。


言い方を変えると、

女性は守ると言う本能で生きていると思う。

攻めか守りかで言えば、守りの傾斜が強い。

改革と言う意味では攻めが先に浮かぶ。しかし、私が改革と言うのは良いものを壊してまで新しいものを作ってはいけないと考える。

だからこそ良いものは女性が守るのが自然だと思う。


日本のビジネスや経済はとっくに大きな岐路に立たされている。これは世界も同じである。守るべきものは守る。例え経済的価値を犠牲にしても。そんな時に女性の生活目線で、できる範囲で経営を行って社会に貢献し収益を上げると言うスタンスがクローズアップされる時代なのである。

日本は待ったなしで高齢化や地方の活性化など小さな単位での新しい取り組みや改善が必要なのである。

 

女性社長が一気に多くなれば社会は変わると思う反面、日本では簡単には実現しそうにない。


あまりにも有名な話だが、昨年の12月に世界経済フォーラム(WEF)が発表したジェンダー・ギッャプ指数で日本はなんと121位だ。

この指標は、ジェンダー間の経済的参加度及び機会、教育達成度、健康と生存、政治的エンパワーメントの4つからなっている。詳しくはネットなどで見ていただければと思うが、項目だけで日本が下位なのは想像できると思う。


ちなみに、私の会社のアフリカの拠点があるルワンダ🇷🇼は9位である。




もちろん、単純に比較できるものでもなく、背景にある事の考慮も必要なケースはあるが、少なくとも新興国のこれからの発展には女性が寄与する機会は多いと思う。


このジェンダー・ギッャプの現実を改善しないで、女性社長を増やそうというのは無謀だと思う。


 日本では、やはり暮らしの中心であり、子供の教育には女性の存在は欠かせないことなどを考えると、男女ともに働き方や役割を根底から考え直す時代に来ている来ていると思う。


企業が女性の考え方や問題意識や改善のアイデアなどをもっともっと活用する。大企業も中小企業も女性の知恵や生活体験を経営に取り入れてビジネスの思考回路や仕組みを再構築することであると思う。

そうすると必然的に、子育て中であっても介護中であっても、時間ではなく付加価値での貢献も可能になる。そんな経験を積みながら一定割合で社長にチャレンジする人が出てくる下地ができるのではと思う。


創業時から女性活躍社会を応援して来た。今後はBナビオンサービスなども活用して、更なるパワーアップを目指したいと思う。