日本を救えなかった日本人と救った日本人。防災の日に因んで。 | 世に棲む日々。(教育講演、研修、相談)

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本日九月一日は防災の日。


防災の日は昭和35(1960)年6月17日に閣議了解を経て制定された。

大正12年(1923)9月1日の関東大震災に因み創設された事は皆さんよくご存知。


制定時の閣議内容を見ると


「政府地方公共団体等関係諸機関をはじめ、広く国民が台風高潮、津波、地震等の災害についての認識を深めこれに対処する心構えを準備するため、「防災の日」を創設する」とある。


そこには豪雨という文字は無い。当時の気候から台風でも無いのに豪雨で甚大な災害が起こるという認識が無かった事がうかがえる。


当時では起こり得なかったが、ここ数年(2017年九州北部豪雨災害以降)線状降水帯による猛烈な降雨による甚大な被害が続いている。


災害の種が一つ増えた日本列島。

にも関わらずお役所の仕事は旧態以前だと感じてしまう事もある。勿論、昨今の災害多発を受けて

(地震、津波、風水、火山、雪)各自治体において防災計画の策定作業に入ってはいるのだがお役所仕事に心配の種は尽きない。


地区防災会議での事


地区防災について防災計画の策定、避難所運営マニュアルの策定に参加していた時の事、行政や行政が連れてきたアドバイザーが提示する青写真には地震に対する対応を主軸として書かれていた。地元の八尾市の高安地区は土砂災害警戒区域多数存在するのだが、その事に重きを置いたアドバイスとは到底考えられないものだった。


頭の中が昭和35年の防災の日の創設時と同じで豪雨による風水害が念頭に無い。勿論、住民側の指摘で風水害と地震を想定したものに策定し直したが、高いコンサル料を払ってのアドバイザーなど意味をなさない為体、住民の命を守るとの文言は踊るがこれでは住民を守れないと中身をみて残念に思う現実がそこにある。


「津波防災の日」は11月5日なのはご存知?


防災の日は9月1日だが、「津波防災の日」は嘉永七(安政元年)年11月5日(1854)に起きた安政南海地震による津波と「稲むらの火」の物語に由来し、2011年6月17日東日本大震災後に津波対策推進法と共に創設された。


安政南海地震と「稲むらの火」とは?


江戸時代末、安政南海地震は紀伊国広村(和歌山県有田郡広川町)を襲った大津波を濱口儀兵衛が大切な稲むら(稲のたば)を焼き、暗闇の中、津波に流されたり、避難場所を求める村人に安全な場所を示したと言う史実を小泉八雲が物語にしたもので、物語では主人公、五兵衛が村祭りの準備で津波に気づかない村人達に稲むら(稲の束)を焼き、火事だと思った村人達が五兵衛の家に集まり津波の難を逃れたと言う話。


実際の濱口儀兵衛さんは津波後に将来の津波を憂慮し私財を投じて防潮堤を築造した。この防潮堤により昭和の東南海地震、南海地震の際には広川町の中心部は津波の被害を免れた。当時のリーダーが如何に後世の子孫や世の中に対しての強い責任感と郷土愛を持っていたかが伺える。


この物語や史実は広川町の「稲むらの火の館」に詳しくあり、堤防は「広村堤防」として百世の安堵と題して日本遺産に認定されている。





津波対策推進法は震災前年に議員立法提出されていた。


2011.3.11の東日本大震災では多くの津波による犠牲者が出たが、実は前年の2010年にチリ地震がおこり、大半の犠牲者が津波によるものであった事を受け、当時野党の自民党の二階氏を中心に6月11日に国会に提出されたが民主党が消極的であったために本格審議されず、成立する事が出来なかった。もし、この時民主党が積極的に審議し、成立していれば2010年11月5日は津波防災の日として全国で津波防災避難訓練が行われたいたはずなのだが。


津波の歴史を軽視した戦後日本の教育界。


稲むらの火の物語は実は戦前の1937年から7年間国語教科書に掲載されてきた。これは、戦前の教育が地震大国の日本人なら知っておかねばならない津波に対する防災意識の向上と日本人の世を思う豊かで社会貢献に満ちた歴史文化を大切にしてきた事を如実に物語っている。


戦後の自虐史観教育は、郷土の歴史風土を大切にし、後世を思いやり、公の精神に富む日本文化が自ずと日本人を災害から守ってきた事実から目を逸らし、知らず知らず防災意識や防災教育の矮小化をひこ起こしてしまった事と無縁では無い。


こんな事もありました、2005年の東アジア諸国連合(ASEAN)での会議で(前年のスマトラ沖地震での津波被害を受けての会議)時の小泉首相がシンガポールの首相に質問されたおりの事。


「日本では小学校の教科書に『稲むらの火』という話があり、子どもの頃から津波の対策を教えていると聞くとが本当ですか?」


小泉首相は昭和17年生まれだか戦後教育を受けた世代なので知らず、文科省に照会しても誰も知らなかったとの事。おそらく戦前戦中の日本統治時代に日本の教育を受けた東南アジア諸国の人達の中に必要な教育として語り継がれたものが、日本では戦前の教育というただそれだけで跡形もなく抹殺した戦後教育の一例を見ることができる。


その結果、ASEANの会議で話題になった「稲むらの火」の逸話が元となり、11月5日は『世界津波の日』と国連総会で全会一致で決められたことも日本人で知る人も少ない。


防災の日は防災意識を高める日。

皆さんもお時間のある時は、コロナ対策を万全に和歌山県広川町にある稲むらの火の館と広村の堤防を見学してみて下さい。


小泉八雲ことラフカディオ・ハーンが、世界が、崇敬する日本の郷土を大切にする心、後世を思いやる公の精神、日本文化、日本人の防災意識を感じる事ができるはずです。


日本人を救った日本人の心がそこにあります。










こんだ直人教育研究所

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