バルトリン腺炎と性交痛


鳥取のイヌイ薬局で食事や漢方のお薬やスキンケアで、アトピー性皮膚炎の根本的な改善のお手伝いをしているアトピー性皮膚炎アドバイザーのコナン(conan)こと乾(いぬい)です。
私たちのイヌイ薬局(http://www.karada-no-nayami.com/)には毎年1000件以上のアトピーの方が相談に来局されますが、その相談のなかで気がついたことを、このブログで詳しくお伝えしていますが、今日は「性交痛」についてお伝えします。

・「性交痛」の原因「バルトリン腺炎」って

最近、「性交痛」の相談が多いようです。とりわけ
「バルトリン腺炎」
の相談が多くなりました。
「バルトリン腺」は聞きなれないことばだとおもいますが、女性特有の分泌器官で「バルトリン腺液」を分泌することで膣の分泌液とともに性交時の潤滑油となる、女性にとっては大切な分泌器官です。
「バルトリン腺炎」はこの「バルトリン腺」が細菌感染などによって炎症をおこして発症しますが、ひどくなると膿を持つため嚢種となりピンポン玉のように膨れ上がることもあります。ひどくなれば「性交痛」はもちろん歩行時にも摩擦によって激しい痛みを伴います。

「バルトリン腺炎」について詳しく知りたい方は

・女性の深刻な悩み・・・バルトリン腺炎

なかには、まだ未婚の女子学生の相談もあってお父さん世代としては少し(?)想定外の部分もありますが、「性交痛」や「バルトリン腺炎」に悩む女性のつらさはとても深刻です。
「性交痛」の原因として多かったのは「(子宮)腺筋症」ですが、最近は「バルトリン腺炎」が原因の相談もめだつようになりました。
原因がいづれにしても、「性交痛」は女性にとって特に周産期にある女性にとっては深刻な悩みで、考えるだけでも「うつ病」になるという方も見受けられるほど、肉体的な「痛み」だけでなく精神的な「痛み」も同じくらいつらいようです。
最近の20代学生のAさんの場合も相当につらかったようです。Aさんの場合、お腹が弱く下痢を繰り返す割には冷たい飲み物を頻繁に摂取されていました。
下痢を繰り返すためにいわゆる免疫力が低下することで、「バルトリン腺炎」を発症してしまったようです。そして、血液の量も質も十分にはほど遠く、したの色は紫で一見してわかるほど血流が悪いため「子宮腺筋症」も併発していました。
痛みを感じるようになってから、数か月悩んでの来局だったので「痛み」はかなりの激痛だったらしく将来を約束している方との仲良しも憂鬱で仕方ないといつも困惑した表情でした。
さっそく、「バルトリン腺炎」の改善を目標に炎症を治める竜胆草などを中心とした漢方薬を中心にお手当をしてほどなく「激痛」は治まったようですが、再発をくりかえしていました。そして、再発すると「本当に完治できるの?」と不安を口に出すようになりました。

・「バルトリン腺腺」と漢方

やはり、下痢の体質を改善しないと免疫が低下するたびに再発してしいる様子なので胃腸のお薬と炎症を抑えるおくすりを合わせてようやく劇痛の発症がなかうってゆきました。

あとは、彼女の場合子宮腺筋症がまだ少し残っているので胃腸をまもりながら血流を改善することで腺筋症の痛みも軽減しています。大学を卒業後の結婚、妊娠むけて確実な改善も実感できて、今のところ精神的にもおちついていてだいている様子です。

やはり、「痛み」で手ごわいのは精神的な不安が付きまとうことで、「腰痛」や「ひざ痛」、「ガン」などでも同じ状況なので、まず「痛み」の緩和を目指します。
中医学の基本的な考えとして
「治病必求于本」
=病気は必ずその本質的な原因を治して
「急則治其標、緩則治其本」
=急性症状を優先的に緩和して、根本的な治療はゆっくり行う
という原則があります。
「バルトリン腺炎」なども感染しない人と感染してしまう人がいるのは、必ず「免疫の低下」や「性行為を行う環境」などの原因があるので、そこをキチンと解決しておくことが大切です。AさAさんの場合は、慢性的な下痢による免疫の低下が主だったので胃腸の手当が完全になるまで再発を繰り返しました。
「バルトリン腺炎」の西洋医学での対処としては
1抗生剤、消炎剤など薬物による手当
2切開によって膿を掻きだす
3バルトリン腺の切除
などの方法によりますが、1や2の解決方法だと疲労やストレスで体力が低下した時などに再発してしまいます。いずれにしても、再発の防止には漢方などによって「免疫力」をあげるなどの体質改善が必要です。3の「バルトリン腺」の切除では再発が防げますが、性交時に潤滑液が分泌されにくいため「性交痛」の自発的な改善は不可能なことが多いでしょう。
「バルトリン腺炎」に限らず、再発を繰り返す場合は、中医学による漢方薬、食事養生、生活習慣などの体質改善を考えましょう。