こんばんは、
 鳥取県にあるイヌイ薬局でアトピー性皮膚炎アドバイザーの乾(いぬい)です。
アトピー性皮膚炎などの皮膚トラブルを原因から考えて、食事や漢方のお薬,スキンケアで完全な改善を目指しています。
私の薬局には毎年1000件以上のアトピーに悩む方が相談に来られます。が、その相談のなかで気がついたことを、このブログで詳しくお伝えします。


 先週、中医学を研鑚普及する団体の日本中医薬研究会の全国大会がシルバーウィークの9月20日21日と神戸ポートピアホテルで行われました。
私も、マーケティング担当の理事として参加させていただき、3人の漢方相談薬局のカウンセラーのみなさんとのパネルディスカッションのMCとしてお話を伺いました。そのお話のなかで、カウンセリングについて気がついたことは、
「花は観手に咲く」
ということです。
マーケティングコンサルタントの藤村正宏先生によれば
「花は観手に咲く。」
というのは能の世界の大家で世阿弥の有名なお言葉で、能の世界で、観客が素晴らしく感動することを「花」としているのですが、その舞台が素晴らしいと思うのは能を舞っている役者が決めることではなくて、能を観ている観客がきめることという意味。
今回のディスカッション思い出したのがこの言葉。こころとからだの悩みを解決する漢方や健康相談のカウンセリングの世界でも全くおなじように
「花は観手に咲く。」
ということ。



なぜなら
カウンセラーに相談に来られる方の関心は「自分のこころや身体の悩み。」のこと。カウンセリングを行うカウンセラーがどんなに豊富な知識を持っていてもどんなにすばらしい技術を持っていても、薦められたお薬やハーブがどんなに効果的であっても大切なことは、相談に来られた方のこころとからだの悩みが改善できると納得できるかどうかということ。


たとえば
アトピーでお悩みの方であれば、
何故自分だけアトピーになってしまうの?

適齢期の女性であれば
結婚できるだろうか?
とか

周産期の女性なら
アトピーが遺伝しないだろうか?

アトピージプシーのお母さんなら
お子さんのアトピーがいつなおるだろうか?

などの自分や家族のからだやこころの悩みの原因や改善方法についてのみ知りたいハズです。そして、それが現実に経済面や物理的な時間や食事の好みなどのなかで実行できるものかどうかを知りたいハズです。

もしも、
カウンセラーに圧倒的な中医学の知識があったとしても、専門的でわからなかったり、改善のためのおくすりやハーブなどが法外に高かったり、食品添加物や防腐剤、界面活性剤などを完璧に避けるなどストイックすぎたりでは、現実的にカウンセリングの意味がないでしょう。
相談される方々の
「こころとからだの悩み」や
職業や地位などの「生活環境」
ひとりひとりの「趣味や嗜好」
などにあわせた対処方法治療方針でなければ意味がありません。


ですから
よく、カウンセリングの基本として
lisrten Before Speak!(しゃべる前に効きなさい。)
と言われますが、まず患者さんの意向や好み、決意のほどを含めて必要なことを聞き出すことが必要です。
そして、それぞれの患者さんの体質や症状にあわせた治療方針や改善の方法を提案するのは勿論、好みや能力やガマンの限界、などを詳しく聞き出してお伝えすることが大切。
決して、自分の豊富な知識や一般的な経験をお話しても熱く伝わることはないでしょう。
アトピー性皮膚炎も9割くらいの方は完全にきれいな肌に戻ることが可能ですが、まずひとりひとりに合わせたお手当、しかも毎日自分のお肌をみるのが楽しくなるようなお手当を提案できた時
「花が観手に咲く。」
でしょう。

まとめ
 一口に、アトピー性皮膚炎といっても原因や症状は千差万別です。また、おひとりひとりができるお手当も十人十色でしょう。アトピーの改善にむけたお手当もひとりひとりに個性に合わせお手当を提案して、あなたを楽しませてくれるだから
「花は観手に咲く。」
ように創意工夫をこらしてくれるカウンセラーを見つけましょう。





花は観手に咲く