これまでいただいた相談の経験から、アトピーや湿疹などの皮膚炎は、
漢方のおくすり
食事の養生
スキンケア
の3つのポイントでほとんど改善できます。
アトピーや湿疹なんどの皮膚炎の方々に避けていただきたい食べ物もありますが、あれもダメ
これもダメでは食べるものが無いような錯覚に落ちてしまわれる方も多く思考も暗くなるのでので、まずはじめに積極的に食べていただきたい食材をお伝えしてゆきます。
これからの時期は、かぼちゃのおいしい季節ですので今回は、日本を代表するお料理研究家の辰巳芳子先生のレシピから「かぼちゃのポタージュスープ」について中医学的な見方から説明します。
薬膳で考える「かぼちゃのポタージュスープ」
はじめに、かぼちゃ=南瓜を中医学的で考えると、食材の持つ特徴を
四気五味(シキゴミ)=4つの食材の性質と五つの味
で分類して考えます。
また、食材が作用する臓器や身体の部位を帰経(キケイ)と言います。
食材の正確を表す四気(シキ)は
熱、温、涼、寒
の4つで、四気(シキ)の意味は文字のとうりその食材を食べると、
熱 は身体が熱くなる食材で唐辛子やシナモン、羊肉など温める程度が一番強い食材です。
温 は身体を温める食材で生姜やネギやかぼちゃ、鶏肉など穏やかにあたためてくれる食材です。
涼 は身体を冷ましてくれる食材で冬瓜、豆腐、レンコンなど穏やかに身体を冷ましてくれる食材です。
寒 は身体を冷やしてくれる食材でにがうり、緑豆、スイカなど身体を冷やす程度が一番強い食材です。
これら熱、温、涼、寒の四つの性質以外に、
「平(ヘイ)」は冷ますことも温めることもない、ゴマ、玄米、たまごなどのように中庸の性質の食材
を考えて「五気(ゴキ)」=食材の5つの性質と言います。
また、食材の味は五味(ゴミ)といって
酸(すっぱい)苦(にがい)甘(あまい)辛(からい)鹹(しおからい)
の5つ」の味にわけますが、それぞれの味は意味をもっていて
酸(すっぱい)味は収斂の性質があって、筋肉や毛穴を引き締め汗や尿漏れを防ぎます。
苦(にがい)味は冷ます性質があって、身体の熱を冷ましたり乾燥させ炎症やほてりを鎮めます。
甘(あまい)味は緩める作用があって、身体の疲れをとったり気を落ち着けてホッとします。
辛(からい)味は身体を温めたり、発汗させる性質があり血行も良くなります。
鹹(しおからい)味は、堅いものを柔らかくしてしこりなどを散らす性質があります。
また、食材が身体のどの臓腑や部位に影響があるかを示すのが帰経(キケイ)と言っていますが、ひとつの食材でひとつの帰経の場合もありますが、いくつも帰経があるものもたくさんあります。帰経(キケイ)は一般的に味から予測できて、酸味は肝、苦味は心、甘味は脾、辛味は肺、鹹味は腎に入りやすいとされ、適度にその味を用いるとその臓器の働きを補うとされます。
今日は辰巳芳子先生の「かぼちゃのポタージュ」を例に考えてみましょう。
辰巳芳子先生のレシピから かぼちゃのポタージュスープ
かぼちゃ=南瓜は、薬膳の基本の中医学では
四気は「温」なので身体を穏やかにあたためてくれる性質で
五味は「甘」なので身体をゆるめリラックスの傾向があります。
帰経(キケイ)は脾胃なので
おもに、身体をあたため消化器系をたすける食材と言えます。
大体「甘い」食材、「黄色い」食材は脾胃=消化器を助ける方向に向かいます。
そして、中医学では季節の変わり目のことを土用(ドヨウ)といいますが、土用には胃腸の調子が乱れやすくなると考えています。ちょうど冬至から1月5日の小寒(ショウカン)までは、胃腸がよわりやすくなるので以下に紹介する「かぼちゃのスープ」がおすすめです。
辰巳先生のレシピは
まず材料として
かぼちゃ(種子、さな含む)500g
タマネギ 150g
トマト 100g
チキンブイヨン 6カップ
牛乳または生クリーム 1~2カップ
塩 小さじ2
ローリエ 1~2枚
オリーブ油 大さじ3
です。
作り方
1 カボチャの種子とさなを分量外のブイヨンまたは水で炊く。
2 タマネギは2ミリの薄切りとして、カボチャは皮をそいで7ミリのくし型に、
トマトは皮と種を除きみじん切りに
3 冷たい鍋にオリーブ油を入れ、タマネギをなじませ、ローリエを加えて蒸らしいため
よかったら、「かぼちゃ=南瓜」の食材の性質を思い出しながら食していただくと、より身体が温まって消化器系も丈夫になります。
でも、お正月はくれぐれも食べ過ぎにはご注意ください
4 タマネギが透明になったら、カボチャ、トマトを蒸らしいためして
5 ブイヨンの半量と1の種を除いたスープを注ぎ加え、塩を半量加えて炊く
6 あら熱を取ってミキサーにかけ、漉す
7 牛乳、ブイヨン、塩を加え濃度、味を整える