團員の品格【4】 | 甲南大學應援團OB会のブログ「雲外蒼天」

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甲南大学応援団再建物語
~黄霧四塞すと雖も、上に蒼天なきに非ず~

團員個々のマナーについては、苦い思い出があるテーブルマナーから着手致しました。
「お前ら、今日は箸を使ってはならん。ナイフとフォークで完食するんや」
と後輩何名かをリーズナブルな洋食屋に連れて行き、唐突にそんな指示を出します。こればかりはその者の生い立ちが大きく左右しますので、すんなりとフォークとナイフを手に取り、食べ始める者もいれば、「押忍、いただきます!」と言ってからもしばらくは手を付けず、隣の團員が食べる様を盗み見しながら恐る恐る食べる者、人それぞれであります。


指示を出した本人も、阪急岡本駅付近にあったパスタ店「サンタマリア」では「箸のオッサン」と蔭で言われていた程、普段は箸しか使わず、と言うよりは使えない有様でしたので、密かにこの日の為に練習をしていた位でありますので、後輩への指導などは無理な状況であります。ちなみに「サンタマリア」は、この箸のオッサンの余りにもガサツな振る舞いにより以降、應援團は出入り禁止になるという歴史がございます。この一事にて当時の團風が推して知る事が出来る訳であります。


そんな顔ぶれが一つテーブルで肉と悪戦苦闘する様は異様な光景でありまして、特に下級生は上級生より早く食べねばならぬものの、慣れぬナイフ、フォークに手間取り、気は焦り力が入る訳でございます。ナイフに伝わる力、フォークに伝わる力が微妙に作用し皿を少しずつ動かしている事に気付かず、最後の一切りとばかりに渾身の力を込めたところ、ガッシャーン。

トーストを作法通り流麗に食べれる日は遥か彼方に遠のいていったのであります。


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