よくよく思い出してみれば、お付きの下級生團員も幹部程は流麗ではないにせよ同じ様に食べておりましたので、その幹部固有の食べ方ではなく、團としてマナー教育を施していると考えるのが妥当でありましょう。パンの食べ方まで外に出して恥ずかしない様に教育なされている訳ですから、その團の教育の戦慄すら覚えたものであります。
途端に自らもお付きの下級生も丸呑みせん勢いでトーストに噛り付いていた場面が思い出され、赤面致します。「今のままでは我が團の品格が疑われる」と危機感を募らせる幹部氏でありました。
應援團に所属致しておりますと、冠婚葬祭に招かれたり夜のネオン街に連れ出されたり、はたまた社会を構成する実に多種多様な方々と接する機会が多くなり、世間ずれしてしまう傾向にあります。また当の團員本人もまんざらではなく、他クラブに所属しているよりも早く深く大人になった様な気がしたりしておりました。
そういう自我がある故に、例えば葬儀に参列した折に知らず知らずのうちに不調法をし、周囲からは「まだ学生さんだから仕方ないか」と思われるのは、彼らのプライドを著しく傷つける訳でありまして、過日の他團幹部の立ち居振る舞いを思い出す度、「我が團の教育も見直さんといかん」との思いを強めるのでありました。
甲南大學應援團OB会
八代目甲雄会広報委員会