嗚呼!神農稼業【2】 | 甲南大學應援團OB会のブログ「雲外蒼天」

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甲南大学応援団再建物語
~黄霧四塞すと雖も、上に蒼天なきに非ず~

アルバイトに参りますと、この業界、極めて縦の指揮命令系統ははっきりしておりまして、絶対的なトップの親方がおり、その奥様、姐さんが君臨なさっております。そして番頭さんがいらっしゃいまして、後は横一線と言った感じであります。私共がお世話になっておりましたところは極めて勢力が旺盛でありまして、一つの祭会場でもお店を幾点も出店なさっておられましたので、各店舗の責任者が番頭さんとその他大勢の間に位置しておりました。


私共、アルバイトはこの最末端に位置する訳でありますが、私共の場合、ここの親方が我が團をこの上なく可愛がって下さっておりましたので、親方が連れて来た人達、という事になり、立場は微妙な感じになります。業務の事はズブの素人でありながら、少し気を遣わないといけない、という感じになっているのでございます。

従業員の若手も中学を出たばかりとか、高校を途中で中退したとかという若年層が多うございましたので、いつしか兄ィとか兄貴なぞと呼ばれ、後輩がいない1回生は対処に苦慮したりしておりまして、なかなか面白いものがあります。


従業員の若手の中には小学校の時分から学校も休みがちで、鑑別所や少年院を渡り歩いてきたエリートがゾロゾロおりましたので、さすがに基礎学力に関しては我が團員の方に分がありました。

従業員が姐さんからお使いを頼まれてメモを手渡され、首を傾げながらこちらに近付いて参り「兄貴、ベニ茶って何っすか??」などと質問して参ります。メモを見てみると、お察しの通り紅茶という文字が読めないのであります。他にも竹輪をチクリンと読んで何を買って良いのか途方に暮れる者もおりました。


彼らは見た目もハードな者が多くとっつき難くはありますが、接してみれば気持ちの良い男ばかりで、中には「お前は高校に入り直して甲南に入って何としても應援團に入るんや」とスカウトしてしまう者もおりました。


甲南大學應援團OB会

八代目甲雄会広報委員会