一昨日の「早食い 」の記事を書いた後、弊会会員と話す機会がありました。さすがに應援團引退後はそんな食べ方をしている者はおりませんので、現役当時の食事の時の思い出話を花を咲かせておりました。やはり時の経過と共に忘れている事が多いのでありますが、複数人数で話しておりますと、其々の記憶の断片が明らかになったりしますので、当時の食事風景をありありと思い出しましたので、忘れないうちに書いておこうという非常に私的な趣旨であります。
食事の際、支払いは全てその場にいる最上級生が済ませる事になっており、学食の様なセルフサービスの店では下級生が上級生の給仕を致します。先輩より先に箸を付けてはならない、というのは再三、ご紹介したところでありますが、上級生が全員、食事を始め「お前も食べろ」と言われてもすぐに箸をつけてはならないのであります。
「食べろ」の指示を2度恐縮し3度目でようやく食べてよいとされておりました。聞いたところによれば江戸時代、征夷大将軍の御前では「面を上げい」と言われても3度、言われるまで遠慮していたそうでありますが、その作法を寸借したのでありましょうか、定かな事は分かりません。
日常では上級生の指示は速やかに対応せねばなりませんが、飯を食うとか飲み物を飲むとか上着を脱いでも良いとか、そういう私的な指示に対しては2度は恐縮し固辞するという運用がなされておりました。
斯様な作法がありますので、最上級生が食事を始めて結構な時間が経過してから、ようやく最下級生が食事を始める訳であります。それで最上級生より早く食べねばなりませんので、相当な早さが必要になります。ただ上級生とてほんの前まで同じ事をやっていた訳ですから、本来よりもゆっくりと食べたり、それなりの配慮をする者が多かった様に思います。
甲南大學應援團OB会
八代目甲雄会広報委員会