第8回 求道者 森下暢夫(三十七代目甲南大學應援團副團長)【11】
乱舞というものは手や体の動きを単純に覚えたところで体得したとは申せません。自身で幾度も繰り返し稽古し、自らのものにせねばなりません。團員それぞれ体型や手足の長さも異なる訳でありますので「自分のものにする」という事が極めて重要なのであります。
その点を踏まえ、直接、指南を受けた幹部の中より「流れ拍子」は大島副團長が演ずるところとなり、「撃滅の拍手」は森下副團長が受け継ぎました。
「撃滅の拍手」は我が團ではおそらく最も派手な乱舞であります。若武者が槍を抱いて戦場を所狭しと働く様を表現した乱舞でありますので、ステージをいっぱいに使って右から左、左から右へと目まぐるしく移動致します。
無論、リーダーもかなり体力的にきつい1題でありますが、森下副團長は自主練習を繰り返し、習得した上で早くも春合宿にはリーダー部2回生に伝授を行いました。リーダー部責任者である森下副團長には「乱れ八拍子」を演じる責務がありましたので、早々に後輩達に伝承する必要があった訳であります。
一方「流れ拍子」は何故、伝承が途絶えたのか分からない程、流麗な振り付けでありまして、伝承を受けた大島副團長はこの乱舞に並々ならぬこだわりを持ち、後日、「乱舞の集い」では親衛隊出身でありながら、自らこの「流れ拍子」を披露するに至ります。
甲南大學應援團OB会
八代目甲雄会團史編纂委員会