恐怖のモダン焼き【後編】 | 甲南大學應援團OB会のブログ「雲外蒼天」

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甲南大学応援団再建物語
~黄霧四塞すと雖も、上に蒼天なきに非ず~

親分自身はモダン焼きに目がなく、この焼きそばと一緒に焼くボリューム満点のお好み焼を團員達に薦めます。焼けるまでの間、ビールなどを飲みながら世間話をしたりするものでありますが、見た目とは裏腹に気さくな御仁であられ、緊張もややほぐれて参ります。


團員生活の癖で、親分が煙草に手を伸ばした瞬間に「失礼します!」と凄まじいスピードで火を差し出すたりしますと「ワシの若い衆でもないのに、そんな気遣いは無用や」と仰って下さったりされます。


そうこうしているうちにモダン焼きも焼き上がる訳ですが、行きつけだけあって、提供されるモダン焼きは途方もなく巨大な一品でありまして、その巨大さに目を剥く間もなく、應援團流の行儀作法であるところの「目上の人より先に箸を付けてはならない。しかし先に残さず完食しなければならい」を実践せねばなりません。


結果として一心不乱にモダン焼きを胃に流し込む羽目になる訳ですが、その様子を親分は目を細めて嬉しそうに眺め、時折、ビールを勧めたりされます。ビールとモダン焼きに咽せ、涙目になりながらも猛烈な勢いで完食する我が精鋭。


すると親分は感心した様子で「そうか…、泣くほど美味いか…。よっしゃ、おばちゃん、もう1枚、焼いたってくれ!」と恐ろしいオーダーをされます。絶句するしかない訳でありますが、應援團の辞書に「出来ません」という言葉はありません。果敢に巨大なモダン焼きとの死闘を繰り広げる次第でございます。


最高3枚を平らげた團員もおりましたが、食べ盛りとは言え2枚も食べれば腹がはち切れんばかりになり、解散する時には次に飲みに行こうという気力が残されておりませんでした。


故に1度でもこの経験をした團員は三宮で親分の姿を見つけると、恐れおののきさっと身を隠す習性が自ずと身に付く様になるのでありました。


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