大学における部活動(後編) | 甲南大學應援團OB会のブログ「雲外蒼天」

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甲南大学応援団再建物語
~黄霧四塞すと雖も、上に蒼天なきに非ず~

実に驚くべき事でありますが、スポーツ先進国アメリカ合衆国の大学では、AthleticDepaartment(大学競技スポーツ局)というセクションがあり、専門の職員が置かれております。日本で言うところの体育会各部の運営を統括する組織で、事務、マーケティング、トレーニング、チケット販売と業務内容は多岐に亘っております。

特徴的なのは独自にスポンサーをつけ、チケットやグッズを販売し、それを財源とし職員の給与、選手の遠征費、設備の維持費等を賄っている点でありましょう。財源が豊かな大学ではクリニックまで設置し、選手の健康管理も行っていたりするそうであります。


日本の場合、基本的に各部の運営は学生の自治に任せるというのが建前になっております。故に体育会を統括する機関である体育会本部も各部より選抜のメンバーで運営されております。競技における結果、成績を追求すればアメリカ式の大学が増えていく事が予想されます。既にそういう大学競技スポーツ局的な機構を設けている大学もございます。


ここで根本的な問題に行き当たります。大学スポーツはどういう方向を志向するのか、という問題であります。周囲に何と言われようが、全国から有望な高校生アスリートを手当たり次第に入学させ、各競技で勝ちまくるというの一手でありましょう。実際に近い事を実践している大学も多いのではないでしょうか。

ただこの場合、大学の情宣活動の一種、またはプロないしは実業団スポーツの受け皿に成り下がらざるを得ず、それで良いのかと言う疑問が残りましょう。一方、生涯スポーツ的な要素を追求した場合、競技である以上、優勝劣敗があり、負け続ければモチベーションの維持が困難になりましょう。


我が校の場合、スポーツ推薦制度が一部、運用されておりますが、充分な成果を得ているとは言い難い状況でありますし、かと言って各クラブでコミュニティが活発に形成されている訳でもなく、依然、体育会離れが進んでおります。


いずれにせよ今の中途半端な状況のままでは、今のご時世に体育会の門を叩いた現役学生が気の毒でなりません。各部OB会の支援体制はもとより大学当局よりの明確なビジョン提示が急務かと思われます。


八代目甲南大學應援團OB会広報委員会