リーダー部列伝【7】(6) | 甲南大學應援團OB会のブログ「雲外蒼天」

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甲南大学応援団再建物語
~黄霧四塞すと雖も、上に蒼天なきに非ず~

第7回 孤塁 中村昭則(三十五代目甲南大學應援團團長)【6】


2回生になった中村團長は「乱舞の集い」で「茅渟の舞」「数え歌」の2題を任され、見事、演じきります。「数え歌」は別称「タコ踊り」と呼ばれる我が團の名物的な演目でありまして、剛直な型が多い我が團にあって唯一、観客の笑いを誘う演目でもあります。


名の通り体をタコの様にクネクネとさせながら乱れ舞う演目でございますが、振りの型が全て決まっている訳ではございません。勿論、決まっている箇所もございますが、後は基本形が幾つかあり、それをリーダーが自由に組み合わせ、自らの演目を構成する訳でございます。故に過去48代に亘って(いつ頃、成立した演目なのか明確な資料がありませんので)40数名の数え歌のリーダーがいた計算になりますが、そこには40数種類の数え歌があったと言える事が出来ましょう。


年代によっては親衛隊隊長を始めとする幹部によってリーダーが務められた時期があった程、我が團にとっては重要な演目であったと言えます。その後、團員数の減少により巧みに演じられるリーダー部下級生がリーダーを務めるスタイルが一般的になりました。


以前、Youtube にもアップ致したタコ踊りは一般的なスタイルのものですが、リーダーによっては往年の横山ノックばりのタコ顔を舞う者がいたり、バックで大声を張り上げて歌っている團員にリーダーがタッチするとリーダーが増殖したりと、かなり趣向を凝らしておりました。この演目だけは舞台で行った場合、どれほど観客の笑いを誘うかが出来栄えの良し悪しの基準となっておりました。

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中村團長のタコ踊りは少なくとも平成ではNO1の出来栄えであります。ざっくばらんに申しますと猥褻でコミカルな腰の動きは余人に真似出来ないリーダー部ならではのリーダーでございました。観客はもとよりバックの團員、舞台の袖で控えている團員もついプッと吹き出す事も再々でありました。


以降、タコ踊りは「中村流」とも呼ぶべきスタイルを踏襲する傾向にありますが、遂に始祖を越える者は現れる事はございませんでした。


八代目甲南大學應援團OB会團史編纂委員会