第5回 甲南魂 芹生長門(三十二代目甲南大學應援團リーダー部長)【中編】
通常、應援團1回生は入團した後、夏合宿で各人の適性を見られます。1回生全員が團旗を持つ練習をしたり、野球の応援と呼ばれる応援のリーダーの型を学びます。野球の応援には実際に応援時に行う型もありますし、一二三拍子と呼ばれる乱舞の基礎とも言うべき型もありまして、これの出来栄えから、リーダー部候補生が絞られてくる訳であります。
ところが芹生リーダー部長が1回生の時には、実際に乱舞を指導できる者が幹部しかおりません。故に翌年になりますと指導者の問題が発生する訳でありまして、1回生ながら実際の乱舞の指導を受ける事になるのであります。
幸いにも32代目にはリーダー部候補が2名おりましたので、演目を手分けして覚える事が出来たものの、1回生には重責であったと言わざるを得ません。しかし教える方も教わる方も、ここで伝統の乱舞を消滅させてなるものか、との使命感に燃え、結果的にはやり遂げた訳ですから、その功績は誠に大と言えましょう。
2回生になりますと「乱舞の集い」で「茅渟の舞」「数え歌」のリーダーを務め、3回生には「應援歌」「乱れ八拍子」といった本来はリーダー部長が演ずるべき演目のリーダーを務めるに至ります。
かくして三十二代目甲南大學應援團が昭和60年12月に発足するにあたりリーダー部長を拝命するに至る次第でございます。
八代目甲南大學應援團OB会團史編纂委員会