応援会場、或いは乱舞際会場では様々な音が発されます。相手を圧倒し、味方を鼓舞する事が目的でありますので、とにかく大音量であればある程、良いとされておりまして、太鼓、手を叩く音、吹奏楽部の楽器の音、様々な音がありますが、やはり應援團の基本は声であります。
地声が大きいという者も確かにおりますが、團員の大声は練習の賜物以外の何物でもありません。野球の応援ですと2~3時間、乱舞際でも2時間程度、声を出し続けねばなりません。鍛錬なくして、継続して大声を出し続ける事はまず不可能でありましょう。
故に我が應援團の練習におきまして、発声練習は欠かせません。日によって筋力強化であったり応援や演武の型の稽古であったり、内容は異なりますが、練習の開始は発声練習から始まる事は変わりありません。腕立て伏せや腹筋運動の際もずっと声を出し続けます。
さて、意外と申しますか当然と申しますか、どの程度、自分達の声が出ているものか、これは実感がないものであります。自らの力量を知る事は極めて大事な事でありますので、考案された練習方法が対面式発声練習であります。
【團室前】
岡本キャンパスのほぼ中央にありました旧2号館屋上とキャンパスのほぼ西端にございます團室とに分かれ、発声を行うのであります。2号館組は屋上の西端に一列に並び発声を行い、然る後、、團室組が2号館に向かって声を発するのであります。
2号館屋上は8Fの位置、團室は3Fの位置にありますので、高低差があり、2号館組が有利なのでありますが、意外に声が届かない事を思い知らされます。「こら!○○!お前の声は聞こえんぞ!」と彼方から叱責する先輩の声はしっかりと聞こえますので、さすが先輩と見直す瞬間でもございます。
練習中は無我夢中で周囲を見る余裕などございませんでしたが、改めて考えますに、昼休みに声の砲火が行き交う中を歩く一般学生諸氏の目にはさぞ奇異に映ったであろうと思われます。
八代目甲南大學應援團OB会広報委員会