最近、執筆したネタを読み返したりしている中で思い出す事、書き足りないと感じる事があり、続編を改めて書くケースが増えております。多少のドタバタ感がありますが、これもブログの醍醐味とご容赦賜ります様、お願い申し上げます。
さて、先日、執筆させて頂いた「伝承」 の続編であります。伝承すべき演武や乱舞の数や1題の長さは大学により千差万別であります。我が團で申せば乱舞ならば
甲南の舞
茅渟の舞
流れ拍子
撃滅の拍手
甲南囃子
乱れ八拍子
甲勝健舞
の7題がありますが、先日、ご紹介した様にこのうち1題の伝承が途切れております。我が校の乱舞は紆余曲折を経て、最終的には完全に舞台用として構成されておりましたので、他校の乱舞と比較すると1題が非常に長いのが特徴的であります。最も長い乱れ八拍子は25分程度を要しますので、演じる者も観る者も演技終了後は疲れる訳でございます。これらを一人で伝承した團員がいるのですから、その労苦は偲ぶに余りあります。
以前にも書かせて頂いた通り我が應援團には監督・コーチ制度がなく、演武・乱舞、応援の型も全て上級生から下級生へ伝えてゆくしか方法がありません。故に上級生が誤って教えたり、下級生が誤って覚えたり、使用頻度が低い演目を伝承し忘れたり、等という事態がありますと、忽ちその演目は消滅の危機に瀕する訳であります。
幸いにも昭和60年代以降、乱舞の集いの模様をビデオ撮影する様になり、それ以降については映像から型の復元は出来る様になりました。ただ1方向のアングルからの撮影ですので、細かい点まではなかなかビデオでは分かりません。最終的には実際に演じた者からの指導が必要になりますが、ビデオがない時代に比べれば遥かに楽になったと言えましよう。
そういう意味では型の伝承は昔に比べると随分と楽になる筈ですが、意外とこの伝承を行っている過程で、教えて頂いている先輩のその演目に対する密かなこだわりや愛着を垣間見る事が出来たり、長い時間をかけての伝承にもそれなりの意義があった様に感じます。合理性を追求し過ぎるのも考えものかと思う今日この頃であります。
八代目甲南大學應援團OB会
広報委員会