本山村怪々奇團【77】 | 大学應援團に関する考察を支援するブログ

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かつて地方都市に実在した應援團の赤裸々な日常を通じ、大学應援團とは何を考えるブログです。

第77話 白い虚像【3】

 

さて、団員が急性アルコール中毒で入院という事態となりますと、翌日、団員の入院先に同期が迎えに行く事になる訳ですが、一つには多くの場合、入院団員が保険証と入院代を持っていない事が多くそれらを届ける目的があるのと、後は当日が通常の営業日であれば昼休みの練習に来れる状態であるかどうか見極める目的がございます。入院とは言え所詮はアルコール、練習で汗を流せば忽ち全快する、という考えの上級生がどの時代にもいる訳であります。



病院を訪れる団員ですが、少し知恵の回る者であれば必ず手にクッキーだとかケーキだとかの手土産を持って行くものでありました。病院に到着すると目的の階のナースステーションに行き

「甲南大學應援團の●●です。〇〇君の迎えに来ました」

と満面の笑みで用件を伝え

「すっかりお世話になりました」

と手土産を渡し、入院団員の容体をネタに可愛い看護婦さんに話しかけるのでございます。そして

「今度、入院しなくて済む酒の飲み方を是非、ご指南願いたい」

などという話に発展させる訳でありますが、

「あら、〇〇君も同じ事を言ってたわよ」

と入院団員も病室で同じ事を言っていたことが判明し、入院する必要などなかったのではないかと疑問に思ったりするものでありました。

さらにその看護婦さんの机を良く見ると、昨夜、団員を運び込んだ先輩の名刺が置いてあるではありませんか。

「あのー、もしかすると、、、」

と恐る恐る尋ねると、案の定、先輩も同じ依頼をされていたそうでありまして

「じゃあ今度、みんなで一緒に行きましょうね♡」

と言われガックリ肩を落とすのでありました。應援團員と病院に勤務する方との合コンが多かった様な気がするのは、こういうところに理由がある訳であります。【以下次稿】


甲南大學應援團OB

八代目甲雄会広報委員会