創作活動日誌【特別版】＿寺沢武一逝く

★

　先日(9/8)　「コブラ」で知られる寺沢武一氏が亡くなられたというニュースを聞きました。寺沢氏は、いろいろな面で自分の創作活動に影響を与えてくれた作家のひとりだと思っています（それに僕は唯一フアンレターを書いて送った作家だと記憶しています）。自分がデジタルでの漫画制作などはまさに寺沢氏のデジタルマンガの影響だといえるからですし、ガールズイラストのファッションやコスチュームなどもそうです（勉強や参考にさせてもらいました）。まさに自分のクリエイターとしてのヒーローであったと思います。謹んでお悔やみ申し上げます。

　また余談ですが、僕はもともと映画監督などの制作を目指していました。それは「スターウォーズ」のような特撮映画の作品をつくりたかったからです。そのとき考えていたのが、「コブラ」の映画化でした。それは以外と真面目で、当時（1990年代頃だったか）広告関係の仕事をしていたので、出版社などに出入りをしていて、いろいろリサーチしてみたところ、寺沢武一の版権はなかなかハードルが高い、特に奥さんがマネージャーで寺沢氏本人は乗り気でも、その人があまりうんと言わないから・・・＜渋い表情＞（なお、この話はウラをとっていないのであくまで噂程度の情報です）。

　また、その当時寺沢氏本人が映画をつくりたい（監督をしたい）という話も聞きました。ちなみに「コブラ」の映像化が難しいのにはもうひとつの説があります。それはコブラの左腕の義手の表現が倫理的に問題があるという話です。それは些細な表現でしょう、左腕に隠されたサイコガンを取り出すシーンが問題で、放送上などの倫理に違反するからだと。以前コブラはテレビアニメ化で放送されましたが、僕の記憶では、左腕からサイコガンを取り出すのではなく、いざという時に左腕がサイコガンに変化するという演出に変更したものでした（当時左腕からサイコガンを取り出すカッコよさがコブラで、ただ左腕がかわるようなのはコブラのカッコよさではないとフアン心に思った記憶がある）。そういう演出に作家が納得せず（こういう些細なことだと思えることにもこだわる作家はいる）にのちの映像化がしずらくなったということも想像できます(個人的な見解です)。

　そういうことで僕は「コブラ」の映画化は諦めました(あくまでその当時の自分の考えで、別に僕は映画監督ではないですがね＜笑＞)。その映画製作のかわりという感じで、僕が考えたのが「KAIKOプロジェクト」のデジタル漫画制作です。以前スターウォーズのジョージ・ルーカスが「キャプテン・アメリカ」の映画化をしようとしていたが版権がとれなくて、それならオリジナルでの「自分なりのキャプテン・アメリカ」を制作しようと考えてできたのが「スターウォーズ」だったという記事を読み、それなら自分なりのオリジナルとして考えたのが「DEEP Sky」「DEEP Night」の物語でした。

　作家が亡くなり、もしかしたらこれから「コブラ」などの寺沢作品の映像化が進むかもしれません。いまはCGやVFX技術など進んでいるので、どんな作品が見れるか　これからも一フアンとして寺沢武一作品を見守っていきたいと思います。（これはあくまで「コブラ」などの寺沢作品の映像化を待ちわびているフアンの心境です。）