父が出版社で働き、息子は音楽家。と聞いて真っ先に思い当たるのがロベルト・シューマンです。そういう私もシューマンと同じ境遇でした。ただ、シューマンと違っていたのは、若い頃からあまり本を読まなかった事でした。
シューマン著の「音楽と音楽家」は大学の西洋音楽史の授業で、教科書として使われていました。当時は絶版中だったので、話を聞くしかなかったのですが、どうしても欲しくなり、神田神保町の古本屋「古賀書店」に買いに行きました。

父が上京して間もない頃、神保町へ神田駅から歩いて通っていて、もっと近い駅がある事を教えてもらったそうです。私が子供の頃は良く神保町に連れていってもらいました。父が難しそうな本を探している間、書泉ブックマートの3階にあった、テーブルトークRPGのコーナーで、新作のルールブックやサイコロを眺めていたのを思い出します。今やトレーディングカードゲームに変わっているのでしょうね。

「音楽と音楽家」は2007年に改版が発行され、今や近くの書店で簡単に手に入れることが出来ます。書店に無くても、Amazonを使えば明日には届くのかも知れません。便利に世の中になったものです。

楽譜もそうです、版権の切れた楽譜はIMSLPというサイトでPDFがダウンロード出来ます。東洋一と謳われる国立音楽大学図書館も真っ青です。音源に関しても同じですね、YouTubeなどの動画サイトはもちろん、ナクソスミュージックライブラリーなどは、売られているCDがストリーミングで聞くことが出来てしまいます。

タイトルの「拾った話題」は父が文化通信の誌上で執筆していたコラムのタイトルです。そこでは良く「愚息」として私が登場していたそうです。

父は今月6日に遠い世界に旅立ちました。そこでも沢山の人に話しかけ、取材をしていることでしょう。
父の真似事をして見ましたが、私に文才は受け継がれなかったみたいですね。

長文失礼しました。