高2の息子は毎日遊んで帰ってくる
 息子は毎日、部活のバスケットが終わると、バスケ部の友達に誘われてコンビニやゲームセンターに立ち寄って遊んでいるようです。断れないそうで、母親としてどう対応したらよいでしょうか。


本日の回答者

元公立中学校教師
鎌倉 弘行

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17歳から18歳は、最も多感な年頃になります。この年代で経験したこと、学習したことは、その後の人生の大きな道標となります。学校の勉強やテスト勉強は、学習のほんのわずかな部分を指しているに過ぎません。この年代で最も大切な学習は、人について知ることであり、人の本質について感じることであります。

自分自身の中にある様々な自分、他者の中にある様々な他者が、複雑に絡み合って一人の人間を形成していることを感じ、人を複眼的に見られる力を醸造する時期です。青春は無駄な時間の積み重ねです。この無駄に思える時間が、10年後の大切な宝物として生きてくるのです。
 
高校2年生でバスケットボールに燃え、帰り道で部活の仲間とコンビニによって話し込んだり、ゲームセンターで息抜きをしたりするのは、ごく普通の高校生の姿です。こんな素敵な高校生活を送る息子さんに、私は次のようなエールを送ります。
素晴らしい高校生活を送っている君、部活の仲間は君の宝物です。仲間を大切にして、さらなる充実した高校生活を送って下さい。
 
もしお母さんが、バスケ部の友達の誘いを良くないことのように思っているとしたら、それはお子さんが心血を注いでいるバスケットボールの否定につながり、息子さんの誇りを傷つけることになります。もう少し厳しい言い方をすれば、息子さんの生き方の否定につながります。喜びも苦しさも、うれしさも辛さも共有する部活動の仲間は、何ものにも代えがたい宝物です。寄り道や道草が、人生を彩り豊かにしてくれることは、多くの先人が話しているところでもあります。
 
お母さんは、お子さんを信じ切り、息子さんの部活動での活躍を応援し、いい仲間に支えられていることを一緒に喜ぶようにすることが大切です。今、お子さんは自分の道を自分の足で歩き出しています。卵の殻が破れなければ、雛は生まれません。その殻が破れるのを悪とみるか、誕生の喜びとみるかで、状況は大きく変わります。今、息子さんは新たな命を生かし始めているのです。

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ご紹介した記事は、株式会社光明思想社が発行する『生命の教育』令和6年1月号に掲載しています。本記事以外にも「子供のやることを好意的に見ることができない」、「勉強と部活動の両立に悩む中二の息子」などのお悩みに回答しています。ぜひご覧ください!

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引用元:高2の息子は毎日遊んで帰ってくる