勉強が好きになれないわが家の子供たち

 

小学6年、4年、2年の3人の息子がいます。家では勉強もせずに遊んでばかりいます。長男が勉強嫌いなためか、下の2人もそれに習って勉強しません。勉強好きにさせる方法はありますか。

 

本日の回答者

(公財)新教育者連盟 教育アドバイザー 公立小学校教師

執行 ひろみ

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A 「蟻の門人となるなかれ」と福沢諭吉は、『学問のすゝめ』の中で言っています。アリは自分たちで食べ物を見つけ、自分たちの力で巣もつくっています。

 

でも、生きることだけで精一杯になっています。人は、アリの生活と一緒で良いでしょうか。「人は、アリの弟子になるな」と諭しています。人間として生まれたからには、世のため人のために一生をかけようと言われました。


まず、3人の息子さんが元気で楽しく仲よく遊ばれている様子が想像されます。二度とやってこない子供時代を大いに遊んで欲しいと思います。

 

そのうちに遊び疲れて、勉強しなくちゃと長男さんが気づくのではないでしょうか。
次に勉強好きにさせる方法を考えましょう。

 
①親が学ぶ姿を見せる
子供は思っている以上に親のことをよく見ており、親のしている姿を真似するものです。親が新聞や本を読んでいる姿・家庭料理を工夫して作っている姿などを子供に見せてあげましょう。
私の友人は80歳を過ぎた今でも、百人一首・万葉集などを学ばれ、吟じておられます。

 
②興味あることをやらせる
毎週土曜日「サンドウイッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」がテレビ朝日で放映されています。面白いので観ていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。私は毎週必ず観ています。

 

子供が好きなこと、興味あることを徹底的に学んでいる姿は本当に素晴らしく、感動・感動の連続です。大人顔負けの知識、深い探究心は底なしです。信号好き・お寺好き・神社好き・昭和歌謡好き――、博士ちゃんは目をキラキラ輝かせて語ってくれます。

 
③家庭学習を習慣化させる
学校で子供たちの姿を見ていますと、家庭学習の習慣がついている子供とそうでない子の差がよく分かります。小学4年生頃になると明確な学力差が出てきます。

 

子供が学校で学んできても、何も復習しないときれいに忘れてしまいます。だから私は、その日に学んだことのプリントを用意して子供たちに渡しています。

 

Aちゃんは、家に帰ったらすぐに宿題をするそうです。子供が規則正しい生活をし、家庭学習の習慣をつけてあげることは親の務めです。
最後に、子供に言ってはいけない言葉
・「勉強しなさい」

(私の友人の兄が親〈医者〉に言われ続け自死してしまいました)

 

子供には無限の可能性が秘められています。子供は夢をもって楽しく生きています。将来の日本を担う子供たちに愛情をもって接し、たくさん認め、褒めてあげましょう。

 

「教育はおもしろい、楽しいな!」

 

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ご紹介した記事は、株式会社光明思想社が発行する『生命の教育』令和7年3月号に掲載しています。本記事以外にも

母親に反発するようになった中1の娘」、「勉強に無気力な高2の娘」などのお悩みに回答しています。ぜひご覧ください!


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  中3 の息子は少年サッカーに夢中!

 小学生の時からサッカーチームに所属し、中学2年からレギュラーポジションを取ることができて張り切っています。しかし、高校受験の勉強がおろそかになり、高校進学できるかが心配です。

 

本日の回答者

元公立中学校教師

鎌倉 弘行

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A ひとつのことに夢中になれる息子さんは大変幸せですね。またレギュラーとして張り切っている姿を見て、お母さんも嬉しいのではないでしょうか。

 

試合に行けば、お母さんも夢中になって応援している姿が、目に浮かびます。サッカーを通して家族がひとつになれるのは、本当に幸せなことです。


レギュラーをとるには、毎日コツコツと練習を積み重ねる必要があります。自分の課題を見つけ、その課題を克服していく地道な努力を継続することも大切です。

 

そして、試合に出れば、瞬間瞬間に自分の判断で動かなければなりません。その力はこれから先の人生で必ず生きます。


お子さんは努力の大切さ、心地よさを体感しています。そして、努力により自分の内在する力が伸びる快さを感じてもいることでしょう。


中学校3年生ともなれば、親が思う以上に物事を深く考えているものです。一度、お子さんと、将来の夢やめざす生き方さらに学習について、話し合ってみてはどうでしょうか。

 

普段見せる顔とは違う、成長した姿を見せてくれることでしょう。


昔、野球部の指導をしていた時のことです。A男がこんなことを話してくれました。

 

「先生、僕が野球をしている理由を話しましょうか。将来、就職した時に人間関係が大切になりますよね。その時に、野球はいいからなんです。相手と自分のチームであわせて18人と、一遍に知り合える。でも、ある程度うまくないと使ってもらえないし、誘ってももらえない。だから、部活を一所懸命やって、高校でも続けてうまくなって、将来の人間関係の広がりに役立てたいんですよ。高校でやるためにも勉強はやっておかないとね」


中学校2年生がこんな将来設計をしていたことに驚かされました。私の若い頃だったのですが、私より大人だなぁと感動したことを覚えています。


「生命の教育」提唱者の谷口雅春先生は次のようにおっしゃっています。


〈「勉強せよ、勉強せよ」と口癖のように言うと、いくら勉強しても却って心に憶えないのであります。これは又おかしい現象でありますが、原理は簡単です。


「勉強せよ、勉強せよ」というような親は、子供に対してどういう心の態度を執っているかと言いますと、「お前は出来がわるいのだよ」という考えを懐ているのであります。出来るに定っておれば、「勉強せよ」とは申しません。「出来がわるい」と信じているから、「勉強しろ、勉強しろ」とこういうのであります〉
(新編『生命の實相』第47巻17~18頁)


運動をやる子は集中力もあります。お母さんは「あなたの集中力は素晴らしい」と常に言い続けてください。そして、食事のあとにでも、お母さんも30分ほど本を読むなり、同じ勉強をしたらどうでしょう。分からないところはお子さんに聞くと、喜んで教えてくれますよ。

 

先ずは信じることです。

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ご紹介した記事は、株式会社光明思想社が発行する『生命の教育』令和7年3月号に掲載しています。本記事以外にも「母親に反発するようになった中1の娘」、「勉強に無気力な高2の娘」などのお悩みに回答しています。ぜひご覧ください!


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  スマホ使用時の約束を守らない中1の息子

 

 中学生になって初めてスマホを持たせたら、さっそくスマホゲームにはまり、勉強も手につきません。購入前の約束も守れず、反抗的な態度の息子に、母親としてどう接していけばよいでしょうか。

 

本日の回答者

元公立中学校教師

鎌倉 弘行

 

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A スマホを持たせたいきさつは、どんなものだったのでしょうか? 中学生になったから、他の友だちも持っているから、あるいは部活動で遅くなったときに便利だからとかいったところでしょうか。

 

東北大学の川島隆太教授が仙台市を中心に調査をしました。3年間継続して200人以上の子供を追跡調査したそうです。年齢は5歳から18歳です。その結果、毎日スマホを使う子は、脳の発達が止まってしまうことが分かったとのことです。また、いくつものアプリを使っていると、集中力が途切れてしまい、一つのことをやり遂げることができなくなるとも言われています。

 

脳の前頭前野が壊されて、我慢することや先を見る力が衰えて、衝動的になってしまうということも報告されています。もちろん、成績は下がります。

また、スマホを開発したアップルのスティーブ・ジョブズや、マイクロソフトのビル・ゲイツは、危険性が強いからと、自分の子供には持たせなかったようです。スティーブ・ジョブズは、家族団欒の時に、偉人の話や歴史について話していたようで、2人ともコンピュータも時間の制限をかけて、それ以上は使わせなかったそうです。

 

SNSを使った犯罪も近年騒がれています。学校で面と向かって話していれば笑い話で済むことが、SNSへあげたことで、いじめであったり、仲間外れであったり、と様々な問題に巻き込まれてしまうことが多くあります。

 

私も中学校で生徒指導係をしていました。その時に、ある家から「うちの子がいじめられている」との訴えがありました。よく聞いてみると、親が与えたスマホのSNSに友だちのことを軽い気持ちで書いたのです。それを読んだその友達が、悪口ととって返事を書いたそうです。

 

そこから、あっという間に多くの人の眼にさらされることになり、「私はいじめられている」という訴えになったのです。

 

関係者に話を聞くと、最初のSNSに問題があり、話を聞く会を設けて一応の解決はしました。しかし、いじめていると言われた子供も、保護者も、私も納得できるものではありませんでした。これ以上この問題に関わりたくないと、気持ちを抑えたのでしょう。 

 

また、ある子はSNSでつながった成人男性に、誘われて県外まで行き、大騒動になったこともあります。子供がどこにいるか分かるから便利だと言って、スマホを買い与えていますが、お母さんに位置が分かるということは、全世界の人にもお子さんが今どこにいるか分かるということです。

 

便利であるものは、逆に非常な危険と直結しているのです。 オーストラリアでは、法律で未成年のSNSを禁止しようとしています。かなり高額の罰金が課せられるようです。 谷口雅春先生は次のようにおっしゃっています。〈人間を不幸にするものはわがままである。わがままは他を不幸福にするばかりではなく、自分自身を不幸にする。(中略)彼は誰かに迷惑をかけるために自己虐待をしているのである。(中略)時間を大切にするということは命を大切にするということである〉(新編『生命の實相』59第76巻~78頁)

 

ここで私が言えることは、ルールを守らなければすぐにスマホを取り上げてしまうこと。お子さんは、もちろん反抗するでしょうが、それはわがままです。本来もっている神の子としての力を出すためにも、親として毅然とした態度を見せることが必要です。教育は時に鉄槌を下すことも、子供のためには必要なのです。

 

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ご紹介した記事は、株式会社光明思想社が発行する『生命の教育』令和7年2月号に掲載しています。本記事以外にも「娘が学校で人間関係に悩んでいる」、「勉強と部活の両立に悩む中二の息子」などのお悩みに回答しています。ぜひご覧ください!


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※「注文商品1」に「【月刊誌】生命の教育」を選択し、コメント欄に「令和7年2月号」とご記入ください。

 

 

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