行動も言葉も暴力的になった思春期の息子

 

 中学1年の息子は、思春期からか家の壁を叩たたいたりしてストレスを発散するようになりました。言葉も暴力的になり、親の言うことを聞かなくなりました。これ以上エスカレートしないかが心配です。

 

本日の回答者

元公立中学校教師

鎌倉 弘行

 

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A 中学1年から高校生までは、精神的に不安定な時です。自分でも「なぜこんなことをするのか」「なぜこんなことを言ってしまうのか」が分からない時期です。瞬間瞬間に思いとは違う言葉や行動が出てしまうのです。

 

特に、中学校1年生は、周りの仲間と自分を比較することも多くなります。小学校時代は、他と比較してもそんなに劣等感を感じなかったのですが、中学校になると自分の劣っている部分が目につきやすくもなります。

 

勉強面で言えば、国語はよくても数学ができないと、自分は数学ができなくてダメだと、悪い方を見ます。朝、起こしてもらっているとすれば、仲間は自分で起きているのに、自分は親に起こされていてダメだと思ってしまいます。それは成長過程では仕方のないことだと思います。

 

私が担任をしていた学級でのことです。保護者懇談会の折に、A男の学校での様子をお伝えしました。清掃も当番活動も熱心にやっているし、素直であるとお伝えしたところ、お母さんが「えー、先生、本当にうちの息子のことですか。家ではそんな姿を見たことないのですが。特に素直な姿は最近ご無沙汰してます。反抗的な姿はよく見ます」と言うのです。

 

私は「お母さん、それはいいことですよ。外ではいい子、家ではそうではないのは、普通ですよ。外で反抗して家で素直だったら、社会に出て生きていけませんよ。ちゃんと、内と外を使い分ける智恵がついたんですね。素晴らしい」と答えました。
時期が来れば、成長した素直さをお母さんの前でも見せるようになりますよ、と付け加えておきました。

 

ご心配でしたら一度、学校へ行って担任の先生に、学校での様子を聞いてみるのがよいと思います。学校で何かトラブルがあるのなら、そこに原因はありますし、そうでなければ、本人の成長の過程としてみることができます。

 

また、男の子はお母さんをうるさく感じる時期でもあります。お父さんを身近に感じるようになり、お母さんをうるさく思い、距離をとろうとします。その距離の中に、お母さんが入ってくると、なお一層煩わしく感じるようにもなります。そういったことが重なり、言葉にできないもどかしさもあり、壁を叩くといった行為に出ているのではないでしょうか。

 

「何か言えば、うるせぇとか黙ってろとか言うので、黙っていたら、なんで無視するんだ、だって。全く男の子は面倒くさい」と笑いながら話したお母さんもいました。
「生命の教育」提唱者谷口雅春先生は、このように説かれています。

 

〈子供をして彼自身を「神の子なり」と信ぜしめよ。神父はその子をその全能の力にて常に完全に導き給い、無限生長に導き給い、どんな不遇の場合にも必ず守りていたまうことを信ぜしめよ。
どんな場合にも失望しない心、取越苦労をしない心、摂理に信じまかせ切って、晏如たるを得る心、倒れても倒れてもまた起き上ることの出来る心、これらは幼時に心にきざまれた完全円満なる神を父とする想像から力強く生れ出て来るものなのだ〉
(新編『生命の實相』第22巻 103~104頁)

 

目の前のお子さんをみて心穏やかならざる時には、本人に聞こえるように笑顔で次の言葉を言ってみてください。
「神の子、神の子 思春期、思春期 よかった、よかった」

大丈夫です。 20歳になれば、親を大切にするようになります。

 

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ご紹介した記事は、株式会社光明思想社が発行する『生命の教育』令和6年10月号に掲載しています。本記事以外にも「2学期を迎えたら不登校気味の息子」、「学校のレベルについていけない娘」などのお悩みに回答しています。ぜひご覧ください!

 

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  世界遺産のことを知りたい

 

 小学5年生の娘が総合の時間の学習で世界遺産について調べています。そこで、親としてどのように学びを深めたら良いかを教えて下さい。

 

本日の回答者

(公財)新教育者連盟 教育アドバイザー 公立小学校教師

執行 ひろみ

 

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A 私は神々が宿る聖地、熊野市に住んでいます。今年は、「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されてから20周年になります。

 

まずは、クイズを出しますので答えて下さい。

 

①熊野三山の使いである「ヤタガラス」の特徴は?

 

A 体が白い
B 足が3本ある
C 目が赤い

 

答えはBです。諸説ありますが、3本の足はそれぞれ天・地・人を表し、神と自然と人が同じ太陽から生まれた兄弟であることを示しています。

 

②日本の世界遺産はいくつありますか?

 

A 10ヵ所以下
B 11~20ヵ所未満
C 20ヵ所以上

 

答えはCです。世界遺産には文化遺産、自然遺産、複合遺産の3種類に分類され26ヵ所あります。

 

次に、世界遺産とは?
昭和47年(1972)のユネスコ総会で採択された『世界遺産条約』に基づき、人類共有のかけがえのない財産として「国際的」に保護・保全していくことが義務づけられている「遺跡」や「建造物」、「自然」などのことで、これらを次世代に伝えていこうとするものです。

『紀伊山地の霊場と参詣道』(通称:熊野古道)について

 

私が住んでいる熊野はどこへ出かけるのも大変不便で時間がかかり辛くなる時がありますが、風光明媚な所です。私はそんな熊野が大好きです。
「紀伊山地は三重県・奈良県・和歌山県にまたがっています。山深い紀伊山地の北側には吉野大峯、北西側に高野山、南側に熊野三山があります。これらの地に、日本古来の自然をおそれうやまい神聖なものと考える神道、6世紀に大陸から伝えられた仏教、その2つが結びついた独特の神仏習合の文化が生まれ育まれました。

これにより、深山での厳しい修業で超自然の力を得て、多くの人々の救済を目指す修験道が生まれました。紀伊山地は、さまざまな信仰の霊場として、千年以上を経て今なお人々の中に息づいています。(『世界の誇る日本の世界遺産』引用)

 

最後に、日本の世界遺産を学んで私たち大人は何ができるでしょうか。私ができることは、「地元学」として子供たちに熊野古道を伝えていく。ご当地ソング♪この道は神様が宿りたもう熊野路よ……♪の「古道の旅人」を歌い継いでいく等々。

日本には、世界に誇る素晴らしい景観・文化がたくさんあります。将来を担う子供たちのために、先ずは私たちが日本の素晴らしさを学び続けていきましょう。


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ご紹介した記事は、株式会社光明思想社が発行する『生命の教育』令和6年10月号に掲載しています。本記事以外にも「2学期を迎えたら不登校気味の息子」、「学校のレベルについていけない娘」などのお悩みに回答しています。ぜひご覧ください!

 

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  特定の子としか遊ばない小学3年生の娘

 

3年生になると娘は特定の2人としか遊ばず、他の子とはほとんど遊ばなくなりました。もっとほかの子とも遊んでほしいのですが、そのことをどう説明すれば娘は理解してくれるでしょうか。 

 

 

本日の回答者

(公財)新教育者連盟 教育アドバイザー 公立小学校教師

執行 ひろみ

 

 

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A ♪ともだちはいいな どんなときでも こころとこころが つうじあう 

   ともだちはいいな どんなときでも よろこびかなしみ わかちあう♪ 『ともだちはいいな』(繁下和雄 作)

 

私はこの歌が大好きでよく口ずさんいます。私にはたくさんの友だちがいて、毎日、幸せを感じながら生活をしています。

 

 さて、設問を読んでいますといくつか疑問があります。「特定の2人としか遊ばず」、とありますが、仲良しのお友達が2人いれば良いのではないでしょうか。決して気にすることではないと思います。また、「他の人とはほとんど遊ばなくなりました」とありますが、何が原因なのでしょう。親の見えないところでトラブルがあったのでしょうか。親としては心配ですね。

 

さらに「もっとほかの人と遊んでほしいのですが」とありますが、おうちの人にとっては、特定の2人はお気に入りではないのですね。

 

娘さん自身が悩んでいないのに、もっとほかの子とも遊んでほしいと思うのは、親のエゴではないでしょうか。それとももっと良い子と遊んでほしいのでしょうか。

 

まだ、生まれてから9年しか経っていない小学3年の娘さん、これから無限に伸びる成長期。友だちづくりの大切な学習期間。いろいろな経験、小さな経験の積み重ねが必要だと思います。

 

先日、小学3年生担任のC先生から次のような悩みを聞きました。最近、大の仲良しのAちゃんとBちゃんがつるんでよくない行動をして困っているというのです。具体的には、外で元気に遊んでいて授業に遅れてきたり、人の悪口を紙に書いたり、集中して授業を受けなかったりなど……担任としては面白くありません。

 

Aちゃん、Bちゃんはお互い気が合い、居心地の良い関係なのですが……。学級経営が上手なC先生は2人の良い所を褒め、学校のルールを守ること、友だちを傷つけないことを約束させたところ、2人の関係は良好でしかもつるまなくなり、ほっとしていました。

 

設問の中に「どう説明すれば娘は理解してくれるでしょうか」とありますが、小学3年生の娘さんに理論で攻めるのはよくないことです。

ただ親の願いをさりげなく伝えることは良いと思います。


― 自分と仲良く、みんなと仲良く―

 どんな時も、「今、自分はどう思っているのかな」「自分はどんな気持ちかな」と、自分の心を見つめ、正直に
行動しましょう。最後に、自分と仲良くして、自分がハッピーでいれば、まわりの人にも優しくできます。
そうすれば、友だちとも、もっと仲良くなり幸せな生活が送れます。人生は楽しい!!

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ご紹介した記事は、株式会社光明思想社が発行する『生命の教育』令和6年8月号に掲載しています。本記事以外にも「子供にとって厳しさは良くないことですか」、「生きる意欲を失いつつある娘」などのお悩みに回答しています。ぜひご覧ください!

 

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