そして治療もあと何日間となったある日➰
いつもの時間に家を出て
いつもの時間の電車に乗るため
売店でお水を買おうとしたところ
突然「キキキィーーー!!!」
という耳の奥を突き刺すようなブレーキ音!
「何!?」
音の方向へ振り向くと
目に入ってきたのは
全身真っ黒な服を身に付けた男性が
何かを叫びながら!
電車に向かって線路上を歩いている姿
その先には運転手さんの驚愕した顔!
「エッ‼︎怖い!!」
私は一気に血の気が引き
すぐさま改札口へ戻ろうと階段を登りました➰
地鳴りのように響くブレーキ音と
駅員さんがバタバタと階段を駆け登る足音
目に映るものに現実感はなく
写真を見てるように止まって見えました
心臓がバクバク💓
「アッ私、病院へ行けない」
すぐに病院へ電話を入れました
「すみません
今日は行けません
人身事故に遭遇してしまったので
多分治療時間に間に合いません」
「そうですか5時までならできますから
何とか来てくださいね」
「……はい、ちょっと考えます」
病院に電話した後直ぐに
息子たちにもLINEをしました
「どうしよう目の前で人身事故
電車止まっちゃった
どうしよう
母は必死に治そうとしてるのに
病院にいけなくなっちゃった
これまでの治療がダメになる〜
どうしよう」
しばらくして次男から返信がありました
「そんな日もあるさ」
私はトタンタライが頭の上に落ちたような
衝撃を受けたのです
次男の言葉から
「母さんだけじゃないよ
みんなも辛いんだぜ」
そんな思いを感じたのでした