折れた翼 | ~同じ空の下のできごと~

~同じ空の下のできごと~

この空の下は悲しみで満ちている。
その悲しみに寄り添おうとする言葉。


肯定されて生きてきたか、否定されて生きてきたか。



消せない記憶が私の袖を掴む。
どうしても忘れられない記憶が、生きることの妨げとなる。
心軽く羽ばたいていた頃の記憶は遠い。一度折れた翼は戻らない。
動かなくなった翼を引き摺って、地を這う。
泥に塗れた顔を拭う。
生きたい。死にたい。生きたい。死にたい。
擦り切れて痛みが止まない翼を引き摺って生きるのは苦しい。
いっそ笑えたらいいのに。
役に立たない翼を切り落として噴き出す血を浴びながら、笑えたらいいのに。