こんにちは。こんぱな@手作りごはんの獣医師です。
手作りごはんのご質問にお答えしようと思います。
【Question】
フレンチブル1歳半、男の子です。
あまりにもかゆがるので動物病院に行ったら、「アレルギー」だと診断され、アレルギー検査を受けましたが、その検査でいろんなものが食べられないと言われました…しかも、今まで食べた事がないものにまで反応してしまったので困ってしまっています。しかも、今は皮膚が脂っぽい、いわゆる「脂漏症」という状態になってしまっていて、それも頻繁にシャンプーする必要があるのが大変で…。
アレルギーが改善すると聞いたので手作りごはんを始めたいのですが、ダメ食材が多すぎて怖くて始められません。こんなアレルギー症状の犬でも手作りごはんで大丈夫なのでしょうか。また、手作りごはんが可能であれば、犬のアレルギーや脂漏症に効果的なレシピや食材などありますか?
ご質問ばかりで申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
【Answer】
「アレルギー」に「脂漏症」の診断を受けられて…
すごく大変なお気持ちでいらっしゃるんだろうなぁとお察しいたします。
今回頂いたご質問の中で気になったのは、皮膚症状の中に「脂漏」という状態が存在しているということです。
「脂漏症」とは、皮脂が過剰に分泌されてしまっている状況の事で、触るとべたべたしたり、独特の体臭がすることが多いです。また、分泌された皮脂をエサとする雑菌類や寄生虫が皮膚上に大量発生したりしてしまう事が、更に状況を悪化させます。
そうすると「じゃあ皮脂をこそげとっちゃえば良いんじゃない?」という意見も出てくるかもしれませんが、そうはいっても皮脂そのものは体にとっては必要なものですから、「皮脂をなくせば解決する!」という単純な病態の子ばかりではありません。
問題は、『皮脂が存在すること』なわけではなく、『皮脂が過剰に分泌してしまうこと』なのです。
それでは、なぜ皮脂が過剰に分泌してしまうのか?の部分ですが…
皮脂には元々、皮膚からの水分蒸発を防ぐ役割があります。
その事を踏まえた上で考えると、
皮膚が乾燥する → → → 皮脂が分泌する
という反応が生じることはご理解頂けますでしょうか。
つまり、皮脂が過剰に分泌する状況の背景には、『皮膚の乾燥』が関与してい可能性があるのです。
私が脂漏症のワンちゃんを診察させていただいた時、必ず 「おしっこの色は濃い黄色ですか?」と質問します。
上記の質問は水分摂取量を間接的にチェックするための質問です。
当てはまる場合には、水分不足による皮膚の乾/それを補う為の皮脂分泌の過剰が関与していると判断します。
もちろん、水分不足以外にも脂漏症を生じさせる原因はあるわけで、可能性を細かく疑っていくことも非常に重要なのですが、ただ、お薬や処方食などを始める前に『まず水分補給でどこまで改善するのか?』を確認する事はとても重要だと考えています。
水分摂取量の目安は、「尿の色が透明にちかくなるまで」です。
まず二週間、尿の色が変わるまで水分を摂取させる事を続けてみてください。水分不足で症状が出ていた子であれば、それだけでも少し状態が変わってくるはずです。
水分摂取量を増やす、という観点から見たとき、手作り食ってとても便利だなーと思うわけですが、今回の場合は、アレルギーとして反応した食材がたくさんあるということでしたので、とりあえずはアレルゲンの入っていないと判断を受けたドッグフード(もしくは今まで食べているドッグフード)をたっぷりのお湯でふやかして給仕する方法を選択されてみては?と思います。手作りじゃなきゃダメ!ってことはありません。
また、
アレルギーが改善すると聞いたので手作りごはんを始めたいのですが、ダメ食材が多すぎて怖くて始められません。こんなアレルギー症状の犬でも手作りごはんで大丈夫なのでしょうか。また、手作りごはんが可能であれば、犬のアレルギーや脂漏症に効果的なレシピや食材などありますか?
というご質問に関しましては、
結果だけをお伝えするのであれば、アレルギー症状の犬でも手作りごはんで対応は出来ます。ただ、そんなに不安な状態であれば、誰のサポートもなしにすぐに手作り食に切り換えることはお勧め出来ません。(飼主様の心理状態が安定しない状態だと、なんらかの変化があったときに対応しきれないと思われるため)
まずは、上記に記載したように、現在食べている食事に水分を足す所からはじめてみてください。負担なくできるところからスタートしましょう!ゆっくりでも、必ず変化は起こってきます。
こんぱな@手作りごはんの獣医師
フィルウ
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