最強のワンピース | 小森陽一オフィシャルブログ「一期一会」Powered by Ameba

最強のワンピース

『映像研には手を出すな』、とても愛おしいマンガです。その主人公である浅草みどりは言いました。
「私の考えた最強の世界。それを描くために私は絵を描いているので、設定が命なんです」
しかし、僕には絵が描けません。最強の世界を創るには絵描きというピースが足りな
い。それがずっと悩みのタネでした。


話は変わってこちら。世界中を席捲している中国SFの巨編、『三体』。先日よりNetflixにてドラマもスタートしましたね。あまりにも話が壮大であり、物理様式なので、大したことのない僕の脳みそではついていけない部分も多く、本の方は最終巻前でページをめくる手が止まっています。――という中身の話ではなく、表紙の話。この印象的な装画はどなたが描いたものなのか気になっていました。本を読む前に見るのと、読んだ後に見るのとでは印象というか深みがまったく違っています。
(これって最強の世界を絵で表現する、コンセプトアートだよね)
富安健一郎氏の名前を認識したのはこの時でした。


コンセプトアートとはなんぞや。例えば映画とかゲームとか都市景観とかを作る際、監督やアートディレクターの頭の中は誰も覗けません。その頭の中にあるイメージをぐいっと取り出して、一つの完成形を全員に共有させる絵、それがコンセプトアートです。縁とは実に不思議なものです。今回、僕の考える世界に富安さんが加わってくださいました。話せば話すほど僕等の周りには共通の友人・知人がおり、どうやら仕事をするのは既定路線だったようなのです。 

富安さんとのセッションはこれまで計三回やりました。もうね、楽しくて仕方ありません。一つのイメージを伝えると、その時の日時、気温、湿度や匂いまで尋ねられます。答えながら僕の頭の中でそのぼんやりしたものが次第にくっきり像を結んでくるんです。こんな経験をしたことは今までに一度もありません。最強の世界を創る為の最強のワンピースが現れました。もはや怖いものはありません。存分に想像の羽を広げまくりたいと思います。



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