小森陽一オフィシャルブログ「一期一会」Powered by Ameba
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>

抗う時代劇

少し前の話になるが、『侍タイムスリッパー』という映画を観た。幕末を生きる侍がタイムスリップして現代へやってくるという物語だ。そう聞くと真っ先に藤岡弘、さん主演の『SFソードキル』が思い浮かぶ(こちらは冷凍保存だったが)。『戦国自衛隊』なんかもそのテイストだ。よくある展開だし、ある種使い古された手法ではある。


だが、この映画の面白いところはそこではない。侍が行き着いた先は東映の撮影所で、彼はそこで切られ役という大部屋さんの仕事をすることになる。戸惑いながらもホンモノの侍として生きられる数少ない場所が時代劇の現場であり、その時代劇も制作本数が減って風前の灯火、侍の時代が終わろうとする幕末とかけてあるのだ。観客は侍の戸惑いや微かな喜びに思いを馳せながらも、作品を貫く古き良きものに寄り添おうとする深い愛情を感じる。元々一館での上映でスタートしたこの作品が、あれよあれよと拡大公開されている理由は、おそらくその辺りにあるのではなかろうか。斬新とか傑作とはまた別の、なんだか心が温まる物語だからこそ応援してあげたい。そんな気持ちが湧くのだ。


先日のこと、『SHOGUN』がエミー賞を総なめにした。主演でありプロデューサーも務めた真田広之さんが海を渡り二十数年、コツコツと実績と信頼を積み上げ、ついに自分流の時代劇を創り上げた。これは本当に大変な快挙である。真田さんの決してブレない強い信念と、オーラとも運とも呼ぶべき天性のものを備えていたから成し得た。メジャーリーグを席巻している大谷翔平選手と重なってみえる部分が多々ある。
こちら、物語は未見だが、やはり深い時代劇愛が根底にあると聞く。危機だから背を向けるのではなく、だからこそ果敢に立ち向かう。まさにサムライスピリットが国内、国外を問わず広がっているのは素晴らしいことだと思う。

何事もそうだが、信念に勝るものはないとつくづく思う。苦労はするが、そこはやっぱり曲げちゃいけない。そして、そういう作品にはしっかりと拍手で報いたい。



▼公式ウェブサイト
https://www.y-komori.net/

▼小森陽一プロダクト ウルトラマンガレージキット
https://www.y-komori.net/garagekit/

▼Twitter
https://twitter.com/yoichikomori

▼Facebook
https://www.facebook.com/yoichi.komori67

▼Instagram
https://www.instagram.com/yoichikomori/

▼Youtube
https://www.youtube.com/channel/UCv4P1Hcq0sk7cT0u8rm8mgA/


ふるさとに立つ

故郷を出たのが高校卒業の時だから、もう四十年近くになるんだなぁ。その間、たまに帰ることはあっても積極的に何かをするってことはなかった。観光大使の依頼とか講演の要請なんかもいただいたけど、すべてお断りしていた。



去年かな、故郷が市政七十周年を迎えるにあたって、僕を軸に何かのイベントをやりたいとクラスメートのMくんから要請がきたのは。ふと、(受けよう)って気になりました。歳を取ったからなのか、人生も後半になって見える景色が違ってきたからなのか、理由は自分もよく分からない。ただ、(故郷に何にもしてない)という思いがあったのは確かだ。


先週末、その一回目の企画として、大学生の皆さんと一緒に大河内山の窯元さんを訪ねた。伊万里焼の歴史を学ぶと共に、もの創りを生業とする者同士、青山窯の川副さん、九産大の黒岩教授と三人の対談を行った。


大川内の行ったのも数えるほど、焼き物の歴史もほとんど知らない。だから、新鮮な気持ちで風景を見つめられたし、対談でも多くの発見があった。とても蒸し暑い日だったんだけど、途中からそんなのは気にならなくなった。とても集中していたんだと思う。


結果として故郷に何かするつもりが、新しいものをもらった形になった。これもまた故郷のパワーなのかもしれない。十月は二回目の企画が行われる。今度はゲストを呼んで、僕の原点を掘り下げる話をするつもりだ。忘れているものつくりの原点が垣間見えるかもしれない。



▼公式ウェブサイト
https://www.y-komori.net/

▼小森陽一プロダクト ウルトラマンガレージキット
https://www.y-komori.net/garagekit/

▼Twitter
https://twitter.com/yoichikomori

▼Facebook
https://www.facebook.com/yoichi.komori67

▼Instagram
https://www.instagram.com/yoichikomori/

▼Youtube
https://www.youtube.com/channel/UCv4P1Hcq0sk7cT0u8rm8mgA/


偉業

記録更新が早過ぎて速報が間に合わない。こんなの初めて見た……(笑)


大谷翔平選手が50-50なら51-51を達成した。少しは足踏みするかとも思ったが――現実は違った。一試合で盗塁二つ、ホームラン三本である。こんな冗談みたいな筋書きは物語にはない。大谷翔平という存在にのみ、あり得るのだ。

思い起こせば日ハム時代、三度ほど試合を観た。もちろん二刀流として騒がれていたが、投手としてはダルビッシュとかマーくんの方が圧倒的な感じがしたし、バッターでは甲子園で松井、清原のホームランを直に観たことがあったし、平成の三冠王、松中信彦の全盛期には遠く及ばない感じがした。だがそれは、進化の途中だったと今ならはっきり分かる。

いつしか翔平さんの活躍を眺めて一喜一憂する日々だ。大リーグの試合を観るようになったのもそう。おそらく全国に、全世界にそんな人が沢山いるだろう。歴史上の人物に確定しているプレーヤーの進化形態を日々目の当たりに出来るなんて、こんなに贅沢なことはない。

ヤフーで翔平さんの検索をしたら、お祝いの紙吹雪が舞った。素敵だ。



▼公式ウェブサイト
https://www.y-komori.net/

▼小森陽一プロダクト ウルトラマンガレージキット
https://www.y-komori.net/garagekit/

▼Twitter
https://twitter.com/yoichikomori

▼Facebook
https://www.facebook.com/yoichi.komori67

▼Instagram
https://www.instagram.com/yoichikomori/

▼Youtube
https://www.youtube.com/channel/UCv4P1Hcq0sk7cT0u8rm8mgA/


1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>