迷い子猫

このところ立て続けに野良猫が庭先に現れます。しかも、傍らには子猫の姿が。猫の出産は春と秋の二回だそうですから、おそらく九月に生まれてちょうど出歩けるようになったくらいでしょう。

でも、この前、仕事場のウッドデッキに登ってきたミケの子猫は様子が違いました。母猫はどこにもいません。一匹で時折鳴いたり、寝そべったりしておりました。しばらく様子を眺めましたが、立ち去る気配はありません。それどころか、窓の方をじっと覗き込みます。誰が見てもこれは「入れてくれ」アピールです。

ここで手を伸ばせば責任が生じます。もう、見放すことは出来なくなります。しかし、猫を飼うには覚悟もいります。今後十数年ともに暮らす覚悟です。奥さんとも相談し、やっぱりそれは出来ないよねとなりました。だから、どこかしっかりしたところに保護してもらおうと。いろいろと手分けして調べていたら、気が付くと子猫の姿はどこかに消えておりました。安堵と申し訳なさ、ない交ぜの気分が湧きました。

十六年、ワンコと共に過ごしまた。ペットがいる生活は幸せです。癒しはもちろん、日々の運動不足解消にも一役買ってくれます（特にワンコは）。でも、生活の形態は変わりますし、当然ながら手間もお金もかかります。それが分かっているからおいそれと野良猫に手が伸ばせない。どこかの優しい人に拾われて幸せに暮らして欲しいと願わずにはおれません。

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