観猿 | 小森陽一オフィシャルブログ「一期一会」Powered by Ameba

観猿

先週末、ずっと気になっていたシリーズを一気観した。あの名作、「猿の惑星」のリブート版三作だ。リメイクではなく、「再始動」を意味するリブートという言葉を敢えて使った製作陣の意図。テーブルにコーヒーを置き、ソファの真ん中に座って、万全の態勢で向かい合った。


結論から言うと傑作だ。猿達を率いるリーダーのシーザー、彼の意思力が桁外れのオーラとなってびんびん伝わってくる。あの目と沈思を前にすれば、人間よりシーザーの方についていきたくなる。それくらい凄い波動だ。


シーザーは人に育てられた。猿と人の争いに苦悩しながらも群れを率い、考え方の違う猿同士の苛烈な争いを経て、多くを失い、傷つく。その果てに一人の少女と接する中で新たな(次の段階への)意識が芽生える。なんと見事な流れだろう。 


作品のテーマは「リーダーとはかくなるべきか」、これに尽きる。一匹の猿を通しながら、そのことを強烈につきつけられる。これは世界の首脳達全員が観るべき作品だ。

コロナウイルスが蔓延している今、この作品に手を伸ばしたことが我ながら不思議だ。なぜ、地球は猿の惑星へと変貌したのか? それは人間が新型ウイルスによって死滅したからに他ならない。飛行機によって世界の都市に次から次へと運ばれていく光跡を見つめながら、なんとも暗澹たる気持ちになった。


世界のどこかでシーザーが誕生しようとしているのかもしれない……。



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