オズ・ワールド | 小森陽一オフィシャルブログ「一期一会」Powered by Ameba

オズ・ワールド

クランクインは30度越えのとんでもなく暑い日でした。熊本県荒尾市にある遊園地、グリーランドの一角で、波多野監督の「よーい、スタート!」という掛け声が響き渡りました。主人公の波平久瑠美を演じるのは波瑠さん。上司の小塚を演じるのが西島秀俊さん。二人の姿を見て、なるほど、こういう雰囲気になるのかと思ったものです。頭の中のイメージが目の前で実体化する醍醐味。これは作者しか味わえない特権です。



実はこの小説、当初は小塚が主人公でした。地方の遊園地に誇りを持ち、愛し、懸命に働く男。しかし、どういうワケかキャラが動きません。どんなに頑張っても、紙の上では働いてくれないのです。頭を抱えた挙句、ならば女の子を主人公にしてみたらどうかと思いました。都会生まれ、都会育ちで田舎なんか全然知らない子。そんな子が就職でやってきたとしたら? 今は淡々と振り返れますが、当時は半ばヤケクソでした(苦笑)

女の子のキャラクタービジュアルを考えていた時、ふと、昔見た映画が頭の中に過りました。「マリア様がみてる」で出てきた子。髪が長くて、肌が白くて、なにより印象に残る怖いくらい真っすぐな目線の子。その子を演じたのが波瑠さんでした。だから、主人公である波平久瑠美の名前には波瑠さんの二文字を入れたのです。その数年後、まさか本人がこの役を演じてくれようとは、夢にも思っていませんでした。波瑠さんにその話をすると、びっくりされていました。あの真っすぐで大きな目がさらに大きくなってこちらを見つめた時、『ああ、波平さんだ』とはっきり感じたことは生涯忘れないでしょう。



しかし、オズがこんな風にメディア展開するなんて、自分としてはちょっとびっくりです。しかも、全部タイトルが違う! 小説は「オズの世界」、マンガは「不思議の国の波平さん」、映画は「オズランド」。なんか遊園地っぽくて楽しいです。
そうそう、マンガ版1巻も今月18日に発売されます。マンガならではの波平や小塚が躍動しています。皆さん、ぜひ、楽しんでください。そしてこの秋、劇場でお会いいたしましょう!!



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