鑑賞記 | 小森陽一オフィシャルブログ「一期一会」Powered by Ameba

鑑賞記

久々やってきました鑑賞記。でも、ここんとこ全然観れてない……。忙し過ぎて出ていくばっかり。全然取り込めてない。こうやって言い訳が出るのはまずいなぁ、ほんといかん。時間が無いなら捻り出せ!

『メリダとおそろしの森』 2012年公開
監督 マーク・アンドリュース/ブレンダ・チャップマン 脚本 ブレンダ・チャップマン/アイリーン・メッキ 出演 ケリー・マクドナルド エマ・トンプソン 他
ピクサー初の女性主人公だそうだ。自由闊達な女の子、いや、王女メリダ。ふわふわした燃えるような赤毛と風に揺れる青いドレス、そして真ん丸い目がくるくると動く。『ロード・オブ・ザ・リング』の世界で赤毛の王女が縦横無尽に活躍する物語。とても愉しめたが……娘と母親の気持ちが男の私には今一つよく分かりませんでした。

『ヘルタースケルター』 2012年公開
監督 蜷川実香 脚本 金子ありさ 原作 岡崎京子 出演 沢尻エリカ 大森南朋 寺島しのぶ 他
とある時、蜷川さんからヘルタースケルターを実写化する事、主演は沢尻エリカである事を聞いた。その時僕が言った事は「……出来るの?」だった。だが、見事に具現化し、大ヒットとなった。やっぱり蜷川さんは凄い。映画は原色バリバリで欲望も全開、りりこを演じた沢尻エリカはとても美しく見応え十分。自分にはとても真似の出来ない作品だが、だからこそ無視出来ないオーラが詰まっている……。

『009 RE:CYBORG』 2012年公開
監督 神山健司 脚本 神山健司 原作 石ノ森章太郎 出演 宮野真守 斎藤千和 他
大好きなサイボーグ009、それを、ムチャクチャ面白かった「東のエデン」の神山監督が手掛けた。映像は素晴らしい、表現もさすがだ。さすがIG。でも、物語がなぁ……。これは脚本の出来云々ではなく、突き詰めると009という素材の問題なんだと思う。カッコ良過ぎて上手くはまらない。そんな感じだ。あらためて素材の難しさが浮き彫りになった。

『クロニクル』 2013年公開
監督 ジョシュ・トランク 脚本 ジョシュ・トランク 出演 デイン・デハーン アレックス・ラッセル マイケル・B・ジョーダン
よくある超能力モノ。かと思いきや、これがめっぽう面白い。高校生の男子三人、最初は知らないうちに身についた超能力を使っていたずらを繰り返す。実にしょうもないいたずらだ。だが、その内、それぞれの根っ子に根差した考え方が超能力の使い方に現れ出す。家庭環境、友達、そして人格……。超能力という派手な見せ場の裏で人間の本質とはという大テーマに迫った力作。

『マン・オブ・スティール』 2013年公開
監督 ザック・スナイダー 脚本 デヴィッド・S・ゴイヤー 出演 ヘンリー・カヴィル エイミー・アダムス 他
「スーパーマン」じゃなくて「マン・オブ・スティール」。鋼鉄の男というタイトルを付けたところに、これまでとは違うものを作ってやるという製作者の覚悟と気合いを感じる。映像は確かに素晴らしい。スーパーマンの飛行表現、ゾッド将軍との肉弾戦、誰かが書いていたが、確かに実写版「ドラゴンボール」だ。だが、僕はクラーク少年を育てた夫婦のシーンが一番好きだ。ケビン・コスナーとダイアン・レイン、あの夫婦の感じ、ちょっと保守的で、ちょっととっつき難くて、でも、自然とか運命とかを心地良く感じていて、いかにもアメリカの片田舎を感じさせてくれる。あのシーンがあればこそ、どれだけ突飛な世界も地に足が着いているように感じる。

『SPEC 漸ノ篇』 2013年公開
監督 堤 幸彦 脚本 西荻弓絵 制作 植田博樹 出演 戸田恵梨香 加瀬 亮 竜 雷太 他
テレビシリーズ、映画、スペシャルドラマと続いてきたSPECもいよいよラスト、結まできた。だが、僕は半分しか観ていない……。まさに半ケツ状態だ。これじゃ何も語る資格はナイ。でもちょっとだけ。堤節全開。中身は……相変わらずムチャクチャでした(笑)

『劇場版ATARU』 2013年公開
監督 木村ひさし 脚本 櫻井武晴 制作 植田博樹/韓 哲 出演 中居正広 北村 一輝 栗山 千明 堀北 真希 他
こちらはテレビシリーズが飛び飛びで、またもや語る資格ナシ。小ネタも意味が分からないものがあって置いてけぼり感がハンパない……(韓P、ゴメンナサイ)。でもだ、チョコザイを演じる中居くん、チョコザイにしか見えん。あれだけテレビで見てるのに。やっぱり凄いよ。そして、チョコザイに想いを寄せるマドカ、堀北さんはマジで綺麗だった。一体何があったというくらい、ここんとこその美しさに磨きがかかってるように思う。黒い衣装がとても似合ってた。

『俺はまだ本気出してないだけ』 2013年公開
監督 福田雄一 脚本 福田雄一 原作 青野春秋 出演 堤 真一 橋本 愛 石橋 蓮司 他
まずもってタイトルが秀逸。言い訳? 開き直り? 自分に言い聞かせてる言葉? 中身はというと……イタイ。イタ過ぎて面白い。面白くてちょっと切ない。分かるなぁ主人公の気持ち。「今日はたまたま本気が出なかった」とか「明日はとんでもない事が起る」とか「俺の持ってるポテンシャルはそもそもこんなもんじゃない」とか「俺は神から選ばれてる」とか……。ほんと、いまだにそんな事思うもんなぁ……。そして、昨日となんも変わらない今日を生きる。夜、月明かりに照らされたゴミを出す自分の影を見ると、訳もなく叫んで走り出したくなる時があるんです。


―――あぁ、なんとも半端な感じだが、今回はこの辺でお開きに。



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